2016-06-23

サイバー攻撃も誹謗中傷も工作員が組織ぐるみで行う時代に


2016年6月13日の夜、フランス・パリ郊外で警察幹部と女性警察官がラロシ・アバラというパキスタン系フランス人に刺殺されるという事件があった。

この男は超過激暴力組織ISIS(イスラム国)に忠誠を誓ったイスラム教徒で、所持品から殺害標的リストが見つかっていた。「ISISを邪魔する人間は殺害せよ」という指令が出ており、ラロシ・アバラはそれに従ったのだった。

ISISは今、インターネットに"Very important kill list"(最重要殺害リスト)なるものを出しており、そのリストに載っている人間を殺せと現地のイスラム教徒たちを煽っている。

ISISが世界中の人間の個人情報をいかにして集めたのかは不明だが、今や個人情報は悪意を持ったハッカーたちによって着実に収集されるようになっている。

2016年6月16日には、JTBが個人情報を漏洩させているのだが、その規模は700万人にも及び、顧客の住所氏名から電話番号という基礎的なものの他に、パスポート番号やパスポート取得日まで漏洩させていた。

こうした情報はアンダーグラウンドで着実に収集され、悪用されるようになっていく。そして、このようにして漏洩した情報でISISのようなテロリスト組織が悪用して「なりすまし」「偽造」「殺害リスト」で利用するようになる。

情報は自分が漏らさなくても誰かが漏らす。私たちの個人情報は、個人が必死で自己防衛しても、もはやどうにもならない段階にまで来ていることが分かる。


誹謗や中傷は、より過激・陰湿になっていく


インターネットの世界では、3つの問題がこれからも止めることができずにどんどん悪化していく。

3つの問題とは何か。それは、企業の機密情報の大量漏洩と、個人情報の流出と、高度化・過激化した誹謗中傷の拡大だ。

企業の情報漏洩と、個人データの流出は、ますますハッキング技術が高度化することによって成し遂げられていく。

そういった危険はセキュリティ対策のソフトである程度対応できると思われた時代があったが、もうそれを上回るハッキング技術やソフトが蔓延していて止められない。

さらに、誹謗中傷に関しても、個人のみならず、企業も対象になってこちらも状況は悪化している。

プロが介在し、敵対者に対して悪意を書き込む。それを防止することは事実上不可能だ。

こうした誹謗や中傷は、より過激に、より陰湿に、より高度化していく。誰でも、陰湿な誹謗中傷の対象になり得る。

2016年5月、米ハーバード大学政治学者のゲイリー・キング氏は「五毛党」と呼ばれる中国共産党のネット宣伝工作員が年間5億件近い「やらせ書き込み工作」を行っているということを発表した。

中国政府そのものが共産党を賛美するような書き込みを大量に垂れ流し、共産党を批判する人間に対しては激しい中傷・罵倒・人格攻撃をして世論工作をしているのである。

最近では、日本でも中国・韓国・北朝鮮の工作員が意図的に世論誘導のためのインターネット工作を行っていることも分かっている。

自分たちを賛美し、敵対者を激しく中傷する。こうした誹謗中傷が、組織ぐるみになっている。そこには、政府がかかわっているのである。

誰もが匿名で誹謗中傷を一身に浴びる時代に


もちろん、政府や工作員がやっているだけでなく、個人が誹謗中傷を行うケースも相変わらず多い。

他人を誹謗中傷する行為は、どこの国でも、どこの民族でも起きている。そして、その被害の対象になる人物も有名無名を問わない。

最近では、新潟日報の報道部長をしていた「坂本秀樹」という男が他人に激しい誹謗中傷をしていたことでマスコミの話題になったこともあった。

この男は一歳児を持つ女性に対して「お前の赤ん坊を、豚のエサにしてやる!」と罵っていたことで知られている。(お前の赤ん坊を豚の餌にしてやるという男が新潟日報にいる

最近のマスコミは「マスゴミ」と呼ばれるようになっているのだが、一般個人を「お前の赤ん坊を豚の餌にしてやる」と喚くような狂った人間が報道部長をしているのだから、その質の低下は救いようがない。

善人も悪人も、強者も弱者も、男も女も、大人も子供も、全員が等しく誹謗中傷にさらされる。

女性は容姿を中傷され、政治家は信条を攻撃され、創作者は創作物を中傷され、歌手は歌唱力を中傷され、芸能人は芸を中傷され、アスリートは能力を中傷される。

どんなものであっても、スタイル、言動、作品、パフォーマンスは、常に称賛と同じくらいの批判を受ける。どんなにプロとしての成果を出しても同じだ。

「私はあの人が嫌いだ。なぜなら好きになれないからだ」

そのような理不尽な理由で、人々は徹底的に中傷を浴び、時には罵詈雑言を浴び、嘲笑される。どんなに相手が誠意を見せても、その誠意すらも中傷され、嘲笑される。

こういった誹謗中傷はいつの時代にもあった。

しかし、インターネット時代になると、誰もが匿名で発言できる能力を持った代わりに、誰もが匿名で誹謗中傷を一身に浴びる時代になったのである。

匿名で中傷されると、匿名で中傷し返す人もいる。

だから、インターネットはたちまち中傷と人格攻撃の吹き荒れる荒んだ場所となった。中傷が中傷を生み出し、エスカレートしていく。

基本的には完全に封じ込めむのは不可能だ


問題は、自分が誹謗中傷に巻き込まれたら、いかに回避すればいいのかということだろう。

もちろん、相手がIPアドレスの防御をしていなかった場合、その相手を特定したり訴えたりすることは可能だ。

そういった誹謗中傷対策に特化した対策を提供するサービスもあれば、専門の弁護士もいる。警察も相談窓口を持っている。

実際に相手を特定し、損害賠償を請求できた例も多い。こういった事例はある程度の歯止めになる。

しかし、問題は必ずしも相手が特定されるとは限らないことである。

最近の誹謗中傷は、政治や個人の信条を攻撃したり、日本人に対するヘイトが絡んだものが多い。こうしたものは専門の知識を持った中国・韓国・北朝鮮の工作員がグループで行っており、巧妙で用意周到なものになっている。

プロがそれを行うのだ。したがって、こうした誹謗中傷は基本的には完全に封じ込めむのは不可能になっている。つまり、最終的に中傷する側のほうが強い。

今後は、このような工作員が行う誹謗中傷は、収束していくのではなく、逆に拡大していく可能性が高い。

インターネットではいくらでも身元を偽造することが可能で、個人を特定するIPアドレスも偽造することが可能だ。

IPアドレスを隠蔽する、すなわち接続経路の匿名化を成し遂げるソフトウェアのひとつにTORというものがある。

このソフトウェアは、アメリカ軍によって支援されて作られたものであることはよく知られているが、こういった技術は誰でも簡単に使うことができるようになっている。

だから、個人への誹謗や中傷は、より過激に、より陰湿に、より高度化していくのである。誰でも、陰湿な誹謗中傷の対象になり得る。

実際、2016年6月23日、TORを使って他人になりすまして他人を中傷していた佐賀県吉野ヶ里町の25歳の男を福岡県警サイバー犯罪対策課が逮捕するという事件も起きている。

過激化した誹謗中傷が、企業の機密情報の大量漏洩と、個人情報の流出に重ね合わされると、インターネットで人間を破壊することが可能になっていくのだ。

果たして、私たちは無傷でいられるだろうか。いや、それは無理だ。必ず、巻き込まれてしまうはずだ。



私たちの個人情報は、個人が必死で自己防衛しても、もはやどうにもならない段階にまで来ていることが分かる。


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