2017-07-14

最底辺に落ちたくなければ国も企業も信用しないで生き残れ


貧困層は貯金を持っていても、株式や不動産のような資産は持っていないことが多い。

そのため、株式市場や不動産市況が活況化するような「資産価格上昇」や「資産バブル」の局面になると、富裕層と一気に格差を広げられる。

たとえば最近では、2012年11月頃から始まった円安・株高において、そうした格差拡大の流れが一気に起きた。

民主党政権時代には日経平均は8000円台から9000円台をうろうろとしていたが、自民党が勝利して第二次安倍内閣が成立すると、その瞬間に株価は爆上げして、2015年には2万円台を付けるようになった。

たった3年で資産は2倍になったということだ。

仮に資産が1000万円の株式であれば、優良企業の株式をしっかり持っていれば、何もしなくても資産は2000万円になっていたということである。資産が大きければ大きいほど、上昇のメリットを存分に享受できた。

しかし、株式を持っていない層は特に変化がなかった。一部の大企業を除けば賃金はどこも上昇していないし、この間には生活保護受給者も増加していた。

資産バブルの陰で、貧困や生活苦で追い詰められている人が増えていたのである。


生活保護受給者の52.1%は高齢者が占めている


生活保護は、不正受給が増えていることもあって、政府の施策としては安易に受給させないという方向に向かっている。

しかし、政府の意向とは裏腹に、それでも生活保護の受給者がじわじわと増えている。それだけ追い詰められている人がたくさんいるということになる。

内訳を見ると、増えているのは高齢者世帯だ。

団塊の世代と言えば、年金をもらって悠々自適の優雅な生活を送るのだろうと思われて若年層から嫌われている。しかし、実態を見ると、それほど優雅でも何でもない。

2017年3月、高齢者世帯における生活保護受給者は85万5586世帯となって、過去最高を記録したと厚生労働省は発表している。受給者の52.1%が今や高齢者世帯が占めている。

しかも高齢者の貧困化はこれからが本番なので、生活保護受給者はもっと増えていくのは確実視されている。

ちなみに母子世帯も同時に追い詰められている。(母子家庭。ひとつ踏み外すと、いつでも地獄が待っている

考えなければならないのは、2014年4月1日以降は、消費増税、年金の切り下げ、医療費の自己負担増と、生活を追いやる動きが一度に動き出していたということだ。

安倍政権は2015年は10月に予定していた消費税10%アップを阻止したのだが、自民党内部には増税論者は大勢いて、安倍内閣の退陣後は消費税10%に向けて動き出す可能性もある。

それだけではない。

消費税10%以降のことは何も言われていないが、それでも歳入が足りず最終的には15%から20%には到達するのではないかという噂も根強くある。

貧困層はわずかな物価上昇や手取りの減少が致命傷に


資産も収入も十分にある世帯は、消費税が10%になったからと言って、それで生活が破綻するわけではない。確かに年収が多ければ取られる税金も多いのだが、取られてもまだ貧困層の年収以上に残る。

資産は消費税の対象ではないので、安心して保有し、増やしていくことができる。

しかし、低所得層や貧困層は、ただでさえ少ない手取りからさらに税金で毟り取られることになる。わずかな物価上昇や手取りの減少が致命傷になってしまう。

生活が苦しいのではなくて、生活が成り立たなくなる。

言うまでもないが、物価が上がったり消費税が上がったからと言ってそれに合わせて賃金が上がるわけではない。現状維持がいいところで、下手すれば賃金は下がる。

消費増税は買い控えを引き起こして企業収益を悪化させる。そんな中で賃金を上げるはずがない。

企業収益が悪化すると、企業はコスト削減に走る。コストで最も大きなものは人件費なので、当然、人を減らすか、給料を減らすかという選択になる。

大企業はともかく、経営にシビアな中小企業は景気が悪化したら給料アップなどあり得ないのだ。

だから、中小企業で働く多くの低所得層は、今までギリギリでバランスを取っていたのが、一気に崩壊して生活破綻に突き進んでしまう。

消費税を上げるたびに日本の経済成長率は下がってきた。本来であれば、消費税は段階的に下げていくか、もしくは撤廃するのが日本のためになる。(安倍首相は消費税を引き下げて経済復活を成し遂げるべきだ

しかし、政府は消費税を下げるだろうか。下げるどころか「国の借金が悲惨なことになっているので税金を上げるしかない」と考えて、消費増税を強行突破するだろう。

「国も企業も信用しないで生きる能力」が必要に


気がつかなければならないのは、すでに日本は1990年のバブル崩壊以降、ずっと経済成長率が低下し続けており、ほとんど成長できていないことだ。

内需が戻らないのである。

その結果、日本企業も体力を失い、労働者を守れなくなってしまっている。すでに終身雇用も年功序列も日本企業から消えて久しい。

契約社員、派遣、アルバイト、パート、フリーターのような不安定な働き方が普通になっていき、正社員はどんどん数が減っている。グローバル化とIT化が雇用を減らし、今後は人工知能のような技術革新でさらに雇用は消える。

そんな中で、国自体も累積債務を1071兆円にまで膨らませてにっちもさっちもいかなくなっている。

だから日本政府と官僚は、とにかく国民から消費税で毟り取り、年金や生活保護は減らすような施策ばかりを打ち出すしかない。しかし、そうすれば間違いなく消費が消えて経済成長率も低下する。

日本はこのままでは負のスパイラルから抜け出せない。

日本人はどんどん貧しくなっていくというのは、もう10年以上も前から繰り返し言われ続けてきた。しかし、どれだけ警鐘が鳴らされても、当初は誰もが「一部の怠惰な人間の末路だ、自己責任だ」と意に介さなかった。

本来であれば、国が莫大な借金を抱えてもがいているということは、そのツケが国民にかかってくると言う当たり前の事実を、もっと自覚すべきだったのだ。

ここまで来ると、国に何とかしろと叫んでも無駄だ。国が生き残りのために収奪に来ているのだから、その国に何とかしろと言ったところで、もう何もできない。

いよいよ、自分の身は自分で守らなければならない事態に向かっているのだ。経済的に、いかに国や企業に頼らないで生きられるかのサバイバルゲームが始まった。

状況はどんどん悪化している。これから必要になるのは、「国も企業も信用しないで生きる能力」である。「お上が何とかしてくれる」と思ったら最底辺に転がり落ちる。



日本人はもはや国にも企業にも頼れなくなっている。あなたは、国や企業に頼らずに、生きていけるだろうか。


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