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2016-11-03

アメリカで起きている大統領選挙の大混乱の根底にあるもの


2016年のアメリカ大統領選挙は、今や「アメリカ歴史史上最悪の大統領戦」とも呼ばれるものとなった。

ドナルド・トランプもヒラリー・クリントンも両者共に激しい中傷と罵倒を相手に浴びせ、自分たちの支持者にも相手を批判するように挑発している。

幸か不幸か、両者には批判すべき点が山ほどある。

ドナルド・トランプは暴言とセクハラと税金逃れのスキャンダルで人格にも行動にも大きな欠陥がある金持ちであることが浮き彫りになっている。

一方のヒラリー・クリントンも「金のためなら何でもする冷血な女」と思われている。

財団を使った利益誘導や、都合の悪いメールの隠蔽や、ウォール街との結託や、政敵の暗殺疑惑や、自身の健康問題、さらには夫ビル・クリントンのセクハラ問題など、こちらもトランプに劣らずスキャンダルには事欠かない。

どちらが大統領になっても、すぐに人格に端を発した問題が起きるのは必至である。そのため、アメリカの株式市場も大混乱し、ドルも激しく変動している。


どちらが大統領になってもアメリカは混乱する


「アメリカ第一」のドナルド・トランプが優勢になると、アメリカの政策が内向きになり、グローバル経済もアメリカ経済も混乱する恐れがある。

こうした予測から株式市場もドルも売られる展開となっている。実際にトランプが大統領に選ばれると、株式市場の混乱はさらに続いていくだろう。

しかし、ヒラリー・クリントンが大統領になったとしても、アメリカが安泰になるわけではない。安泰どころかさらに内政も外政も経済も混乱が深まっていく可能性が高い。

ヒラリーは利己主義で権威主義的で、自分の利益を増やすのには熱心だが、国民の窮状には無関心であると思われている。「計算高く、鼻持ちならない女」と言われているのだ。

実際、ヒラリーはウォール街の富裕層から莫大な寄付を受けて良い暮らしを続け、今回の選挙戦を戦っていると、トランプ側に激しく攻撃されている。

にも関わらず、あたかも国民側に立っているようなモノの言い方をするので、「選挙のためのポーズであり、信頼できない」というイメージがより強くなっている。

8年前の大統領戦で、民主党の指名を巡って無名のバラック・オバマと激しく戦ったときも、「利己主義で信頼ならない」と言われて負けたのだ。

さらに今回も、アメリカの貧しい国民側に立ったバーニー・サンダースと激しく戦ってきたせいで、ヒラリーに対する好感度はますます消え失せた。

バーニー・サンダースを支援してきた民主党支持者が、「ヒラリーに入れたくない」という理由で共和党のトランプに票を入れる決意をしているほど嫌われているのである。

こんな人物が大統領になって、アメリカの内情が落ち着くと考える方がどうかしている。どちらが大統領になってもアメリカは混乱する。

グローバル経済が生み出した経済格差への怒り


今回の大統領戦で起きている現象、「トランプの想定外の躍進」「ヒラリーの不人気」「脱落したバーニー・サンダースの高い支持」は、それぞれが別の現象ではなく、たったひとつの問題の副産物である。

それは「グローバル経済が生み出した経済格差への怒り」だ。

ドナルド・トランプが支持されているのは、「グローバル経済なんかよりも、アメリカ人が豊かになるべきだ」という「アメリカ第一」を掲げているからだ。

「メキシコとの国境に高い壁を築く」というのも、違法な密入国を減らしてアメリカ人に雇用をもたらすためである。「イスラム教徒を入れない」というのも、移民を富ませるためでなくアメリカ人を富ませるためである。

「海外に工場を作っているアメリカ企業には、国内で工場を作らせる」というのも、アメリカに雇用を取り戻すためである。すべてが「アメリカ第一」に結びついている。

そして、それこそが「グローバル経済が生み出した経済格差の是正だ」として99%に追いやられたアメリカ人が支持するようになっているのである。

バーニー・サンダースが熱狂的に支持されていたのも、「格差是正」「公立大学の無償化」を打ち出して、明確に経済格差の下に押しとどめられた人たちの側に立っていたからだ。

「グローバル経済が生み出した経済格差への怒り」を感じている人たちの心をつかんだのである。

そして、ヒラリーの不人気も、この点に無関係ではない。ヒラリーは99%の側ではなく、1%の富裕層側に立っているから嫌われているのだ。

そして、「グローバル経済が生み出した経済格差への怒り」が、そのままヒラリーの攻撃につながっている。

さらに言えば、バラック・オバマ大統領への熱狂的な支持が消えたのも、「結局、経済格差を是正することができない男だった」という点にある。

グローバル化はスピードの緩急があっても止まらない


ユーロ圏で起きている反グローバル化や右傾化もまた「グローバル経済が生み出した経済格差への怒り」が生み出しているものである。

グローバル化とは、企業が「最も安い労働者」を探して自国の労働者を捨てて海外に出るか、あるいは海外から安い労働者を受け入れて自国の労働者を捨てるためのシステムだった。

そして多国籍企業の株式を大量に持った大株主や経営者が富を独占し、労働者が貧しくなる壮絶な経済格差を生み出すシステムでもあった。

アメリカで起きている大統領選挙の波乱と混乱は、こうした「グローバル経済が生み出した経済格差への怒り」が根底にあって生まれているのだから、「貧困問題」がアメリカを直撃していると言っても過言ではない。

すべてがここに帰結している。

では、「グローバル経済が生み出した経済格差」は、今後は消えていくのだろうか。グローバル経済は終焉を迎え、グローバル化が生み出していた弱肉強食の資本主義は修正されていくのだろうか。

もちろん、それはあり得ない。グローバル化という岩は、すでに坂道を激しい勢いで転がっている。スピードの緩急があったにしても、それが止まることは決してない。

なぜか。現在の資本主義の支配者はすでに「どこかの国の政治家」ではなく「多国籍企業」になっているからだ。ドナルド・トランプがアメリカ人の雇用を取り戻すと言っても、彼らに仕事を与えるのは多国籍企業である。

アメリカ人を富ませるというのは、皮肉なことだが「より多国籍企業を成長させる」しか方法がないわけで、結局は多国籍企業がすべてをコントロールする。

そのため、アメリカ人は「経済格差を解消する」という政治家を選んでは裏切られ、裏切られては新しい大統領を選び直すというシーシュポスの岩のような状態に置かれる。

今回の大統領選挙でヒラリーとトランプのどちらが大統領になっても、混乱を生みながらグローバル化が生み出している弱肉強食の資本主義は続く。

基本的に全世界を覆っている社会構造の根幹部分は変わらないのだから、グローバル化という岩は人々を押しつぶしながら転がっていく。



今回の大統領選挙でヒラリーとトランプのどちらが大統領になっても、グローバル化が生み出している弱肉強食の資本主義は続くわけで、基本的に全世界を覆っている社会構造の根幹部分は変わらない。


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