2018-02-15

これが洗脳(マインド・コントロール)で使われる手法だ!


(地下鉄サリン事件で犠牲者29人、負傷者6000人を出したオウム真理教の裁判が2018年1月にやっと終結した。オウム真理教の手口は他でも使われている。改めて洗脳の手法を振り返っておくのは無駄ではない)

洗脳とは何か……。洗脳という言葉は中国語から来ている言葉である。脳を洗う。そして真っさらになったところで、新たな思想を植え付けて改造する。

中国ではこれを共産主義の強制に使った。だから、この言葉は中国から発祥した言葉である。

この「思想教育」「強制人間改造」は権力者にとって自分の都合良い人間を作り上げるのに必須の技術であり、だからこそよく研究されて様々なところで「利用」されている。

現在では、カルト教団の教祖が信者を自由自在に操るためによく使われている。カルト教団が徹底的に行う洗脳は、何十年経っても「解けない」ので、洗脳された信者の多くはその後の人生が破壊される。

そして、洗脳を駆使しているのはカルト教団だけではない。最近では、普通の真面目な女性をアダルトビデオのような世界に堕とす際にも使われていることが分かっている。(【会員制】真面目な女性をカメラの前でセックスさせる手口が蔓延?

しかし本来は、「国家」が「国民」を奴隷化させるために生み出され、作り上げたものだったのである。

独裁政権、あるいは全体主義国家にとって、多様な意見や、反対者や、インテリの国民は常に「邪魔」であり、そういった人間を何とか奴隷化させる必要があった。

そこで「洗脳」という方法が開発されたのだ。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

ポル・ポト政権も強烈な洗脳政権だった


東南アジアで最大のジェノサイド(民族大虐殺)を引き起こしたカンボジアのポル・ポト政権も、政権を取った後に真っ先に行ったのは国民の「洗脳教育」だった。

子供たちは親から引き離されてオンカー(ポルポト政権)の徹底忠誠を叩きこませ、原始共産主義の思想を刷り込み、政権の指示するがままに動かした。

まさに子供の真っ白な脳をいいように「利用した」とも言える。

その子供たちが大人になっていくと、もはやオンカーに忠誠を尽くすのが当たり前になって他の考え方ができなくなっていた。

だから、ポル・ポト政権が崩壊してからもずっと彼らはポル・ポトを支えたのだった。そして、ポル・ポト派は長らくカンボジアのパイリン地区を支配できた。

ポル・ポト政権は実に極端な例だったのだが、共産主義国家では洗脳や思想改造という薄気味悪いことはどこでも行われてきた。だからこそ、共産主義というのは恐ろしかった。

もっとも、国家が邪魔な人間を排除するために、国民を画一化させて思想の自由を奪って、為政者に都合のよい考え方をするための方法論は、その非人道性から成功するに至らなかった。

しかし、この方法論に目を付けて、個人崇拝に使えると考えたのが犯罪気質を持った詐欺師たちである。

彼らは適当なカルト教団をでっち上げて、それを信者に対して試みるようになった。

現在では、この「洗脳= Brain washing 」は共産主義者を作り上げる手法というよりも、宗教でマインド・コントロールされた信者を作り上げる手法として知られるようになった。

最近では「洗脳」という激しい言葉はあまり使われず、マインド・コントロールと言い換えられているが、どちらも実体は同じだ。

マインド・コントロールというのは、「強制思想改造」というよりも、むしろ無意識に人間を洗脳状態にさせる手法が使われているとして、実はより悪質なのではないかとも言われている。

マインド・コントロールの手口とは


カルト教団が使っているマインド・コントロールは、4つのステップから成り立っている。

(1)アプローチ
(2)引き込み
(3)アイデンティティ解体
(4)新思想の維持・強化

カルト教団が生み出したマインド・コントロールの手法というのは、実はたくさんの手法があるのだが、その中でも基本になっているのが、「4ステップ・マインド・コントロール」である。

ほとんどのカルト教団は、この手法を使っている。

「アプローチ」の段階で自分が洗脳に落とされると気付けば、ただ関係を切れば完全に逃れられる。「引き込み」でも引き返すことは可能だ。まだ洗脳されていないからだ。

しかし、洗脳工作が始まって「アイデンティティ解体」に至れば、そこから引き返すことは難しくなる。

「新思想の維持・強化」まで行くと、洗脳自体は完成しているので、10年経っても20年経っても戻れない。自分がカルト教団の洗脳工作のターゲットになっていると気付いた時、逃げるのは早ければ早いほど良い。

(1)アプローチ


「アプローチ」というのは、新人の勧誘だ。書籍や、イベントや、路上でのアンケート調査や、手相占いなどで、異性などが無理やり、執拗に、そして親しげに誘い込んでくる。

「集会に来ませんか?」「DVDを見て見ませんか?」と誘い、「途中で抜けても構わない、それは自分で判断していい」と優しく言う。

アプローチには異性が使われることが多い。

こういった最初の段階ではカルト教団の名前は一切出さず、勉強会、語学学習、自己啓発、ヨガ、ヒーリング、スピリチュアル等のダミーが使われる。

集会に連れてこられた信者は、最初は薄気味悪いほど持ちあげられ、賞賛され、親しげに仲間扱いされる。人は誰でも褒められたり認められたら嬉しいので、その集会に親近感を抱くようになる。

