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2017-03-09

「凶悪極まりない産業破壊の道具」としてのインターネット


現在、全世界で「ビジネス崩壊」に関するいくつもの興味深い動きが同時並行で起きている。

それぞれ、関係がないように見えてすべて相関関係にある動きであると言っても過言ではない。

たとえば、時計の老舗セイコーホールディングスと、セブン&アイの売り上げ不振は、それぞれ会社も事業形態もまったく違うので関連性がない動きに見える。しかし、よくよく見ると、不振に至った根の部分は同じだ。

さらに、業績不振がまったく打開できないとして三越伊勢丹ホールディングスの社長が辞任する騒ぎと、運送業のヤマトホールディングスの未払い残業代はまったく関係ないように見える。しかし、これも根は同じだ。

デパートと言えば、アメリカでもデパート業界の雄であるシアーズやメーシーズやJCペニー、さらに小売業の雄ウォルマートなどが、それぞれ100店舗以上を急いで閉鎖する動きが出てきている。

同時に日本の総合スーパーであるイオンも、赤字に追い込まれている。これらも、まったく関係ないように見える。しかし根は同じだ。

いったい、何が起きているのか。もちろん、ビジネスモデルを破壊する「凶暴な存在」が暴れ回っているのである。


いよいよ、ビジネスモデルが崩壊し始めたのか?


それぞれの「老舗」であったはずの企業で何が起きているのか。なぜ同時並行的に今まで通用してきた老舗のビジネスが赤字や業績不振に追い込まれているのか。

それは、それぞれの企業の内情を見つめると、自社に抱える独自の問題に対処できなくなったとか、経営判断を誤ったとか、流行を読み違えたとか、様々な固有の問題が上げられる。

しかし、今まで「老舗のビジネス」をしていて何の問題もなかったはずなのに、ここにきて急激にすべての老舗が同時並行的に起きている。

それならが、固有の問題が深刻化しているというよりも、むしろ社会が大きく転換しているという見方の方が正しい。

セイコーホールディングスが売り上げ不振になったのは、商品力云々もあるが、その前に売り場であるデパートに人が集まらなくなったからでもある。

セブン&アイはコンビニのセブンイレブンのイメージが強いが、実はデパートの老舗そごうや西武などを抱えており、これが足を引っぱっていた。

セブン&アイが深刻な問題に陥っていないのは、単にコンビニ事業がデパート事業の不振を補っているからに過ぎない。

逆に言えばコンビニ事業を持っていないデパートや総合小売店である事業体、日本の三越伊勢丹ホールディングスやイオン、あるいはアメリカのシアーズ、メーシーズ、JCペニー、ウォルマートは全部まとめて危機に陥っている。

ほとんどのデパートや総合スーパーの経営不振がここに来て一気に噴き出しているのは、景気が悪いからではない。景気が悪ければ、運送大手のヤマトホールディングス、アメリカではフェデックス、UPS等の企業の売上は激減している。

しかし、現在これらの運送業を見ればまったく逆で、あまりにも忙し過ぎて人手が足らず、過大な仕事量で現場が崩壊しそうな目に遭っているのである。

そう考えると、デパートや総合スーパーは「いよいよ、ビジネスモデルが崩壊し始めた」と見るのが正しいと多くの識者が指摘する。

デパートに集まるはずだった商品は倉庫にある


運送大手ヤマトホールディングスの仕事量がキャパシティを越えて仕事がパンクしそうになっているという状況と、オフィス用品の通販大手アスクルの倉庫が12日も燃え続けたというニュースも同時並行に起きているのだが、これもまったく違うニュースに見えて根は同じだ。

アスクルの埼玉県内にあった倉庫が12日も燃え続けたのはなぜか。それはこの倉庫が普通の倉庫ではなく、約7万2000平方メートルにも及ぶ東京ドーム並みの「超巨大倉庫」だったからである。

