2017-11-01

金融的な知識を身につけなければ、踏みにじられるだけになる


「年功序列で給料が右肩上がりに増えていく」という現象が停止し、年々給料が減っていくという逆流現象が生まれるようになったのはいつのことなのか分かるだろうか?

それはバブルが崩壊した4年後、1994年のことだ。

日本の空前のバブルが崩壊したのが1990年だったが、バブルで有頂天になっていた人々が金策に行き詰まり、本格的に破綻をするようになった1994年から、日本人全体の平均世帯年収が減少するようになっていった。

自殺者は1998年から一気に3万人台に駆け上がったが、普通の人々が多額の借金を抱えるのは住宅ローンが原因だった。

住宅ローンの返済は「給料が年々上がって行く」という想定の下に組まれていたのだが、その右肩上がりが停止したのだから人々が追い込まれていくのも無理はない。

通常なら、住宅とは縁がなかったと売り飛ばすしかない。しかし、すでにバブル崩壊で土地価格は半値以下に下がってしまっている場所も多く、売ればすべてを失って借金だけが残る状況になっていた。

そういった人たちの一部が持ち家を死守しようとサラ金やヤミ金に堕ちて、最期に自殺まで追い込まれていったのだ。


日本人はどのようにして地獄に落ちていったのか?


この当時からサラ金をやっていた武富士のような胡散臭い会社が、史上空前の利益を叩き出していたのは偶然ではない。

バブル崩壊、給料減少、自殺、サラ金の隆盛と言う1990年代に起きていた現象は、すべてつながっていたのだ。この悲劇は2000年代に入ると、さらに深刻化していくことになる。

小泉政権に入ってから、何が起きたのか。

企業が続々と「非正規雇用」を拡大するようになっていった。つまり若年層の大部分は、景気が悪くなるとすぐにリストラされるような不安定な身分に落とされた。

その結果、若者の給料はいつまで経っても低いままで、将来設計もままならず、「格差社会」という言葉が生まれ、それが広がるようになった。

親から自立せずに家に引きこもる若者も増え、親に依存できない若者はネットカフェを転々とする生活に追い込まれるようになっていったのがこの時代だ。

追い込まれた若年層の中には人生大逆転を狙ってFX(外国為替証拠金取引)のようなギャンブルに染まっていく。

しかし、ギャンブルはしょせんギャンブルであり、それで生活が支えられるわけでも金持ちになれるわけでもなく、ほぼ99%の人々が勝負に負けて、さらなる苦境に堕ちていく。

若年層の格差社会や貧困を見て、最初は努力が足りないと言っていた人々も、やがて異様な空気が社会を覆うようになっているのに気が付き始めた。

2008年9月にはリーマン・ショックで金融市場は崩壊寸前に追い込まれ、2009年以後は年収300万円以下の世帯が40%を占めるようになっている。

2009年にもなると、さすがに多くの日本人は現状に青ざめて焦燥感を感じるようになっていた。そして日本人は、ここで「日本の戦後史でも最悪の選択」をしてしまった。

アベノミクスの恩恵が受けられない人が増えた


2009年9月。日本人は「自民党はもう駄目だ」という理由だけで民主党を選択した。しかし、この政党は日本史上でも稀に見る無能と売国の集まりだった。

民主党は政権を取ってしばらくすると、ことごとくマニフェストを破り捨て、日本人よりも中国・韓国・北朝鮮に利する政治活動ばかりをするようになった。

政治的混乱は鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦と三首相も続いてひどくなる一方だったのだ。

もはや民主党が政権にあることが「国難」であることに気がついた日本人は、総選挙を求めて民主党を突き上げた。2012年になるとやっと民主党はそれに応じて、政権は自民党に戻っていった。

2013年より、第二次安倍政権は矢継ぎ早に経済政策を実施して、民主党政権時代にボロボロになった日本の立て直しを急いだ。これらの一連の経済政策はアベノミクスと呼ばれているが、ここにひとつの問題がある。

アベノミクスは円安と株高を招いたのだが、すでに日本人の40%は年収300万円以下の貧困に突き進んでいて恩恵を受けられない人が大半になってしまっていたことだ。

円安と株高が起きる時代に重要なのは、

・ドル資産を持つ。
・株式を持つ。

この2点に尽きるのだが、そもそも年収300万円以下の貧困層が、ドル資産を持ったり株式を持ったりする余裕があるはずもない。

今や年収300万円以下の世帯は40%を超えている。さらに貯蓄ゼロの家庭も30%近い。

すでに生活が破綻して生活保護を受給している人々も212万人を超えており、まったく減ることがない。アベノミクスでは「ドル資産と株式を持つ」という経済戦略が必要であると分かっていても、生活に窮していては何もできないのである。

放っておけば、どんどん格差が開いていってしまう


弱肉強食の資本主義は、富裕層と貧困層に二極分化する動きである。現在は株式《史上》主義なので、株式を持たない貧困層はより資本主義から置いてけぼりにされていく。

雇用を削減するイノベーションも進んでいる。これがさらに続くと、今までの日本を支えてきた「サラリーマン」という労働形態が消失していく可能性も高い。

遠い未来の話ではない。これはすでに起きている動きでもある。(雇用を削減するイノベーションは、次に銀行員を無職にする

今後は、よほどの特殊技能を持っている人間以外は、一生低賃金で暮らさなければならないような世界になっていく。

資本主義とは、政治がどのように動いても、社会がどのような変化をしても、持てる者はどんどん豊かになり、持たざる者はどんどん貧困に落ちていく構造になっている。

毎日必死で働いて年収300万円の人もいる。しかし、1億円の資産を配当率3%で運用している人は、1年遊んで300万円が手に入る。資産が2億円あれば600万円、3億円あれば900万円が何もしないで転がり込んでくる。

放っておけば、どんどん格差が開いていってしまうのである。

もちろん、人は誰でも金のために働いているわけではないので、金持ちになることを目標にする必要はさらさらない。やりたいことをして、ほどほどに生きて行ければそれが最高の人生である。

しかし、年収300万円では生活に追い立てられるだけで人生が終わる可能性が高い。

資本主義とは何なのかよく研究し、この「金こそすべて」の世界でサバイバルできるように金融的な知識を身につけなければ踏みにじられるだけになってしまう。

学校では「資本主義の生き残り方」をまったく教えてくれないが、だから重要ではないわけではない。教えてくれないものこそが重要なのだ。

生き残るために自分が何をしなければならないのか、じっくりと考え抜いておかないと、もう誰も助けてくれない。そんな、残酷な時代が続いている。





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