2018-02-08

ブラッディ・ノーズ作戦。アメリカは北朝鮮を先制攻撃する


アメリカは北朝鮮を攻撃する意図はあるのか。もちろん、ドナルド・トランプ大統領は「やる気」だ。北朝鮮に対する一連の圧力はブラフではない。緊迫感が格段に上がっている。

2017年から強化された経済制裁で、北朝鮮の金正恩政権は確実に苦境に落ちている。

たとえば、北朝鮮は朝鮮中央通信を通じて2017年10月20日に「国際社会による経済制裁が子供や女性を苦しめる明白な人権蹂躙行為である」と言い出している。

今まで、人民をさんざん強圧的政治で苦しめ、強制労働に追い込み、行政よりも軍事に邁進していた北朝鮮が、制裁を「子供や女性を苦しめる明白な人権蹂躙行為」と糾弾することは失笑ものだが、このメッセージは明白だ。

「苦しいからやめてくれ」ということだ。

北朝鮮が苦しんでいる兆候は、他ならぬ日本でも観察できるというのを指摘しているのはティラーソン米国務長官である。

2018年1月17日、ティラーソン米国務長官は日本近海に100隻以上の北朝鮮漁船が漂流し、乗組員の3分の2が死亡したとの日本政府の情報でこのように語っている。

「食料不足のために冬期の漁に送り出され、十分な燃料もないまま出発させられているようだ」(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

北朝鮮に対する経済制裁は確かに効いているのだ


ティラーソン米国務長官はこれを「制裁が本格的に苦痛を与え始めている」として捉えている。制裁が無意味でも何でもなく、大きく北朝鮮を追い込んでいる。

面白いことに、日本で起きていることなのに、マスコミはこれを今ではほとんど報道しなくなった。

北朝鮮は充分な燃料もないまま飢えた兵士を日本海に送り出している。それが失敗して死んだら腐った死体となって日本に流れ着くのだから、日本側としては迷惑この上ない。

しかし、生きていると日本に辿り着いて電機製品から食料まで片っ端から盗んでいくのだから、もっと始末が悪い。

マスコミは、オリンピックで北朝鮮の女たちを「美女」だとか言って映していないで、日本海に流れ着く遺体や兵士を映して現実がどうなっているのかを知らしめるべきだ。

北朝鮮が送り込んだ「見世物用の女たち」は、単なる目くらましにすぎない。そんなものは本質ではないし、取り上げる価値もない。それは大衆向けのハニートラップでしかない。

北朝鮮の宣伝に踊らされ、利用されているだけである。

こうした北朝鮮の宣伝は報道するが、現実に起きていることを隠蔽するのだから、北朝鮮の指導者も腐っているが日本のマスコミも同じくらい腐っている。

核開発に邁進し、国際社会のルールを逸脱し、自業自得で経済制裁されたら、兵士を少ない燃料で荒れ狂う厳寒の海に突撃させるのが北朝鮮政権のやっていることだ。

その無慈悲さと非人道を、なぜマスコミはきちんと報道しようとしないのか。そして、この無意味な独裁政権が経済制裁で追い詰められている「成果」をなぜ隠すのか。

アメリカと日本の指導者は北朝鮮に対する制裁の強化を各国に要請しているのだが、北朝鮮に対する経済制裁は確かに効いているのだ。

北朝鮮の有事は、避けられないところにまで来た


そして、ティラーソン米国務長官は中国の姿勢が変わっているということをも指摘している。それは「これまで決してなかった」と言った。

中国は北朝鮮の経済制裁については乗り気ではなく、当初より日米の強い要請の中でもどっちつかずの態度に終始した。

北朝鮮が6回目の核実験を行った際にも石油の全面禁輸措置を主張するアメリカに対して反対を表明し、結局は国連でも「石油の輸出を制限する」ということで落ち着いた。

中国は別に北朝鮮を庇っているわけではない。

北朝鮮が体制崩壊すると、大量の難民が中国側に押し寄せ、場合によっては中国国境にまでアメリカ軍が軍事作戦を展開させる事態や、ロシアが介入してくることになることを心配しているのだ。

