2018-01-22

ゲームが人生を破壊する。指摘されないゲーム障害の危険性


2018年1月5日、世界保健機関(WHO)は、コンピューターゲームに極度に依存する状態を「ゲーム障害」として定義し、これを疾病の一つとして扱うと発表している。

コンピューターゲームが、アルコールやドラッグと同じような常習性を生み出して、中にはそれを止められずに人生が破壊されてしまう人たちも存在する。

コンピュータ・ゲーム、テレビ・ゲームはすでに巨大産業であり、これらのゲームに関わる企業は巨大企業である。ユーザー数も多く、大人から子供までゲームをしない人はいないというくらい定着している。

そして、これらの企業は大きな影響力を持ち、大量の宣伝費をかけ、莫大な支持者を擁している。

だから、ゲームによる依存や生活破綻が底辺で大きな問題になっても、もはや誰もゲーム業界を批判することはできなくなってしまっている。

昨今のゲームは非常に依存性が高いものであり、ゲーム会社も莫大な制作費や研究開発を経て、ユーザーに極度のゲーム依存を「意図的」に引き起こさせる。

ゲームの世界に没頭させ、ゲームから逃れられないようにすれば、ゲームをバージョンアップしたり、関連商品を出したり、ゲーム内で何らかのアイテムを売ることによって、いつまでも儲けることができる。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

ゲーム依存は、立派な「麻薬依存」である


今のゲームはハードが高機能化し、グラフィックスの表現は進化し、より強い刺激を得られるように進歩している。そして、強い刺激が得られるようになればなるほど、依存と中毒が突き進んでいく。

オンラインゲームの時代になると、多人数がひとつのゲームの中に参加するようになるので、ストーリーの広がりはほぼ無限になっていき、より没入感は強くなる。

ゲームの中でひとつの壮大な世界観が作り出されており、そこで作られた仮想現実は、もはや子供にとって現実を超越したような世界になってしまっている。

さらに、これからは完全ゴーグル型のようなもので現実を遮断するような方向性に突き進んでいくので、ゲームに対する依存性、中毒性はもっと重度なものになっていく。

ゲーム依存は、立派な「麻薬依存」である。

ゲームに熱中しているユーザーは、脳内で快楽物質であるドーパミンを大量に放出しているのだが、まさにそれは麻薬(ドラッグ)と同じ働きをしている。

ドーパミンが大量放出されると、ユーザーはそれを少しでも長引かせたくて、どんどんゲームの世界に引き込まれていく。ゲームを止めることなどできなくなってしまう。

まわりから見ると、まるで気が狂ったように見えるほどゲームに魂を奪われているのは、つまりドーパミンという快楽物質を必死に放出させようとする依存者の姿なのである。

ドーパミンが継続して大量放出されると、脳はその刺激に慣れてやがて効かなくなる。

そうすると、もっと強い刺激、もっと長時間のプレイが必要になっていく。ゲームをしないではいられなくなってしまう。

世界保健機関(WHO)が指摘している危険性は、まさにこの部分を指している。今後は、これが「ゲーム障害」と呼ばれるようになっていく。

経済効果のために、ゲームの麻薬性や危険性は無視


もうすでに日本の子供たちは大量のゲームに囲まれていて、そのほとんどが「ゲーム障害」の予備軍となっている。

しかし、マスコミや企業は、絶対に何があっても、ゲームというものの危険性を本気で啓蒙したり、注意喚起したり、止めさせようとはしない。

むしろ、そういった危険性を喚起する人間の声は抹殺するか、表に出さないようにするか、強い反論と共に紹介する。

なぜなら、そこに金がうなっているからだ。ゲーム産業は大量の広告をマスメディアに投入する大事な顧客であり、すでに巨大産業になっていて多くがそこから利益を得ている。

アムステルダムのゲーム市場の調査機関Newzooは、2017年のグローバルゲーム市場は約12兆円に達しており、この市場はさらに成長の余地があることを報告している。

ゲームは専用ゲーム機だけではなく、パソコンからタブレットからスマートフォンまで多くの端末で広がっており、確かに市場規模はこれからもどんどん拡大していくのは確実だ。

