2017-04-08

スマートフォン時代だからこそ、逆にパソコンを使うべきだ


2017年4月3日、アイルランドの民間調査会社スタットカウンターは、OS(オペレーティングシステム)の世界シェアが、グーグルの「アンドロイド」がマイクロソフトの「ウィンドウズ」を抜いて初めて首位に立ったと発表している。

その差は0.02ポイントで、まだほんの小さな逆転に過ぎないのだが、差はこれからどんどん開いていく可能性があることが指摘されている。

ウィンドウズは落ちていき、アンドロイドが伸びていく。

ウィンドウズはパソコンのOSである。アンドロイドはスマートフォンのOSである。だから、これは人々がインターネットを見るのに、スマートフォンを使うようになったということを意味している。

時代は完全にパソコンからスマートフォンに移り変わったということでもある。しかも、急激に変わった。

どれほど急激だったかと言うと、5年前の2012年はアンドロイドが世界シェアに占める割合は、たったの2%でしかなかったのに、それが急激に伸びて2017年3月には約38%になっていることでも分かる。5年で19倍になったのである。

今やスマートフォンこそがインターネット・テクノロジーの中心になったということだ。


スマートフォンのOSがパソコン側に侵食していく


私が管理しているもうひとつのサイト「ブラックアジア」でも2015年あたりから、完全にスマートフォンがパソコンを圧倒するようになっていた。(パソコンでこのサイトを見るユーザは、少数派になっていた

「ブラックアジア」は読者の主軸が30代から40代なのだが、彼らはスマートフォン世代ではない。パソコン世代だ。にも関わらず、もう30代から40代が主軸のサイトでさえも、スマートフォンでアクセスする読者の方が増えていた。

机に座って読むのではなく、スマートフォンで電車内や仕事の合間やベッドの中で文章を読むようになっている。もはや、インターネットの文章は、そのような形で読むのが常態化しているということでもある。

この流れは非常に強く、長く、着実なものである。後戻りすることは絶対にない。今や、インターネットの入口はスマートフォンが制した。

スマートフォンはアップルの「iPhone」が元祖だが、iPhoneが初めて発売されたのは2007年1月であり、すでに今年で10年目に入る。

スマートフォンは手のひらに収まる超高性能のコンピュータであることに気付いた人々は、この10年で「もう自宅にパソコンは要らない」と割り切るようにもなっている。

だから、自宅でパソコンを持たない若年層は当たり前になり、ウィンドウズの比率はどんどん下がっていった。そのために、今ではキーボードすらも打てない若者も普通に存在すると言われている。

いや、キーボードが使えないの前に、パソコンの使い方も分からず、スマートフォンのように使いこなせないのでパソコンに拒絶感を覚える若者さえも増えているようだ。

「キーボードも打てず、パソコンも使えない新入社員」の対応に企業は迫られている。

世の中がそのようにシフトしているので、現在のパソコンはいずれはスマートフォンのOSがパソコン側に侵食し、パソコンを駆逐してしまう可能性も考えられるようになった。

今こそパソコンを「取り戻す」方が生き残れる


「スマートフォンのOSがパソコン側に侵食」というのは、すでに起きている。ノートPCでは、OSをアンドロイドにして「キーボードがついたスマートフォン」のようなスタイルの製品が登場して売れている。

アップルも「iPhone」に搭載されているOSを「iPad」で展開し、いよいよ最近はキーボードも付けるようになってきた。

アップルの場合はMacOSが搭載されたノートブックも重要な製品のために、どうしても「iPad」をノートブック型に進化させたくないようだ。

しかし、iPhone に搭載されたiOSを知っていてもMacOSを知らない人々が圧倒的になると、やがて「iPad」がノートブック化しても不思議ではない。アップル内で製品の共食いが起きることも想定される。

ウィンドウズの市場が縮小しているのと同様に、MacOSの市場も縮小していくのは不思議なことでも何でもない。スマートフォンのOSはあらゆる分野に進出していくだろう。

では、もうパソコンを覚える必要はないのだろうか。

実はまったく逆かもしれない。逆に、今こそパソコンを「取り戻す」方が時代を生きる上で役に立つ可能性が高まっている。

これから時代を生き抜くには、逆にキーボードを高速に打てるように訓練し、パソコンOSに精通し、専門のソフトウェアを使いこなせるようになった方が、スマートフォン一本でいくよりもはるかに良い。

なぜなら、スマートフォンのOSがパソコンのOSに取って変わるのはまだ10年以上も先であり、その間はパソコンで「重量級」の仕事が行われるのは確実だからである。

プログラム開発も、デザイン処理も、動画処理も、その他ありとあらゆるビジネス・ソフトウェアはパソコンOSの上で動いており、すべての企業はパソコンOSをこれからも使い続けることになる。

「重い処理」のすべてをスマートフォンのOSでこなすのは非常に難しい。不可能ではないが不便だ。そのため、ビジネスの現場ではパソコンOSが生き残る。

「創造主はパソコンに宿っている」のが現実だ


スマートフォンOSは、コンテンツを制作する用途ではなく「消費」するために生まれたOSだ。またビジネスで使用する用途ではなく、個人で使用するために生まれたOSだ。

制作やビジネスにおける環境は、圧倒的にパソコンOSの方が優れている。

つまりパソコンができないというのは、制作やビジネスができないということであり、パソコンを捨てるというのは自ら情報格差の下に行くということでもある。

今後、さらにインターネットに関連したテクノロジーは社会の隅々にまで浸透して猛威を振るう。そんな時代に知識や能力の点で取り残されるというのは致命的でもある。

しかし逆に言えば、スマートフォンにとらわれてパソコンに触れなくなった人たちが増えた今、むしろパソコンOSの方で専門に特化したソフトウェアを駆使できるようになると、それが今後の社会では大きな生き残りの武器になるということを意味している。

そもそも、スマートフォンのOSも、さらにスマートフォンで動いているソフトウェアのほぼすべては「パソコンが生み出している」というのが現実である。

人々はスマートフォンに群れているのだが、創造主はパソコンに宿っている。

誰もがパソコンを使わなくなってしまっている今、パソコンにこだわっていると時代に取り残されていくように思えるのだが実際はそうではない。現実を仔細に見るとまったく逆だ。

情報格差の上に這い上がる武器はパソコン側にあるのだから、人々がパソコンから離れつつある今こそ、パソコンに向かってそこにある重量級のソフトウェアに触れる必要がある。

若年層であればあるほど、パソコンが使えないというのは不利になる。「スマートフォンがあるので家にパソコンは要らない」というのは、時代に乗っているようで間違えている。

「パソコンなんかはもう要らない」と社会の風潮に流されていると、足元をすくわれることになる。



若年層であればあるほど、パソコンが使えないというのは不利になる。「スマートフォンがあるので家にパソコンは要らない」というのは、時代に乗っているようで間違えている。


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