2017-11-06

大暴落の歴史と、史上最高値を付けるニューヨーク株式市場


マネーボイスにビットコインとインターネット・バブルの相似について指摘した私の文章が掲載されている。まだ読んでいない人は読んで欲しい。(ビットコイン版「バブルの物語」いつか死ぬまで踊り続ける覚悟はあるか?=鈴木傾城

ビットコインは明確なるバブルの渦中にある。

しかし、バブルとは、どんなに警鐘が鳴らされていても大勢の人たちが熱狂的に参加する限りは止まらないものなので、このまま限界に達するまで上がり続ける。

どこまで上がるのか、いつまで上がるのか、最後はいつ来るのかは誰にも分からない。しかし、熱狂の渦の中で上がったものは、熱狂が冷めれば消えていくので、いつかは大暴落に至るのは間違いない。

ところで、上がっているのはビットコイン市場だけではない。ニューヨーク株式市場も、日本の株式市場も上げている。

日経平均は2万2000円を突破して、21年ぶりの高値をつけた。またニューヨークの方も、ダウ平均株価は2万3539ドルに達しており、めまいがしそうなほどの高値である。

アメリカの株式に投資していた日本人は114円の円安も享受しているわけで二重に儲けを手にしている。これは、長く株式を所有していた人だけが、多くが資産を増やして着実な実利を得ていることを示している。


株式市場の暴落も、また「いつか」必ず来る


しかし、株式市場が上昇しているからと言って、単純なる多幸感(ユーフォリア)に浸っていてはいけない。一気呵成に上がったものは必ず調整するし、場合によっては大きな暴落になることもあり得る。

暴落が来ないと思うのは危険だ。雨は必ず降り、夜は必ず来るように、株式市場の暴落もまた「いつか」必ず来る。

100日間も雨が降らないから永遠に雨が降らないと考える人はいないように、何年も大暴落が来ていないから永遠に大暴落が来ないと思ってはいけないのだ。

私たちは多くの大暴落を記憶している。それこそ枚挙に暇がないほどの大暴落が来ているからだ。

1927年には昭和大暴落が来て、1929年には世界恐慌が来て、世界はめちゃくちゃになった。1946年を迎えるまで、株価は死んでいたようなものだった。

人類大虐殺の大戦争だった第二次世界大戦が終わってから、世界経済は順調だったのかというと、まったくそういうわけではない。

1953年にはスターリン・ショックで株式市場は大暴落して多くの投資家が破綻した。1963年にはケネディー大統領が暗殺されて、ケネディ・ショックがやってきた。

ケネディ大統領が暗殺されたあと、「もうアメリカは終わりだ」と誰もが口にして、それを世界中が信じるほどの悲観論が株式市場を覆い尽くした。

しかし、アメリカは持ち直した。その後、ベトナム戦争が泥沼化して1971年にはニクソン・ショックがやってきて株式市場はまたもや大暴落を迎えた。

1970年代のアメリカは、ベトナム戦争の敗退で自暴自棄な空気が蔓延し、不景気にのめり込んで治安も乱れ、まったく先が見えない状態にあった。

ベトナム戦争の敗北は、今の私たちには想像もできないほどアメリカの威信を傷つけていた。やはり、この時期にも「もうアメリカは終わりだ」と言われていた。

しかし、この頃からアメリカではマイクロソフトやアップルが創業されて、新たな成長の歴史を刻んでいくことになる。終わったのではなく「始まった」のである。

株式市場の大暴落の歴史は、延々と繰り返された


1980年代に入って、やっとアメリカは厭世的な気分を脱して、新しい時代に入って行くが、そこに起きたのが1987年のブラック・マンデーだった。

1987年10月19日に起きたこの暴落は、類を見ない株式暴落だった。市場は一瞬にして22.6%の下落となり、投資家を阿鼻叫喚の地獄に陥れ、全世界にこの暴落が駆け抜けた。

暴落の理由は何もなかった。不意に、何の予告もなく突如として壮大な暴落となっていったのだ。誰も何が起きているのか分からないまま、地獄に突き落とされた。

その頃、日本はバブル景気に沸いていたのだが、その3年後の1990年からバブルは崩壊し、1991年の絶望的な長期下落の時代に入っていった。

バブル崩壊で傷ついた日本をさらに追い詰めたのは、1995年の阪神大震災だった。それを乗り越えると、今度は1997年の山一証券破綻と金融不安で、さらに暴落を余儀なくされた。