一方で、「あなたはまだ本当の人生を生きていない」「今のあなたの状態は地獄だ」と不安を掻き立てて、そのさらに奥へと引きずり込むのである。

(2)引き込み


さらなる引き込みは「ビデオ学習」「擬似修行体験」を通して行われる。しかし、この段階で、なぜその修業が必要なのか、この実体は何なのか、参加者には教えられることはない。

疑問を抱く参加者には「疑問は勉強すれば分かる」と言って、さらに「修行体験」「学習」に追い立てる。

そして「今やっていることは誰にも言わないように」と秘密保持させて疑問を誰かに相談する機会を奪っていく。

何らかのスローガンを連呼させたり、マスゲームで一体感を強要したり、外界と隔絶させてヨガや瞑想を長時間させたりして、精神世界を追求させるのが「修行」や「学習」と言われる。

それぞれやり方は違っても、ここで本人には無意識の刷り込みが行われていく。

ほとんどが肉体を通じた「刷り込み」になっているのは理由がある。人は身体で覚えたものは「無意識」になっていく。修行が無意識になるというのは、考えなしに身体が反応するということだ。

まず、無意識に身体の方を帰属させて、それを習慣にさせていくのである。

(3)アイデンティティ解体


アイデンティティ解体は、刷り込みをさらに強化させるために日常生活を「奪う」ことによって行われる。

すなわち、合宿だとか集中講義だとか言われるものである。

人里離れた施設に数日間連れて行かれて、そこで一日24時間、徹底的な講義・瞑想・祈祷が行われる。

ここでは断食や睡眠時間短縮が強要されることもある。生理的剥奪状態から被暗示性を高められる。これによって人間は極限状態に追い込まれていく。

そして、まさにその極限状態の中で、教団の聖的な特徴が繰り返し繰り返し強調されて高揚感を与えていくのである。

この時に、これまで蓄積していた断片的知識がパズルのピースのようにはまっていき、カルト教団の思想に結実する。

信者にとって新しい世界、覚醒した状態になっていき、すべてをカルト教団の思想に沿って考えるようになる。洗脳が成功した状態だ。

(4)新思想の維持・強化


新思想の維持・強化は、さらに自らがカルトの手先として誰かをカルトに引きずり込むことで完成する。

路上で誰かにアプローチし、カルト教団に引きずり込むのである。その過程で、本人の洗脳もさらに強化されていく。

重要なのは、この段階まで到達すると、自分の言葉で他人を説得するようになるので、洗脳された内容が自分の思想へと転化して、もはや元に戻れなくなることだ。

自分が手に入れたもの、自分が語っているもの、自分が広めるものとして思想が取り込まれている。

この時点でその思想を否定することは、すなわち自分の存在さえも否定するものになってしまう。

そして、この時点で思想を否定することは、自分が説得している相手も、そしてカルト教団も裏切ることになってしまう。

だから、ここに至ると、「もう終わり」なのである。

信者を食い物にする奇怪な人間はどこにでもいる


信じるのは必ずしも悪いことばかりではない。何かひとつの宗教を信じることによって共同体が成り立ち、結束が高まり、平和が保たれ、孤独感が消え、結果的に人々は救われる。

しかし、利己主義で私利私欲にまみれた人間が、自らのどす黒い欲望と野心のために、強制的に信じさせて、強制的に相手が持っているものを根こそぎ奪おうとすることもある。

それが問題なのだ。

犯罪者や詐欺師はどこにでもいる。信者を食い物にする奇怪な人間はどこにでも存在していて、犠牲者を狙って蠢いている。

日本だけではない。ありとあらゆる国にカルト教団は育っている。これらの詐欺師はすでに実証されている様々なマインド・コントロールを使って、私たちに仕掛けてくる。

だから、私たちは洗脳(マインド・コントロール)の手口を知っておかなければならないのだ。

この悪辣なマインド・コントロールの過程で何が失われるのだろうか。それはその人の自主性であり、主体性であり、個人の自由であり、人生である。

マインド・コントロールされると、そのトップにある者に全面的な服従を強いられる。奴隷と同じだ。

すべての宗教は、この(1)〜(4)をやり方や考え方こそ違っても踏襲して信者を服従させて、抱腹絶倒な物語を信じさせている。だから、以下を気をつけておくべきだ。

・荘厳なものに騙されない。
・勝手に救済されようとしない。
・他人に言われて自己変革しない。
・他人に言われて潜在能力を引き出そうとしない。
・親密だが正体の分からない集団と接しない。

人は誰でも悩みもあれば、苦しみもある。病気もあれば、仕事の失敗もある。犯罪者は私たちがもっとも苦しい時や弱い時にやってきて、さらに悪夢の奥底にまで引きずり込んでいく。

口当たりの良いものは常に危険だ。犯罪者は悪魔のような格好でやってくるのではない。犯罪者は天使のような格好でやってきて、最後は悪魔のように振る舞う。自分だけ勝手に救われようと思うからワナに落ちる。(written by 鈴木傾城)


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