2016-08-27

これから日本で伸びていくのは貧困層から奪う貧困ビジネス


これから日本で伸びていくビジネスとは何か。高い需要と共に巨大化していくビジネスとは何か。それは「貧困ビジネス」である。

現在、東京の山谷や大阪のあいりん地区では、簡易宿泊所が「福祉の方、歓迎」という看板を出して、生活保護を受けている貧困の労働者たちを取り込んでいる。

あるいは暴力団の関係者がこうした労働者を集めてタコ部屋に放り込み、生活保護を受けさせてそれを宿賃という名目で大半を搾取するようなビジネスをしている。

労働者を囲い込んで生活保護費だけを搾取するので、こうしたビジネスを手がける人間たちのことを「囲い屋」と呼ぶこともある。

ずいぶん前から、そのような貧困者をターゲットにして行うビジネスが為されるようになっている。これを「貧困ビジネス」と言う。

「労働者に生活保護を受けさせて、それを搾取する」というのは、貧困ビジネスの基本になっている。


違法な貧困ビジネスは、社会の底辺で蔓延していく


貧困層に生活保護を受給させるのは別に違法でも何でもないし、その貧困層に宿を貸して金を取るのも違法ではない。

生活保護費の搾取は、やっていることは搾取なのだが合法と違法のスレスレを渡っているので、摘発はよほどの違法行為が他になければなかなか難しいと言われている。

だから、こうした違法な貧困ビジネスは、社会の底辺で蔓延し、広がろうとしている。

こうした労働者を搾取する目的で行われる「貧困ビジネス」だが、今や日本の貧困層は底辺の日雇い労働者だけではなくなっているのが現実だ。

2001年から2006年まで小泉政権が「新自由主義経済政策」と「構造改革」を推し進めた結果、企業は終身雇用を捨てて正社員の代わりに派遣労働者を取るようになった。

これを推し進めた張本人は竹中平蔵という男だ。

この男は「企業は正社員をたくさん抱えるということが非常に大きな財務リスク」と言って、派遣労働者を増やす政策を強力に推し進めていった。(正社員をクビにしやすい社会になったら、儲かる男がいる

その結果、企業は若年層を正社員として雇わなくなっていったので、彼らはいつクビにされるのか分からないような不安定な状況の中で働くことを強いられるようになった。

結局、その中でも学歴のない人や、職種が合わずに会社を辞めざるを得なくなった人や、怪我や病気になった人などが、改めて仕事を探しても正社員になれず、やむなく非正規雇用で雇われて、貧困に落ちていくことになった。

一流企業に就職できた者でも、リストラや一身上の都合で会社を辞めたら、次の仕事がなかなか見付からず、非正規労働者となって落ちぶれていく姿も普通になっていった。

そして、どうなったのか。日本の底辺では貧困の人間をターゲットにしたビジネスがどんどん増えていくようになったのだ。

貧困に落ちれば落ちるほど条件が悪くなる理由とは


ネットカフェは、今や「宿なし」の若者たちが泊まり込む簡易宿泊所である。

一泊900円(3時間)から1400円(8時間)なので一泊の料金としてみれば安いのだが、月で見ると安いアパートを借りられるくらいの金額になる。

しかし、非正規雇用の若年層は保証人もなければ敷金も礼金も払えないので、その安いアパートにすらも入れないのが実情だ。そのため、総合的に見ると割高になるネットカフェを利用するしかない。

ネットカフェはそのような絶妙な価格を用意していて、困窮する若年層を取り込み、囲い込む。これもまた貧困層を相手にして利益を上げる貧困ビジネスである。

また、同じように普通にアパートを借りられない層に一軒家の部屋をタコ部屋状態にして貸す「シェアハウス」も貧困ビジネスである。

こうした人たちはしばしば日雇い(ワンコール・ジョブ)に追いやられて仕事がなくなると金欠になる。しかし、普通の銀行は彼らに金を貸さない。リスクが高すぎるからだ。

そこで、彼らに金を貸すのが消費者金融でありヤミ金である。金は貸すが、凄まじい高利となる。しかし、そこしか貸してくれないので、貧困層はそこから借りるしかない。

貧困に落ちれば落ちるほど、何をするにも条件が悪くなるのだ。貧困に落ちてしまうと、生活コストは下がるのではなく逆に上がるのである。

貧困層が増えれば、当然のことながら貧困層から絞り取るビジネスがどんどん伸びていく。一度貧困に落ちてしまうと、なかなか這い上がれないのは足元を見られて、いろんなところからぼったくられるからだ。

貧困層がそこから這い上がったら商売が上がったりになるので、貧困ビジネスは、貧困層が貧困から這い上がれないように生かさず殺さずのギリギリのビジネスを展開する。

貧困に堕ちた人々に救いはないのか。一見、救済をするような顔をして近づいてくるグループはある。

いよいよ貧困ビジネスが本格始動できる状況に


こうした貧困層に、味方のフリをして近づいて来るNGO団体やカルト教団や政治団体もある。

本当に貧困層の味方として、粉骨砕身する素晴らしい人がいる一方で、実は救済の見返りを得るために貧困層を利用しようとしてやって来るいかがわしい人間や組織も多い。

貧困層の救済をする個人や団体の中には、あからさまに「売名行為」をしているとしか思えないような人間もいる。

「貧困問題に取り組んでいる」というのは売名のネタだ。

本当はマスコミに自分を売り込むのが真の目的なので、貧困層といるより、テレビやマスコミで座談会でもしながら、偉そうに貧困論をぶち上げたりしている時間の方が長い。

同じく貧困問題に取り組みながら、貧困層を利用しているとしか思えないような政治団体もある。これらの政治団体が貧困層に着目しているのはいくつかの理由があるからだ。

(1)貧困をすべて与党のせいにして攻撃できる。
(2)攻撃に貧困層を焚き付けることができる。
(3)貧困層に福祉を取らせて、それを搾取できる。
(4)貧困層に会報誌を買わせて儲けることができる。
(5)最終的に貧困層から票をもらえる。

結局、貧困層は与党攻撃や会費獲得や票獲得のために「利用されている」のである。これも、一種の貧困ビジネスと言えなくもない。

ちなみに、こうした党の幹部は、小学校よりも敷地の広い豪邸に住んでいたり、夜寝るときはピアノでショパンを弾いて優雅な時間を過ごしたりしている。

ここに来て、いろんな人間や組織が貧困に着目しているのは、日本に貧困が定着したので、いよいよ搾取的な貧困ビジネスが本格始動できる状況になったからである。

彼らは貧困問題を解決しない。逆に、貧困層から奪う。そんなあこぎな貧困ビジネスが、これから日本で伸びていく。



ここに来て、いろんな人間や組織が貧困に着目しているのは、日本に貧困が定着したので、いよいよ貧困ビジネスが本格始動できる状況になったからである。彼らは貧困問題を解決しない。逆に、貧困層から奪う。そんなあこぎな貧困ビジネスが、これから日本で伸びていく。

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