これで終わりではない。まだ続く。

山一証券が破綻し、北海道拓殖銀行も消え去って、日本の沈没が決定的になっていたその頃、世界ではとんでもない危機が起きていた。アジア通貨危機である。

これは1997年7月にタイを発端として起きた大暴落だ。東南アジアの成長を破壊し、国家破綻にすらつながる巨大な金融崩壊劇だった。

この金融ショックが元で、韓国もIMFの救済を受ける羽目になり、インドネシアの長期独裁政権だったスハルト政権は音を立てて崩れ去っていった。

そして、その余波で1998年にはロシアがデフォルト(債務不履行)した。世界中で危機が連鎖していたが、それを乗り切ったのがアメリカだった。

アメリカはインターネットという新しいパラダイム・シフトを受けて投機資金が大量に株式市場になだれ込んでいた。まさに世界に君臨する帝国となって、この世の春を謳歌しているように見えた。

ところが、2000年に入ると株式市場は一気に崩れ去り、IT関連株はことごとく消え去っていった。後にこれはITバブル崩壊と呼ばれるようになった。

ビットコイン版「バブルの物語」いつか死ぬまで踊り続ける覚悟はあるか?」で書いたのは、この部分である。

立ち直って好調になれば、必ず暴落が待っている


ITバブルの翌年にも巨大なショックが起きていた。

2001年9月11日。いつもと同じ朝が始まろうとしているちょうどその時、2機の飛行機がニューヨークのワールド・トレード・センターに突っ込んでビルを崩落させるという前代未聞の大規模テロ事件が発生したのだ。

これが、世界史のひとつの転換になった「アメリカ同時多発テロ事件」だった。ニューヨーク株式市場は1週間閉鎖されていたが、再開と当時に株式は暴落していった。

しかし、当時のFRB総裁であったグリーンスパンは巧みにその危機を収束させて、アメリカを新たな成長気運に乗せた。しかし、それが不動産を核とするバブルの醸成となった。

銀行は、本来は家を持つような収入にない人たちにどんどんカネを貸して家を持たせた。

彼らの組んだローンはサブプライム・ローンと言われたが、このローンは債権として売られて世界中の金融セクターが資産として抱えることになった。

2007年、低所得層が借金を返せなくなっていよいよバブル破裂の兆候を見せ始めたが、金融セクターはどんどんサブプライムローンの債権を吸収していた。

しかし、2008年に入ると不動産バブルは弾け始め、一気に逆流がやってきた。

人々は次々と破綻して金融セクターは不良債権の山となり、名門投資銀行であったベア・スターンズが3月に破綻、そして9月15日にはリーマン・ブラザーズが倒産して、株式市場は何度も何度も大暴落を繰り返した。

これが、リーマン・ショックだった。

この崩壊劇は株式市場どころか、資本主義そのものを崩壊させかねないほどの超弩級のショックだった。

この時もまた「アメリカの時代は終わった」と言われていたのは記憶に新しい。

しかし、そうではなかった。この時期からインターネットはスマートフォンと結びつき、金融市場の混乱をよそに、実体経済はさらに大きく成長していくようになっていた。

必ず大暴落は来るが、それは売る局面ではない


こうやって大暴落の歴史を見ていると、世の中はまさに不意打ちで大暴落が来ていることが見て取れるはずだ。

逆に言えば、これからも大暴落が来るのは当たり前であり何の不思議もない。大暴落は、いちいち誰かが警告しようがしまいが、何らかの形で来るものなのである。

今まで何度も何度も、それこそ飽きるほど大暴落やバブル崩壊が来ていて、そのたびに当時の無謀な投資家の多くを破綻させている。

時代が変わって新しい投資家がやって来ると、市場はまた金融崩壊を起こして彼らを破綻させる。株式市場はそれを飽きずに何十回も何百回も繰り返している。

だから、次の大暴落も必ずある。

株式暴落もバブル崩壊も自然の摂理であり、自然な現象である。季節が巡るように大暴落も巡る。

しかし、資本主義は現代文明に深く根付いており、もはや切り離せないものとなっている。現代文明を支えるために人類は資本主義を捨てることができない。

この資本主義に「最適化された存在」が、アメリカの多国籍企業である。

これだけ暴落があったのに、現在のニューヨーク株式市場が史上最高値を更新しているのは、まさに現代の資本主義に最適化された企業群がそこにあるからだ。

だから、次の大暴落があるとしても、資本主義に最適化された多国籍企業を長期保有していると報われるのだというシンプルなルールが理解されるようになりつつある。

これらの企業は大暴落の修羅場をくぐり抜けて生き残る。そして、そのうちに暴落した以上の株価上昇を見せる。

そのため、すでに利益を莫大に稼ぐアメリカの優良な多国籍企業に投資しているのであれば、巨大な暴落が起きても動揺する必要はまったくない。

次も必ず大暴落が来るが、それは売る局面ではない。買う局面だ。次の阿鼻叫喚の地獄の中で、私たちは冷静に行動できるだろうか。それができないと、暴落と共に破綻する。



大暴落の歴史を見ていると、世の中はまさに不意打ちで大暴落が来ていることが見て取れる。これからも大暴落が来るのは当たり前であり何の不思議もない。大暴落は、いちいち誰かが警告しようがしまいが、何らかの形でやってくる。


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