2017-09-19

社会保障費増大と少子高齢化は地獄の消費増税になって返る


日本人はみんな貯金ができていると未だに思っている人がいるかもしれないが、もうそれは大昔の話だ。今の日本人の家計貯蓄率は愕然とするほど低い。

そして、それはこれからさらに悪化していく。

貯蓄率とは何か。貯蓄率とは、収入から税金や社会保障費を差し引いた「使えるお金」からどれくらいを貯金に回しているかという比率を指したものだ。

信じられないかもしれないが、もう日本人の貯蓄率は0%に限りなく近くなっており、今後マイナスになってもおかしくないと言われている。

マイナスとはどういうことか。マイナスとは、貯金をするのではなく、貯金を切り崩す生活が始まるということだ。そのような危機的な事態がこれから起きようとしているのである。

日本人は享楽的な民族ではない。だから日本の貯蓄率が下がっているというのは日本人が遊び回って貯蓄率が減っているわけではない。

貯蓄率が減っている要因は、言うまでもなく超少子高齢化が加速しているからだ。貯蓄ができていない高齢層が人口に占める割合が増えており、それが結果として全体の貯蓄率を減退させている。


崖から転落するように日本の貯蓄率は落ちていった


かつて、日本人の貯蓄率は20%を超えていたときがあった。1975年あたりは23%だった。

しかし、1990年以降のバブル崩壊で日本経済が縮小の時代に入ったのと同時に少子高齢化が急加速して進むようになったため、貯蓄率は目に見えて低下していった。

20年前の1997年は11.47%に落ちていたが、この数字は1975年の23%に比べると、ほぼ半分になってしまっている。しかし、過去20年で見ると、実はこの11.47%が最も貯蓄率が高い時期だったのである。

この頃、消費税は5%に増税されたのだが、これが合図となったかのように翌年からじわじわと貯蓄率が下がっていき、2000年に入ってから崖から転落するように貯蓄率が落ちていった。

2001年には早くも4.69%になったのだが、小泉政権が樹立してから状況はより悪化していく。以後、貯蓄率は2%から4%をうろうろする状況だったが、民主党末期で貯蓄率は再びマイナスに向けて転落していく。

第二次安倍政権が政権を奪取してボロボロになった日本の国政を引き継いだ2013年は貯蓄率がマイナス1.07%に沈んでしまっていた。

安倍政権は翌年にこれをプラスに引き上げたがそれでも1%に満たない率であり、日本の貯蓄率が悲惨な状況であるのはまったく変わりがない。

超少子高齢化に対しては完全に無策の中、経済大国と言われる国の底辺から、まるで真綿で首を絞められているように国民が経済窒息しつつある現状が見て取れる。

日本は「いつか復活する、そのうち復活する」と言われながら、どんどん復活の芽が遠のいている。

当然だ。日本政府は少子高齢化を放置し、消費税を導入してどんどん嵩上げするという間違った政策を30年以上も行っているのだ。

よく考えて欲しい。子供を減らし、高齢者を増やし、消費させないように消費税を導入して内需を減退させ、それで日本経済が復活するとでも思うだろうか。

あまりにも馬鹿げている。

はっきり言えば、今のままでは日本の経済的復活が成し遂げられることは絶対にない。

高齢化社会の中で消費税を上げたら誰も消費しない


収入から税金や社会保障費を差し引いた「使えるお金」のことを、経済用語では「可処分所得」と言う。この可処分所得もまた過去20年を見ると、やはりなだらかな「右肩下がり」となっている。

過去20年で最も可処分所得が高かったのは1997年である。それ以後はじわじわと減っている。1997年に何があったのか。消費税の増税だ。この年、消費税は5%となった。

消費税が上がると実質的に使える金が減るので、必然的に可処分所得はじわじわと低下していく。

消費したら政府が横から出てきて、店に払う金とは別に8%も税金を毟り取っていくのだから、誰が好きこのんで消費しようと思うのか。

日本国民の4人に1人は高齢者、さらに今後は3人に1人が高齢者となる社会で消費税を上げたら、なおさら誰も消費なんかしたいと思わなくなる。

それなのに、政府はもっと消費税を引き上げようとしているのだから、これからも可処分所得が低下していくのは確実だ。

可処分所得があまりに低いかぎりぎりだと、預貯金に回す金はほとんどなくなる。常に生活に追われていて、身動きできないような状況に追い込まれる。

かつては年功序列で終身雇用だった。だから、若いうちは生活が苦しくても、年々給料が上がって生活が楽になるという安定感があった。

しかし時代が変わった。多くの労働者は、非正規雇用に追いやられていき、年功序列も終身雇用もなく、正社員になれる確率もなくなり、企業の都合によっていつでもクビを切られる立場と化した。

低賃金で雇われ、奴隷のように働かされ、挙げ句の果てに使い捨てにされる。労働者は保護されない。保護されるどころか、逆に使い捨ての傾向が高まっている。

これで消費税を上げて、消費が上がると思っているのであれば、政府はどうかしている。なぜ、こんな単純な話が理解できないのか。

ツケは将来の私たちに地獄として舞い降りてくる


もう将来の展望もないし、結婚すらも不可能な状況にある若年層も多い。それが、ますます少子高齢化を加速させていく要因になる。

一方で、高齢者もまた今後は追い込まれていくことになるのはすでに約束されている。

社会保障費は高齢層の増大で破綻寸前になっている。そんな中で団塊の世代が年金生活に入っていくのだから、いよいよ年金制度は危機的な状況になっていく。

60歳に受給できていた年金は65歳に引き上げられ、今後は「元気で働ける人は70歳、75歳まで働いてもらう」ということすらも検討されている。政府は年金を払いたくないという明確な意志を持っている。

消費税は「段階的に引き上げられる」のはすでに避けられない。今後は、8%が10%に、10%が15%に、15%が20%に、いくらでも上がっていく。

消費税が引き上げられれば物価が上がり、物価が上がれば年金生活者が貧困に落ちていくのは当然のことであり、それがこれから起きる。

この消費税の引き上げ分を、預貯金の利子でまかなおうとしても無駄だ。なぜなら、もはや銀行の金利など限りなくゼロも同然だからだ。

高齢者も、若年層と同じく可処分所得は限りなく減っていくことになり、年金で悠々自適など絶対にない。貯金は増えるのではなく、どんどん切り崩されていくのである。

日本の経済的な苦境は突然起きた現象ではない。少子高齢化も昨日今日から問題になっているものではない。20年以上も前から、ずっと言われ続けてきた。

しかし、日本人は先送りと事なかれ主義でこの問題に取り組むことなく今日までやってきており、今も誰ひとりこれを日本のクライシスにつながると実感できていない。

社会保障費が膨れ上がり、消費税が上がるたびに日本は壊れていく。少子高齢化が進み、先にいけばいくほど日本は壊れていく。

この危機が実感できなくても、社会保障費増大と少子高齢化の放置は際限のない消費増税になる。その時にやっと人々はこれが放置してはいけないものであったことに気付く。

しかし、気付いた時はもう遅い。社会保障費増大と少子高齢化は地獄の消費増税になって私たちに襲いかかってくる。



社会保障費増大と少子高齢化の放置は際限のない消費増税になる。その時にやっと人々はこれが放置してはいけないものであったことに気付く。しかし、気付いた時はもう遅い。社会保障費増大と少子高齢化は地獄の消費増税になって私たちに襲いかかってくる。


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