実際、北朝鮮は中国からの輸入規制が厳しくなると、ロシアに助けを求めるようになっている。

ロシアは公然と北朝鮮に武器弾薬を流し込んでいるが、それは北朝鮮を使ってアメリカを疲弊させ、北朝鮮を使うことで自分たちが利を得るためだ。

ロシアはアメリカと敵対するシリアのアサド政権に武器弾薬を与えてアメリカを翻弄しているのだが、東アジアでもそれと同じことをするつもりだ。

もちろん、ロシアは同時に中国や日本をも「北朝鮮で攪乱できる」ことを知っている。だから、北朝鮮に武器弾薬を流し、石油を与えて延命させているのである。

中国としては、このような状況の中で最も最適な選択は現状維持である。つまり、「面倒なことになるくらいなら何も起きない方がいい」というのが中国の立場だ。

しかし、ティラーソン米国務長官は1月17日の講演によって、その中国の立場が変わりつつあることを示唆している。

中国はすでに国境地帯に軍隊を集結させ、ひそかに難民キャンプを作って有事に備えている。もう北朝鮮の有事が避けられないところにまで来ているのを悟り、準備している。

ブラッディ・ノーズ(鼻血)という軍事作戦


アメリカが北朝鮮の攻撃に踏み切れない理由は、北朝鮮を攻撃して壊滅させるのは簡単だが、アメリカ自身は北朝鮮を崩壊させた後に、朝鮮半島に軍事展開する意味がまったくないからである。

朝鮮半島は石油も出ないし、占領統治したところで旨みはまったくない。

戦争は金がかかる。戦争する以上は「見返り」がなくてはならない。見返りのないところで戦争しても、アメリカとしては国費の出費が嵩むだけだ。

このあたりが中東と違う。中東はそこに影響力を得ることで石油利権が手に入る。石油は過去も現在も未来も、永遠なる「戦略物資」である。人類は石油を巡って戦争しているのだ。

そして考えなければならないのは、アメリカの本当の意味の敵は中国であり、どうでもいい朝鮮半島で泥沼に取られるのはリスクでしかないことだ。

アメリカの歴史は戦争の歴史だ。だから、アメリカが平和のために戦争をためらうことはない。(ブラックアジア:「自由はただではない」という言葉の裏には何があるのか?

アメリカは、戦争するからには「意味のある戦争」をしたいと考えている。だから、北朝鮮と戦うことに「意味があるのかどうか」が問われているのである。

北朝鮮がいよいよ弾道ミサイルの技術を完成させつつあり、アメリカをも射程に入れるようになっている。そして、アメリカに強い言葉で恫喝している。

もはや「戦略的忍耐」は通用しなくなっている。

最近、ドナルド・トランプ米政権が北朝鮮の核関連施設などをピンポイントで先制攻撃する「ブラッディ・ノーズ(鼻血)」作戦がメディアにすっぱ抜かれた。軍事作戦は本気で検討されている。

さらに2018年2月7日、ペンス米副大統領は来日して安倍首相と異例の長時間の会談を行っているのだが、その後、北朝鮮に対して「かつてなく厳しい独自の追加制裁を近く発表する」と述べている。

ドナルド・トランプ大統領が「やる気」でいるのは、こうした一連の行動から窺える。攻撃は「起きる」確率の方が高まっているのは間違いない。

ブラッディ・ノーズ(鼻血)がそうなのか、それともそれを目くらましにして違う作戦が進んでいるのかは誰にも分からない。しかし、いずれにしてもアメリカによる先制攻撃は着々と準備されており、いずれ火を噴くことになる。(written by 鈴木傾城)


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最近、ドナルド・トランプ米政権が北朝鮮の核関連施設などをピンポイントで先制攻撃する「ブラッディ・ノーズ(鼻血)」作戦を検討中だと報道されている。軍事作戦は本気で検討されている。


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