こんな巨大な倉庫が燃え上がったら、確かに消防車が何台あっても足りないだろう。

しかし、考えなければならないことがある。日本にはこのアスクルの倉庫の約3倍もの大きさを持つ「超巨大倉庫」が神奈川県小田原市にある。それはアマゾンの倉庫である。

アマゾンはこの他にも12の倉庫を持っていて、それぞれが燃え上がったアスクルと同等か、それ以上の巨大倉庫になっている。

今、こうした巨大倉庫、別の言い方をすれば大型物流施設が次々と建設されていて、撤退した電機メーカーの工場跡地を物流業者が次々と買い漁ってありとあらゆる商品をそこに集積させている。

つまり、本来はデパートに集まるはずだった商品は、今は倉庫に集まっていて、その倉庫から直接、顧客に届けられるスタイルにビジネスモデルが転換している。

消費者はもうデパートや総合スーパーを徐々に「面倒だ」と思うようになっており、インターネットで買い物をして運送屋に運んで来てもらう消費スタイルに転換した。

それが、いよいよ臨界点を超えて、巨大なショッピングセンターから打撃を与えるようになっているのだ。

そのインターネット通販の入口を独占したのが、アマゾンである。だからこそ、アマゾンは超巨大倉庫を次々と日本に建てて運営するようになっている。

三越伊勢丹ホールディングスやイオン、あるいはアメリカのシアーズ、メーシーズ、JCペニー、ウォルマートは、すべてアマゾンによって打撃を与えられた。

アマゾンは破壊者であると言われているが、そのアマゾンの中核はインターネットだ。現象を正確に捉えるのであれば、インターネットこそが真の破壊者である。ただの破壊者ではない。凶悪極まりない破壊者だ。

インターネットは、凶悪極まりない産業破壊の道具


インターネットによる通販は、ここ10年で定着した動きなのだが、その立役者としてはスマートフォンの存在がある。

パソコンは今でも重要な機器だが、一般消費者はもうパソコンではなくスマートフォンでインターネットに接続し、コンテンツを消費し、買い物をするようになっている。

だから、いよいよ巨大なショッピングセンターのビジネスモデルが崩壊したというのは、要するにスマートフォンに客を取られたという言い方もできる。

このスマートフォンを制したのがアップルとグーグルだ。さらに、ネット通販を押さえたのがアマゾンである。

こうした動きは10年以上も前から始まっていたので、各デパートや総合スーパーもそうした動きがあるのを気付かなかったわけではない。

その証拠に、それぞれが独自のショッピングサイトを立ち上げてネット通販を試していた。

しかし、インターネットを知り尽くしたアマゾンの徹底的な拡大戦略に負け、デパートが片手間でやる自社のネット戦略はうまく機能しなかった。

そうしているうちに、アマゾンの拡大と侵食によって本業まで食われ、経営に壊滅的な打撃を受けるようになってしまったのである。

だからデパートや総合スーパーは全世界で同時並行的に「ビジネス崩壊」するようになっており、そこに販売を託している業者も一緒に不振にあえぎ、もはや生き残りの手がかりすらも得られないような状況になっている。

これが、破壊者としてのインターネットの姿だ。

インターネットは、新聞社を破壊し、出版社を破壊し、音楽会社を破壊してきたのだが、次はデパートを破壊し、総合スーパーを破壊し、ありとあらゆる業界のビジネスモデルを破綻させている。これからも既存のビジネスモデルを破壊し続ける。

それぞれの業界の人間たちは漠然とそれを意識しながらも、インターネットが凄まじく凶暴であることに気付かない。そのため、ビジネス崩壊が起きて初めて蒼白になるのだが、その時はもう遅いのである。すべては破壊される。

私たちがすべきことは簡単だ。時代の変遷に立っているのであれば、破壊される側に立たないということである。

インターネットが凶悪極まりない産業破壊の道具なのであれば、その道具で叩きのめされる方ではなく、叩きのめす方に立たなければならない。いよいよ、待ったなしだ。




本来はデパートに集まるはずだった商品は、今は倉庫に集まっていて、その倉庫から直接、顧客に届けられるスタイルにビジネスモデルが転換している。インターネットがデパートや総合スーパーを破壊した。


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