2017-08-28

大学の生き残りのため、学生は奨学金地獄に堕とされていく


これから2031年までに必ず起きることがある。それは、大学の経営破綻の連鎖だ。

なぜ、今まで維持できていた大学が経営破綻に見舞われていくのかというと、2018年から18歳人口が着実にじわじわと減り始めるからである。

これについては文部科学省「学校基本調査」に詳しい。

人口動態は将来を正確に予測しやすいデータである。戦争や巨大災害に見舞われない限り、人口がどのように増えるのか、減るのかはあらかじめ確定している。

その日本の人口動態では、2018年から18歳人口がじわじわと減り始めていき、2031年までに約33万人が消えていくことになる。

18歳人口が消えるというのはどういうことか。それは、大学進学者が減るということだ。大学進学者が減るとどうなるのか。当然ながら、経営が成り立たない大学が出現する。

しかし、大学も座して崩壊するわけではない。あの手この手で生徒の頭数を増やそうともがく。そんな中で学力も経済力もない学生を取り込み、大きな社会問題を引き起こすようになっている。

生き残りをかけた大学が学生にツケを押しつけて、今度は学生が地獄を見るようになっているのだ。


大学の破綻が早い段階で表面化する理由とは?


最近は、字も書けない、計算もできない、常識も知らない大学生が爆増している。その理由は切実だ。大学の経営を成り立たせるために、馬鹿でも何でも授業料を払ってくれる頭数が必要だったのである。

大学は別に子供たちの学力を向上させて良き日本を創ろうと社会的意義に燃えているわけではない。

ただ単に、大学の経営維持のために授業料を払ってくれる人が必要だから、馬鹿でも何でも呼び込んだのである。

授業料を払えないというのであれば、奨学金という借金を背負わせて大学に来させているので、こちらも社会問題になってしまっている。(大学全入時代という言葉に洗脳され、奨学金で奴隷化される

それでも、文部科学省が自分たちの天下りルートを作るために後先考えないで大学を新設してきたので、すでに私立大学の約4割以上が定員割れになっている。規模の小さな大学が特に窮地に落ちている。

今でも大学経営はうまくいっていないというのに、これから着実に人口が減るわけで、経営が傾くのは目に見えている。大学の破綻は、恐らく早い段階で表面化することになるというのは、このような事情があるからだ。

もちろん大学が破綻すると言っても、すべての大学が窮地に落ちるわけではない。都市部の知名度のある大学は生き残る。危ないのは地方の無名私立大学である。

若者が減っていく上に、減った若者の多くが都市部に出ていくので地方私立大学は何をどうしても人員を揃えることができなくなってしまう。

もともと地方私立大学は財政的に脆弱なところが多いので、人員割れはすぐに経営危機に直面する。

こうしたことから最近は私立大学が公立へ鞍替えする例も増えている。たとえば、鳥取環境大学、長岡造形大学、静岡文化芸術大学などはそうした道を選んだ。

自治体や国に財政負担させて生き残りをかけているのだが、それでも18歳人口の絶対数が減少するのだから、小手先の動きである。自治体が財政破綻すれば一緒に崩れ落ちる。

大学の生き残りのために莫大な借金を負う若年層


知的能力が足りない人間でも、あるいは外国人留学生でも、誰でもいいから必死で人集めをして経営破綻しないようにもがいている大学だが、そのツケは学生が払う。

たとえば、大学中退率も増えているのも、そうした問題のひとつでもある。

文部科学省の2012年度の調査では大学、短大、高等専門学校の中途退学者数は7万9311人だった。「誰でもいい」と人数集めに狂奔した結果、結局は14.5%が勉強についていけなくなって学業不振に陥って中退している。

さらに20.4%が学費を支払うことができなくなって中退することになってしまっている。

奨学金と言っても、返さなくてもいい給付型奨学金ばかりではない。最近の奨学金は「卒業した後に働いて返せ」という奨学金である。

そういう奨学金は、普通は奨学金と言わないで「学生ローン」と正確に呼ぶか、もしくは「借金」と分かりやすく言うべきだが、それでは世間体が悪いので「奨学金」と言うことになっているようだ。

大学に入って奨学金という名の借金を抱えて社会に出るか、それとも大学卒業の肩書きはないが借金もない状態で社会に出るか、若者たちは二者択一を迫られているのが現状だ。

大学が自分たちの経営維持のために、学生にツケを負わせていると言っても過言ではない。

それでも、莫大な借金を背負って大学卒業の学歴を得たら一流企業に就職できるという保障があればいいのだが、すでに大卒の学歴は陳腐化しており、ブランド大学以外の学歴を持っていても役に立たないことが多い。

つまり、そこらの大学を出ても何ら見返りがない。下手したら非正規雇用に落ちて、奨学金の返済がまったくできないような状況に追いやられる。

そもそも、数百万にのぼる莫大な借金を抱えて社会に出るということ自体がおかしい。これから日本を担う若年層に、こんな不条理に放り込んだままでいいのだろうか。

役に立たない学歴のために借金する意味があるか?


大学の7割以上は私立大学なのだが、私立は私立であるがゆえに学費が高い。どれくらいかかるのか。

文科系学部の学費はだいたい385万円くらい、理科系学部の学費はだいたい520万円くらいかかる。これに、親元から離れて暮らすとなるとアパート代、通学費、生活費もかかってくる。

生活費等は親が何とか負担するとしても、学生は場合によって4年間で400万円近い借金を抱える可能性がある。こんな莫大な借金を背負ってまで大学に行く必要があるのか。

10年で返済するとしても1年で40万円、つまり月約3万3400円近い金額を延々と返さなければならない。

年功序列、終身雇用の時代であればまだ何とかなったのかもしれないが、もうすでに世の中は変わってしまっている。

普通の企業からは年功序列も終身雇用も消えていこうとしており、残る企業があったとしてもそんな安定した職業に就けるのはごく一部の人間だけである。

最近は、シャープや東芝を見ても分かる通り、安泰と思われた企業でも経営者が判断を間違えて迷走すると、企業は急激に凋落してリストラの嵐と化す。

いったんリストラされたら、次の就職先での待遇や賃金は普通は低下してしまう。そうなれば奨学金の返済はどんどんキツく厳しいものになる。

滞納すれば、どうなるのか。奨学金を出している日本学生支援機構(JASSO)は全国銀行個人信用情報センターに加盟しているので、基本的に3ヶ月以上滞納すれば個人信用情報に滞納情報が記録される。それがブラックリストになる。

ブラックリストに載ればどうなるのか。今後、クレジットカードが組めず、新たなキャッシングもできず、住宅ローンも組めなくなる。さらに滞納した分は年10%の延滞金まで取られる。

JASSOの2015年のデータでは、3ヶ月未満の遅延が発生している人は32万7512人、3ヶ月以上の遅延となっている人は16万4635人となっている。

借金地獄は想像以上に生活と精神を追い詰める。役に立たない学歴のために、こんな状況になった。それは、大学が生き残るために学生に負わせた借金である。

はっきり言おう。学生は食い物にされているのである。愉快な仲間と楽しい想い出で目くらましされて気付いていないのかもしれないが、返済を要する奨学金は後の人生の地獄になる。

弱者を食い物にする邪悪な世界が仕掛けたワナに自分が堕ちていないか、よくよく考える必要がある。



借金地獄は想像以上に生活と精神を追い詰める。役に立たない学歴のために借金を背負って意味があるのか。弱者を食い物にする邪悪な世界が仕掛けたワナに自分が堕ちていないか、よくよく考える必要がある。


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