2018-03-07

アメリカの超巨大IT企業の次の成長力を絶対に見くびるな


アメリカのハイテク業界は世の中の「あらゆるモノ」をインターネットにつなぎ、無限に巨大な情報をビッグデータとして取り込むことを画策している。

この「あらゆるモノ(Things)」をインターネットにつなぐ状態を「IoT(Internet of Things)」と呼ぶ。モノがインターネットにつながったら何が起きるのか。

一例としてよく言われるのは、自分の家の電気は消したのか、鍵はかけたのか、ガスは消したのか、水道は止めたのか、あらゆることがインターネットで分かるようになるということだ。

自分が家に帰る前にエアコンで部屋を暖めるようなことも可能だ。さらに、一年を通してデータを分析し、光熱費に無駄がないのかを調べるのも可能だ。

これは一例である。家庭でも職場でも生活環境が一変する。それをアメリカのハイテク大手企業が狙っている。アップル、マイクロソフト、グーグル、アマゾン等の企業は決して取りこぼしはしない。

すでにこれらの企業は家庭用の音声アシスタントを「アマゾン・エコー」「グーグル・ホーム」「アップル・ホームポッド」等で提供しているが、これらの機器がIoTと結びついて家の中のすべての電化製品を制御するようになるのは必然の動きだ。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

米IT企業が終焉などと言っていると嘲笑される


気が付かなければならないのは、こうした巨大な分野で熾烈な争いを繰り広げて技術独占するのは、すべて「アメリカのIT企業」になるという現実である。

世界は自由競争の時代なのだから、どこの国のどこの企業が参戦してもいいのだが、そのスケール感や技術的なイノベーション(革新)では、アメリカのIT企業に太刀打ちできる他国の企業が存在しない。

つまり、これまでの時代が終わって次の時代がやってきたとしても、業界を支配しているのは相変わらずアメリカの巨大IT企業であるということだ。

全世界のイノベーションは、今後もアメリカのハイテク企業が牽引し、数十年に渡ってリードしていくのは確実になっている。

他国のIT企業がアメリカのIT企業による技術独占を阻止しようと思っても、あるいはビジネスモデルを真似しようと思っても、規模的にも技術的にも敵わないので追いつくことすらもできない。

もちろん真似はできる。たとえば中国の企業は真似だけで大きくなった。しかし、それでもローカルを支配するのが精一杯で、世界を制覇することにはならない。

したがって、アメリカの大手IT企業の株価が一時的に調整したとしてもそれは一時的なものであり、どのみち上を目指していくのは間違いない。これからさらに次世代のイノベーションを核にして飛躍があるのだから当然だ。

株価が調整するたびに「アメリカは終わった、アメリカは凋落した、アメリカのハイテク企業も終わりだ」と馬鹿のひとつ覚えのように言っている評論家もいるが愚かだ。

アメリカのハイテク企業は成長が終焉するのではなく、むしろこれからも相変わらず凄まじいイノベーションを引き起こしながら成長していく。

高く飛ぶためには腰をかがめてエネルギーを溜める。アメリカのハイテク企業は停滞があったとしても、それは「腰をかがめた状態」でしかなく、ここでアメリカのIT企業が終焉などと言っていると嘲笑されるのがオチだ。

終焉どころか、アメリカのハイテク企業が持つその潜在能力はまだすべて見えていない。

凄まじい潜在能力を秘めた業界であるのが分かる


あらゆるモノがインターネットにつながると、その無限大のビッグデータを瞬時に解析する「能力」が要る。それを担うのは紛れもなく人工知能だ。

グーグルの現在のCEOはインド人であるサンダー・ピチャイ氏だが、「今後はモバイルファーストから人工知能ファーストに移行する」と宣言し、すでに検索に関しても内部で人工知能を利用していることを明かしている。

グーグルの人工知能に対する傾倒を印象付けて世間に衝撃を与えたのは傘下の企業ディープマインド社が開発した囲碁の人工知能「アルファ碁」だった。

囲碁は複雑な思考を要するゲームであり、人工知能が人間に勝つのはずっと先の話だと言われていた。しかし、2016年3月にはあっさりと世界のトッププロ棋士を打ち破った。

それもただ破ったのではなく、圧倒的な強さを見せつけてトップ棋士を寄せ付けなかった。人工知能が人間の能力を凌駕していることを人々は知った。

人工知能に関しては、人々はその片鱗を、自分のスマートフォンに話しかけて応答してもらうことで体験している。いつしかゆっくりと人工知能が人々に浸透しつつあって、それが生活になくてはならないものへと変わっている。

この人工知能を制しているのも、これまたすべてアメリカのIT企業である。スマートフォンのOSも、クラウドも、人工知能も、みんなアメリカのハイテク企業が押さえていて、他を寄せ付けない。

さらに怒濤のごとく進んでいるロボット技術、電気自動車、無人運転、ウェアラブル機器、ドローンに関しても、アメリカのIT企業が飛び抜けている。

こうした状況を冷静に確認すると、アメリカのIT企業が属するハイテク産業は、ただのブームではなく今後も世界を揺さぶる凄まじい潜在能力を秘めた業界であるのが分かるはずだ。

潜在的な能力は計り知れないものがある


アメリカのIT企業は、既存のITビジネスからさらに一歩先のイノベーションに向かっている。そのため、次世代の産業をリードするのは確実だ。

インターネット業界の成長は、ひとつのイノベーションが起きるとそれが全世界を独占するまで続き、それが一段落するとまた次のイノベーションが核になって、それが全世界を独占するまで成長が続いていく形を見せる。

たとえば、業界を牽引していたスマートフォン分野では劇的な進化が止まった可能性も指摘されている。

しかし、その「次」が何も見つからないのであればともかく、ハイテク業界の「次」は人工知能、IoT、ロボット、電気自動車、無人運転、ウェアラブル機器、ドローン……と目白押しなのだ。

そのため、パソコンやSNSやスマートフォンのような流行やひとつの大きな波が落ち着いても、それで終わりということにならない。終わりどころか、むしろ始まりであると捉えなければならない。

ただ、イノベーションの熾烈な競争の中では脱落する企業も現れるのも事実だ。

たとえば、1990年後半のITバブル期に名を馳せたヤフーなどは、検索技術の進化に出遅れた上に経営ミスも重なって窮地に追いやられて消えていった。

あるいは時代を風靡しているツイッターも、経営はそれほどうまくいっているとは言い難い。

しかし、ヤフーやツイッターに問題があるからと言って、ハイテク産業全体が凋落したと決めつけるのは、森で2本の木が枯れたから森が全滅すると考えるのと同じくらい奇妙な論理である。

アメリカのIT企業全体で見ると、その潜在的な能力は計り知れない。今後は「まだ私たちが知らない企業」が、急激な勢いで巨大化していく可能性も秘めている。

「アメリカが終わる」と10年以上も前から言っている人や、「次の時代は中国だ」と未だに言っている人や、少しアメリカの株価が下がると「終焉だ、破滅だ」と言い出す人がいるが、彼らは現実が見えていない。

アメリカのイノベーションを生み出す能力は、まったく衰えていない。恐ろしいほどだ。これから来る「第4次産業革命」もまたアメリカが制する。アメリカの超巨大IT企業の次の成長力を見くびったら、激動の時代に出遅れる。(written by 鈴木傾城)


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アメリカのイノベーションを生み出す能力は、まったく衰えていない。恐ろしいほどだ。これから来る「第4次産業革命」もまたアメリカが制するのだ。


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