2016-09-28

アメリカは、自分の国は自分で守れと日本に言っているのだ


2016年9月26日、ドナルド・トランプとヒラリー・クリントンの討論が行われた。

そこでドナルド・トランプは改めて日米安全保障条約に触れて「アメリカは日本を守っているが、日本やドイツは公平な負担をしていない」と主張した。

「日本のせいで、我々は巨額の資金を失っている。 世界の警察官になることはできない。必要な負担を求める」

日本は他のどこの国よりも米軍の駐留経費を負担しており、それによってアジアの安全と米国の国益に寄与している。

しかし、こうした背景を一切無視して「もっと金を出せ」と日本に迫り、さらには「金を出さなければ撤退する」とドナルド・トランプは言う。

その意見は極論に見える。しかし、オバマ大統領は「もうアメリカは世界の警察官ではない」と言い、トランプ候補もまた同じことを言っているのを見ても分かる通り、時代はとっくに変わっている。

アメリカはもう世界がどうなろうと知ったことではなく、「自分たちの国防は自分たちで面倒を見ろ」というスタンスに切り替わっているのである。

これを認識するのは非常に重要だ。


共産主義は民主主義陣営にとって大きな脅威だった


戦後の日本が経済復興できたのは、アメリカが日本を共産主義化するのを避けるために、自国市場を開放したからである。

当時、ソビエト社会主義共和国連邦が強大に台頭しつつあって、アメリカと敵対化していた。アメリカの敵は「共産主義者」だった。日本が敗戦した後、ソ連に飲み込まれて共産化してしまうと再び日本はアメリカの敵となる。

だから、アメリカは日本を共産化させないために自国市場を開放し、日本を立ち直らせて共産主義の防波堤とすることにしたのである。

アメリカはその後、朝鮮戦争を戦い、ベトナム戦争を戦ったが、これらも「共産主義を放置すれば世界が次々と共産化してアメリカの敵になる」というドミノ理論に支えられたものだった。

事実、東南アジアではベトナムが共産化し、ラオスやカンボジアも、次々と共産主義に落ちていった。

今でこそ共産主義は破綻した「理想主義」思想として、世の中の嘲笑の的になっているが、1950年代から1980年代までは共産主義は民主主義陣営にとって大きな脅威だったのである。

アメリカがソ連と直接的な軍事対立をしなかったのは、両国共に核兵器を大量に保有していて、直接的にぶつかると間違いなく第三次世界大戦となって核爆弾が飛び交うことになる可能性があったからだ。

そのために朝鮮戦争やベトナム戦争は米ソの「代理戦争」と呼ばれていたが、直接的に軍事対立がなくても共産主義国家と自由主義国家は激しく対立していた。この緊張関係を「冷戦」と人々は呼んだ。

グローバルな目で見ると、日本の経済的な繁栄は、まさに「冷戦」の構図の中で生まれ、育ってきた。アメリカが日本を敗戦のガレキの山から引き上げ、日本に自由をもたらした。

日本の経済発展はアメリカが予期していた以上にうまくいくようになり、1980年代になると、経済規模ではアメリカを脅かすようになっていった。

アメリカは1975年にベトナム戦争に負けて、敗戦ショックで経済停滞が長く続いたが、日本はひとり経済成長を謳歌しており、1985年からはバブル経済に突入してアメリカ中を買い漁るような時代になった。

時代は変わり、冷戦が終わって日米関係も変質した


しかし、時代は変わる。

1991年12月25日、ソビエト連邦は崩壊し、アメリカとの冷戦は事実上終結することになった。もうアメリカは共産主義の脅威と戦う必要性がなくなった。

共産主義陣営は、もうアメリカと張り合う体力がなくなったどころか、国家を維持することすらもできなくなった。そこまで追い込まれていったのである。

そして、どうなったのか。

アメリカはもう日本を繁栄させ、防衛する必要性をなくしたのである。むしろ、想定以上に豊かになった日本は、アメリカの「経済的な敵」になりつつあった。

だから、日米同盟は1991年の冷戦終結で、ひとまず役割を終えたと考えることもできる。冷戦のために必要だった日米同盟は冷戦が終わって意義を喪失した。

冷戦が終わって、日米関係も変わったのだ。

表面的にはまだ日米同盟は続いているのだが、日本が1991年以降も変わらずアメリカに忠誠を誓っているのとは裏腹に、アメリカの方は日本から静かに離れようとしつつあった。

1990年代以降、鉄鋼、半導体、自動車、造船の分野で、アメリカはしばしば日本企業に懲罰的な賠償金の支払いを求めた。この日本バッシングを容認していたのが、ビル・クリントン政権だったのである。

こうした姿勢から、アメリカが「日本を潜在的な経済敵国として見るようになった」と日本人は感じ取っていたが、それでも日本人の多くはずっとアメリカが密接な同盟国であると信じて疑わなかった。

しかし、2000年代に入ってからアメリカは日本をまるで存在しないかのように放置して、資本主義の仲間入りをした中国に傾倒するようになった。

「自分の国は自分で守る」という当たり前が必要だ


冷戦が終わった1991年からアメリカの本格的な「日本離れ」は始まり、その頃からの中国の経済躍進でアメリカの「日本離れ」は加速した。

そして、リーマン・ショック以後、アメリカは世界の警察官であることにも興味を失った。

オバマ政権は中東の混乱も放置し続けたが、もう「世界の警察官」という割に合わないことをしたくないとアメリカは思うようになっているのだ。

ドナルド・トランプが大統領になれば、こうした動きはさらに鮮明になっていくことになるだろう。

これは、遅かれ早かれ日本は自主防衛しなければならなくなることを意味している。アメリカが引き上げると、日本を激しく憎む中国・韓国・北朝鮮に囲まれた日本は丸裸になる。

中国や北朝鮮は核を持っているのだから、現実的に考えると日本も核武装が必要になっていくのは言うまでもない。

尖閣諸島や竹島を見ても分かる通り、日本は反日国家の侵略の対象にされており、沖縄にも対馬にもそうした侵略者の手が迫ってきている。

そんな中で、日本人は「人類みな兄弟」だとか「世界平和」などと子供の漫画のようなお花畑の世界に浸っている場合ではないのである。

「誰かに守ってもらう」のではなく「自分の国は自分で守る」という当たり前が重要になるのだ。

ところで、冷静に考えると「自分の国は自分で守る」というのは何か問題でもあるのだろうか。むしろ、どこの国でもそれは当たり前のことである。自分の国を自分たちで守れるというのは、誇らしいことでもある。

にも関わらず、民主党や共産党は「戦争反対」と言って自主防衛もさせようとしない。

その理由は簡単だ。自主防衛させないまま日本を無防備にしておくと、中国・韓国・北朝鮮のような国家はいくらでも日本を侵略できる。民進党や共産党は、そうしたいのである。

しかし、そろそろ日本は目覚めなければならない。日本は国防的にも独立が必要であり、自国を自主防衛できる国軍が必要であり、自分の国は自分で守らなければならない。

時代がそれを求めている。



ドナルド・トランプは改めて日米安全保障条約に触れて「アメリカは日本を守っているが、日本やドイツは公平な負担をしていない」と主張している。

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