2018-05-14

6月12日まで「北朝鮮報道」に気をつけなければならない理由


北朝鮮状勢が目まぐるしく動いている。北朝鮮は安倍首相とトランプ大統領が主軸になって行われた経済制裁によって経済的に追い込まれている。

北朝鮮の工作員や、北朝鮮の息のかかったマスコミやジャーナリストはしきりに「北朝鮮への経済制裁、まったく意味がない」とか「経済制裁でも何の影響も受けていない」とか言って、経済制裁をやめさせようとしていた。

中には「インフレも起きていない」とフェイクニュースを垂れ流す媒体もあった。

しかし、日米の圧力で中国までもが経済制裁をせざるを得ない状況になって「何の問題もない」という方がおかしい。

実際には北朝鮮では工場閉鎖、物価上昇、電力不足、エネルギー不足、食糧不足が慢性化していたというのは、ウォールストリート・ジャーナルの取材でも明らかになっているし、アジアプレスでも詳しく報じている。

アジアプレスでは2018年5月14日に『<北朝鮮内部>平壌市民も経済悪化に反発 配給劣化と停電で「食べ物も電気もくれない」』というタイトルで、平壌の食糧配給制さえも維持できないところにまできており、庶民層に大きな不満が吹き荒れていることを記事にしている。

経済制裁は効いている。それも、北朝鮮が国家崩壊しそうなまでに効いている。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

北朝鮮は「核兵器で政権を守るしかない」と考えた


北朝鮮がここまで追い込まれたのは、明らかに日本とアメリカの強力な経済制裁が効き始めたからである。

北朝鮮と対話などしてもまったく埒が明かなかったのに、強力な経済制裁を行えばたちどころに北朝鮮は折れた。何十年も対話してもまったくの無駄だった。強力な経済制裁を1年すればよかったのである。

つまり、北朝鮮を御するのに必要だったのは対話ではなく、「強力な圧力だった」ということだ。

対話をすれば北朝鮮の嘘八百と策略と裏切りに何度も何度も付き合わされる。北朝鮮はそういう体質であり、そういう国家である。意味がない。

しかし、圧力をかけられて政権基盤が揺らいだら北朝鮮は持たない。いつ、どのように瓦解するのか分からないが、どのような形であっても瓦解は免れない。

北朝鮮は政権崩壊しないために必死になって核開発に邁進してきた。その背景には、サダム・フセインとカダフィ大佐の末路が大きく影響している。

サダム・フセインは核ミサイルを持っていなかったためにアメリカに攻められて吊し上げられて死んだ。カダフィ大佐は核放棄を公言したら崩壊して撃ち殺された。

カダフィ大佐の死は一種のショーだった。(ブラックアジア:【会員制】カダフィ大佐、撃つなと懇願するものの頭部を撃たれて死亡

それを見てきた北朝鮮は「核兵器で政権を守るしかない」と考えたのである。

そうしなければ、フセインのようにパンツ一枚で刑務所に放り込まれているのを撮られた挙げ句に首を吊されるか、カダフィ大佐のように「撃たないでくれ」と命乞いしながら撃たれて死体をさらし者にされると恐怖に駆られたのだ。

その結果、核開発に邁進する北朝鮮だったが、その過程で何度もミサイルを飛ばしては日本を含む周辺国を威嚇して、「ミサイルを撃たれたくなければ援助しろ」と瀬戸際外交を繰り返してきた。

豚のように肥え太った金正恩は震え上がった


中国にとっては駐韓米軍と対峙しないための緩衝材の役割をしていた。そしてアメリカにとっては周辺国に兵器を売る口実の役割をしていた。

一時期、北朝鮮は大国にとっては「使い勝手が良い国」であったのである。(ダークネス:簡単に壊滅できる北朝鮮をアメリカが壊滅させない理由とは

しかし、北朝鮮が核開発を推し進め、それを弾道ミサイルに載せてアメリカ本土にまで飛ばせるほど進化するのであれば、話は別だ。

何もしない大統領であったバラック・オバマであれば、アメリカに核ミサイルを飛ばせる能力を北朝鮮が持っても放置していたのかもしれない。

しかし今は、「何をするのか分からない」ドナルド・トランプ大統領である。

アメリカに挑戦する金正恩にトランプ大統領は本気で怒っていて、経済制裁と共に北朝鮮の軍事攻撃をも射程に入れるようになった。

それが「斬首作戦」や「ブラッディ・ノーズ作戦である。先制攻撃で金正恩を排除する戦略が着々と進行していた。(ダークネス:ブラッディ・ノーズ作戦。アメリカは北朝鮮を先制攻撃する

