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2017-01-10

地獄と化していく世界では、プラス思考はあまりにも無力だ


「プラス思考などを持っても成功できない」

この事実は、ニューヨーク大学で心理学教授をしていたガブリエル・エッティンゲン教授がすでにいくつもの実験を通して1991年に結論を出していた。

エッティンゲン教授はプラス思考で成功できるどころか、場合によっては成功すらも遠ざける危険性があるということも指摘している。

プラス思考で夢を見ると「人は頭の中でそれを達成し、現実世界の逆境を乗り越える行動力が低下する」と言うのだ。つまり、空想で満足して行動力が鈍る。

空想にエネルギーを使っていると、現実世界にエネルギーを使う余裕がなくなる人が多い。いくらプラス思考でも現実世界で行動できなければ何もならない。

プラス思考で空想の世界に浸っていて現実で成功できるのであれば、都合の良いことばかり考えて何もしない怠け者が最も成功するということになる。世の中はそうなっていない。

当たり前だが、ひとつのことをとことん考え抜き、集中し、誠実に努力し、着実に行動している現実的な人が成功するのであって、適当に空想して行動もしない人間がいくらプラス思考を持っても成功しない。


プラス思考で成功するどころか未曾有の地獄に……


しかし、欧米でも日本でもそうだが、このプラス思考(欧米ではポジティブ・シンキング)は成功者になるための必須の心がけだと言われている。

そのため、エッティンゲン教授の実験データや検証や結論は掻き消された。

逆にプラス思考は得体の知れない新興宗教のように広がっていき、それを信じる人間がカルト教団の信者のようにプラス思考を礼賛するようになった。

プラス思考を持つのは心地良い。夢に浸れる。「成功を夢描けば成功できる」というのだから、心地良い夢に浸りきってしばし幸せな気分になれる。

しかし、プラス思考は成功を約束するものではない。

たとえば、プラス思考で言えばギリシャ人は類を見ないプラス思考の民族だと言われているが、それでギリシャ人は世界最大の成功者になったのかと言えばそうでもない。

2010年のギリシャ・ショックを見ても分かる通り、ギリシャは経済破綻し、国民は極貧に堕ちた。

プラス思考と言えば、東南アジアではフィリピンのラテン気質が有名だ。彼らはどんなことがあっても「プラス」に考える癖があるが、やはり国は極貧に堕ちている。

日本では奇しくもエッティンゲン教授が「プラス思考は効果がない」という結論を出した1990年代から、プラス思考ブームが始まっている。

それで日本人は幸せになったのか。

奇しくも、日本は1990年代からバブル崩壊で多くの企業や個人が未曾有の資産縮小に見舞われ、自殺者が毎年3万人を超える時代に突入していった。

バブル崩壊という時代の荒波の中で、プラス思考の流行が日本を良くしたという形跡はない。時代の荒波が人々の夢や希望をいとも簡単に叩き潰すという現実ばかりが見える。

それは「辛い現実を忘れさせるための現実逃避」か


プラス思考は2000年代に入ってもブームで、プラス思考を説く書籍も泡のように現れては消えてまた現れる。今もまだこんなものにすがっている日本人もいる。

しかし、2000年代に入ってからも日本社会の苦境は続き、生存環境はいよいよ厳しくなって悪化の見込みはあっても改善の見込みはない。

若年層は非正規雇用に追いやられ、単身女性は3人に1人が貧困で、中高年は年収の低下やリストラに怯え、高齢層は生活破綻して次々と生活保護受給者となっている。

プラス思考が流行しているのだが、そんなものよりも現実の方が深刻化しすぎており、いくらプラス思考を持っても失敗する確率の方が高まっている。

就職氷河期に社会に出て叩き潰され、ニートや引きこもりになった人間がいくらプラス思考をしても何の魔術も起きず、結局は仕事もないまま30代になり40代になって面倒を見ている親と共に困窮していく姿もある。

「本気を出せば俺は凄い」とプラス思考を持っても、現実を見る目も行動力もなければ、どうしようもない。

結局、プラス思考というのは「辛い現実を忘れさせるための現実逃避くらいの役割しかないのではないか」とやっと日本人も気づくようになった。

いくらプラス思考をしてもビジネスは必ずしも成功しないし、金持ちになれないし、良いことも起きない。

それどころか、プラス思考をしてもままならないほどの厳しい現実があって、そこから抜け出せないことに日本人は気づくようになったのだ。

宝くじに当たった人は目立つが、その陰に数千万人もの外れた人が隠されている。それと同じように、プラス思考で成功した人は目立つが、その陰にプラス思考でも成功できなかった数千万人が隠されている。

地獄の中で生き残るにプラス思考は役に立たない


プラス思考で成功した少数に焦点を当てればプラス思考は素晴らしいもののように見える。

しかし、プラス思考でも成功できなかった莫大な人々の群れの存在に気付けば、プラス思考は別に崇める必要があるわけでもないことに気付くはずだ。

プラス思考が好きならそれを取り入れても別に害はないが、それは成功とリンクしているわけではない。プラス思考をしても成功できない人間たちの群れを見て、一刻も早くそこに気付くべきだ。

プラス思考がなくても成功する人は成功するし、プラス思考があっても失敗する人は失敗する。

プラス思考という「気の持ちよう」以前に、頭脳や努力や執念や行動力が重要であり、さらにそこに運があるかどうかも絡んでくる。

現実社会での成功は、プラス思考よりもむしろ頭脳や執念や行動力で決まる確率の方が高い。特に、現実が厳しくなればなるほどその傾向は強まる。

厳しい現実に震え上がりながら努力する人の方が、空想しているだけで何もしない人より生き残る確率が高いというのは、常識がある人なら誰でも分かる。

日本は少子高齢化も人口減も解決できなかった国である。そのため、社会環境は今後もじわじわと悪化していくことになる。足元は決して安定していない。

貧困も格差も解消できないし、日本を取り巻く社会的環境も悪化している。周辺国とは経済問題だけでなく、領土問題、歴史問題、民族問題で軋轢が生じている。

日本にとって、ひどく厳しい時代になっている。反目、対立、衝突、暴力、憎悪、格差、貧困……。ありとあらゆるものが一気に押し寄せてきている。

そんな厳しい時代で生き残るのに重要なのは、現実を直視して必死で努力し、もがき、その中で経験や実績を得て生きていくという泥臭いものであるはずだ。

地獄と化していく世界では、プラス思考はあまりにも無力だ。現実的で合理的な思考を持つ方がまだ役に立つ。



厳しい時代で生き残るのに重要なのは、現実を直視して必死で努力し、もがき、その中で経験や実績を得て生きていくという泥臭いものであるはずだ。


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