だから、世界の主要プレイヤーが莫大な費用をかけて、ユーザーを取り込もうとして、マスメディアにも広告費を通して影響力を高めている。

そんな状況なのだから、ゲームのプレイヤーが「ゲーム障害」になって生活破綻したり、子供たちが廃人同様になったところで、そこに意味を見い出す人間はいない。

経済効果のためにゲームの麻薬性や危険性は無視され、矮小化され、ユーザーもまたあえてゲームが抱える闇の部分をのぞき込むことはない。

ゲームにどっぷりと浸っている人間ほど、必死になって「ゲーム依存など大したことはない」と叫ぶ。

ゲーム規制されたら困るのは自分なのだから、ゲーム依存を引き起こしている人間ほど「ゲームに罪がない」と言うのは、むしろ当然のことだ。

しかし、極度で病的なまでのゲーム依存が明らかに存在していることを、2018年1月5日の世界保健機関(WHO)の発表は示唆している。

ゲーム依存が極まって最も悪影響を受けるのは子供


「ゲーム障害」とは具体的にどんな状態を言うのか。世界保健機関(WHO)によると、以下のようなものである。

「ゲームの回数や時間をコントロールできない」
「ゲームが他の日常生活よりも優先される」
「生活に悪影響が出ても止められない」

こうした症状が少なくとも12カ月続き、家族や社会、学習、仕事に重大な支障が起きている場合、それは「ゲーム障害」と診断される。

ゲームに最も熱中しやすいのは子供たちだ。そして、最もゲーム障害に近いのも子供たちだ。

子供たちはもともとゲームが好きで、楽しいことに没頭しやすいが、だからこそ一度でもテレビ・ゲームのようなものにハマるとそこから抜け出せなくなる子供が多い。

子供の過度なゲーム中毒は、もちろん子供の脳を破壊し、人生を破壊する結果となる。

子供の脳は大人のミニチュアではない。未完成な脳が、徐々に時間をかけて大人の脳になっていく。

だから、成長過程で何らかの「阻害」があると、その部分が成長しないまま大人になっていくので、どこか壊れたような人間となって成長する。

脳の成長が阻害されるというのは比喩ではない。本当に脳が働かなくなってしまうのである。具体的に言えば、ゲーム依存によって前頭葉が鍛えられなくなってしまう。

前頭葉とは、人間にとっても最も重要な精神作用を司る部分である。

感受性、他者への思いやり、コミュニケーション、思考能力、情緒、思いやり、愛情、想像力、そして善悪の判断といった重要な部分は、すべて前頭葉が受け持っている。

それは、人間にとって、とても大切な部分である。そんな重要な部分が未発達のまま大人になっていく。だから、ゲームへの極度の依存は「障害」になり得る。

ゲーム障害が引き起こす10項目の性格的欠陥とは


ゲーム障害は前頭葉の発達を阻害する可能性が強い。そして、それはどのような性格を生み出すのだろうか。前頭葉の発達が疎外されたまま育つと、以下のような性格が顕著になっていく。

感受性が鈍く、反応の鈍い性格になる。他者への思いやりのない性格になる。コミュニケーション障害の性格になる。思考能力が浅く、短絡的な性格になる。感情の機敏や情緒を読み取れない性格になる。

思いやりに欠けた無神経な性格になる。愛情や愛情表現の欠落した性格になる。見えるものだけに反応するだけの性格になる。想像力が欠落した性格になる。善悪の判断がつかない性格になる……。

これらは、たったひとつの部位「前頭葉」の未発達によって引き起こされる結果だ。

子供の頃にゲームにハマり、何時間もゲームに熱中して他のことをまったくしない子供は危険なのだ。やがて成長過程で人間関係の機敏を学ぶ大切な機会を失ってしまい、前頭葉が未発達のまま大人になる。

そうなると、身体こそ大人であっても、やることなすことはすべて子供のままである。大人なのに、まるで協調性が取れない無神経で思慮のない人間となる。

そうなってしまえば、正常な人間関係を保つことはできないし、社会から排除される要因となるので、家に引きこもってまたゲーム三昧になって孤立を深めていく。

若年層で増えているコミュニケーション障害は様々な要因があるのだが、その中のひとつに「ゲーム障害」があるのではないかという仮説はもっと深く研究されてもいい。

もし自分自身がゲームに取り憑かれ、それが1年以上続いているのであれば、激しい危機感を持つべきだ。客観的に見ると、それは「ゲーム障害」なのである。

極度なまでにゲームに取り憑かれていたら、間違いなく人生そのものがゲーム・オーバーと化す。ゲームに没頭するのは、麻薬に没頭するのと同じだ。それは自分の脳を破壊し、自分の人生を破壊する。(written by 鈴木傾城)


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極度なまでにゲームに取り憑かれていたら、間違いなく人生そのものがゲーム・オーバーと化す。ゲームに没頭するのは、麻薬に没頭するのと同じだ。それは自分の脳を破壊し、自分の人生を破壊する。


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