これが嘘ではないのは、トランプ大統領の周辺には続々と「北朝鮮を先制攻撃すべし」という強硬派が集まって、ティラーソンのような対話派が消えたことだ。

これに豚のように肥え太った金正恩は震え上がった。

2017年までは「アメリカを火の海にする」「日本を海に沈める」と言った威勢の良いハッタリを言っていたが、今年に入ってから急にトーンダウンするようになった。

そして「平和・対話」といきなり手のひらを返して今に至っている。事実上の「命乞い」である。

「日米離反工作」と「北朝鮮擁護工作」が始まる


すでにドナルド・トランプ大統領のまわりには北朝鮮をまったく信じない人間たちで占められている。

ピーター・ナヴァロ氏、マイク・ポンペオ氏、さらにジョン・ボルトン氏、ジーナ・ハスペル氏は全員揃って北朝鮮を信じていない。

そして、北朝鮮のバックにいる中国をも信じていない。さらに言えば、北朝鮮の傀儡のようになって動いている韓国の文在寅(ムン・ジェイン)も信じていない。

そのために、今さら金正恩が手のひらを返して命乞いをしたところで助かるのかどうかは分からない。

たとえば、トランプ大統領がすでに北朝鮮を崩壊させることを決意しており、北朝鮮が絶対に飲めない条件を突きつけてわざと北朝鮮を追い込んだとしても不思議ではない。

そのワナが仕掛けられるとしたら、米朝首脳会談である。

現在の予定では2018年6月12日に、シンガポールで米朝首脳会談が行われることになっている。

場所の調整で会談が1ヶ月ずれ込んでいるのだが、この延期の1ヶ月で北朝鮮は自国に有利になるようにありとあらゆる工作活動を行うことになる。

この工作活動はアメリカにも仕掛けられるが、アメリカと共同歩調を取っている日本にも仕掛けられる。

どのような工作活動が行われるのかというと、「日米離反工作」と「北朝鮮擁護工作」である。

北朝鮮の工作員はマスコミに大量に入り込んでいるので、工作活動の中核はマスコミとなる。つまり、これから「日米離反工作」と「北朝鮮擁護工作」のフェイクニュースが怒濤のように流れていくことになる。

そのため、マスコミの報道だけに接していると、あたかも北朝鮮が有利で日米が北朝鮮に屈するかのような印象操作にはめられる可能性も高い。

日本はこの1ヶ月を乗り切ることができるだろうか。(written by 鈴木傾城)

このサイトは鈴木傾城が運営し、絶えず文章の修正・加筆・見直しをしています。ダークネスを他サイトへ無断転載する行為は固くお断りします。この記事の有料転載、もしくは記事のテーマに対する原稿依頼、その他の相談等はこちらにメールを下さい。



たとえば、トランプ大統領がすでに北朝鮮を崩壊させることを決意しており、北朝鮮が絶対に飲めない条件を突きつけてわざと北朝鮮を追い込んだとしても不思議ではない。そのワナが仕掛けられるとしたら、米朝首脳会談である。


〓 この記事のツイッター投稿はこちらです

この記事を気に入って下さった方は、リツイートや♡(いいね)を押して頂ければ励みになります。

ツイッターで鈴木傾城をフォローして頂くと、執筆・更新状況などが総合的に分かります。


お願い

ダークネスの本文を他サイト(キュレーションメディア、まとめサイト、個人サイトすべて)へ転載する行為は、いかなる理由があっても固くお断りします。