2018-04-14

すべてはスマートフォンに集約していかなければならない


当初は気付いていなくても、後から振り返ると大きな時代の転換だったと言える動きというものがある。世の中は変わっているのだが、その動きは水面下で起きているので気付かない。しかし、それは確実に人類の歴史を変えている。

たとえば、PCという機器は確実に時代を変えた。インターネットというインフラもまた人類の文明を根底から覆した。そして今、大きな波が再び文明を変えている最中であると言っても過言ではない動きが続いている。

スマートフォンによる文明の再構築だ。

2018年3月27日、いよいよ時代がPCからスマートフォンに完全転換することを決定付けた出来事があった。

これは普通の人々にはまったく知られることがなかったが、後で振り返ると非常に大きな動きであったことが認識されることになるものであるのは確実だ。

現在、インターネットの検索エンジンはグーグルが独占している。このグーグルが2018年3月27日、検索エンジンのための「クロール、インデックス、ランキング」を1年半の慎重な実験とテストを経て「変えた」と発表したのである。

どのように変えたのか。「歴史的にデスクトップ版のコンテンツがインデックスされてきましたが、今後はモバイル版のコンテンツを使用していきます」とある。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

「ウェブ=スマートフォン」という流れが決定的に


私たちはインターネットに存在する膨大なコンテンツを探し出すために検索エンジンを使う必要がある。この検索エンジンは今までパソコンのサイトを中心にして情報を集め、整理し、提示していた。

しかし、もうこれからは違う。グーグルはパソコンのサイトではなく、スマートフォンに最適化されたサイトを中心に情報を集め、スマートフォンに最適化されたサイトを中心に検索の結果を表示していくようになる。

なぜグーグルはこのような動きをしているのか。

言うまでもない、すでにインターネットにアクセスする人々はパソコンではなくスマートフォンのユーザーの方が圧倒的に多いからである。つまり、時代はとっくの昔にこのようになっているのだ。

「ウェブ=スマートフォン」

スマートフォンを最初に発表したのはアップルだった。2007年9月10日、当時アップルを率いていた伝説のCEOスティーブ・ジョブズは「携帯電話を再定義する」としてアイフォーンを発表した。

画面は小さく、キーボードもなく、電池は一日で切れる、フラッシュは動かない……等々の欠点が指摘されて「こんなものは使えない」とノキアやマイクロソフトは冷笑してこき下ろした。

しかし、人々が新しい携帯電話を買うときに選ぶのは圧倒的にアイフォーンであり、アイフォーンのクローンとして登場したアンドロイドだった。ノキアやマイクロソフトは一気に時代遅れと化した。

そして2015年。スティーブ・ジョブズが生み出した「スマートフォン」が、たった8年でパソコンを凌駕したことをグーグルは発表している。グーグルはこのように発表した。

「スマホやタブレットからの検索が、パソコンを抜いて多数派となった」

つまり2015年には、もう世界はパソコン中心からスマートフォン中心に転換しており、この結果を見てグーグルは検索エンジンを作り替えることを決断したのである。

そして2018年3月27日、グーグルは検索エンジンの作り替えを完了して、切り替えを発表した。インターネットはスマートフォンで見るのが当たり前になる。そしてウェブはスマートフォンが掌握することになる。

パソコンもテレビも完全に「時代遅れの産物」


パソコンが時代遅れの産物になったのは、パソコンが利用できる環境は主に室内に限られており、しかも座っているときにしか使えないことにある。

しかも、使う前の立ち上げには時間がかかり、あれこれ何でもできる代わりに設定は非常に面倒で専門知識がいる。

スマートフォンはこのパソコンの欠点をすべて解消した。人々は超高機能なコンピュータを片手で持ち運ぶことができるようになり、いつでもどこでもインターネットと向かい合うことができるようになった。

電車の中でも、レストランで食事をしている時でも、いや歩いているときですらも人々はスマートフォンと向き合っている。

そして人々はメールをチェックしたり、地図を表示して行き先を確認したり、誰かとチャットしたり、電話したり、やりたいことを何でもスマートフォンでやっている。

今やパソコンのサイトよりもスマートフォンのサイトの方が利便性が高まっている。

その結果として2015年に検索もスマートフォンからの流入がパソコンを凌駕していく流れとなり、グーグルもパソコンよりもスマートフォンを重視する方向に転換したのである。

すでに若年層はパソコンを所有しなくなっている。パソコンどころかテレビすらも持たない若者も「当たり前」になった。

スマートフォンでインターネットにアクセスでき、あらゆる動画が見られるようになっている。ゲームもできれば写真も撮れれば、チャットもできれば、SNSもできる。

コンテンツを消費するだけならパソコンもテレビも要らない。パソコンもテレビも完全に「時代遅れの産物」と化したのだ。

私たちは時代遅れと言えば、紙の書籍や新聞みたいなものを想像して、パソコンやテレビが時代遅れの産物という意識はあまり持てない。

しかし、パソコンを支配していたマイクロソフトが影響力を失い、テレビ局が影響力を失っているのを見ても分かる通り、スマートフォンは着実にパソコンやテレビを時代遅れの産物にしてしまっている。

強者であっても時代に乗り遅れると捨てられる


2018年3月27日からグーグルが本格的に「モバイルファースト=スマートフォン中心」に転換したのを受けて、今後はパソコンの凋落とスマートフォンの影響力拡大はさらに広がる。

2007年から起きていたパラダイムシフトが2018年に徹底的となったと認識しなければならない。

パラダイムシフトとは、既存のルールを完全に崩壊させる新しい波、新しい変化、新しいルールを言う。これからはスマートフォン中心の新しいルールのもとで動いていく。

これは、この後に及んでもまだ「スマートフォン中心」に対応できない企業、コンテンツメーカー、個人は時代から取り残され、淘汰されてしまうことを意味している。

決済や銀行機能ですらもフィンテックの流れの中でスマートフォンが取り込んでいく。スマートフォンが使えない人は、いずれは買い物すらも満足にできない時代に入ってしまう。

さらに言えば、これから起きる巨大で決定的なイノベーションはすべてスマートフォンとその周辺で起きていくので、スマートフォンの流儀を知り尽くした人間でないと社会的に成功することもおぼつかなくなる。

パラダイムシフトが起きている時代は、盛者必衰の法則が鮮明になる時代でもある。今はうまくいっている人であっても、容赦なく叩き落とされるのがパラダイムシフトの時代だ。

どんな強者であっても時代に乗り遅れると捨てられるのだ。

パソコンの時代に乗れなかったIBMは次世代に影響力を喪失した。スマートフォンの時代に乗れなかったマイクロソフトは次世代の影響力を喪失した。

同じように、私たち個人もパラダイムシフトに乗れなかったら社会から簡単に見捨てられる。

企業は事業モデルをスマートフォン中心主義に据えなければならないし、個人はライフスタイルをスマートフォン中心主義に据えなければならない。

すべてはスマートフォンに集約していかなければならない。ただ、スマートフォンを持っているとか使っているというレベルでは充分ではない。

スマートフォンの技術やビヘイビアに高度に適応し、対応し、ビジネスモデルを生み出し、そこで何らかの創造すらもできるようなレベルに自分を引き上げなければならない。

もう、待ったなしで時代は進んでいるのだから「今すぐ」それをすべきだ。(written by 鈴木傾城)

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企業は事業モデルをスマートフォン中心主義に据えなければならないし、個人はライフスタイルをスマートフォン中心主義に据えなければならない。すべてはスマートフォンに集約していかなければならない。


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