2016-06-08

グローバル経済は中国は見捨てて、次を「この国」に決めた


欧米は中国を経済発展させて民主主義を根付かせ、世界の成長エンジンとして活用しようとしていた。それは1990年代から本格化した。

それ以後、中国は凄まじい経済発展を遂げたが、本来はそこで中国社会は民主化して世界の人権意識と歩調を並べると欧米は楽観的に考えていた。

ところが、中国政府は民主化をことごとく拒絶し、中国共産党は民主化していくどころか、どんどん独裁主義・全体主義化していくようになった。

中国共産党は人民を監視下に置き、情報封鎖・世論操作・歴史捏造を繰り返し、共産党幹部は大規模な汚職と拝金に走って止まらなかった。

中国は「孫子の兵法」のような、いかに相手を騙すかの手法を書き連ねた汚らしい書物が崇拝される国だ。

中国人全員がこんな詐欺マニュアルの書を読んで感動し、中国政府も、それを現在に応用して「超限戦」と名付けたりして喜んでいる呆れた国である。

パナマ文書で暴露されたのは、中国人の大々的な脱税であり、汚職である。中国は高級官僚が率先して脱税を計り、習近平も親族を使って私腹を肥やしているのが明らかになっている。


中国はすでに2010年代に入ってから見捨てられた


それ以外にも、救いようのない大気汚染、癌症村があちこちに発生するほどの水質汚染、砂漠化、さらには軍部による周辺国の領土拡張主義、少数民族弾圧、恫喝、先進国へのサイバー攻撃、ハッキング、ソーシャル・ハッキングと次々と社会問題を引き起こして止まらない。

中国が経済発展したらやがてこの国は変わると楽観的に想像していた欧米は、中国がそんな国ではなく、この国を放置していたらむしろ自分たちの立場が危うくなるということに気付いたのだった。

そして、2010年代に入った頃から欧米企業は少しずつ中国から足抜けしていくことになる。ゴールドマン・サックスも、シティも、大手ヘッジファンドも、中国の大企業の保有株を全部売却して撤退するようになった。

日本企業も、2012年の反日暴動を見て中国という国の本質を知って足抜けしていくようになった。

もちろん、中国は約13億人の人口を抱える巨大な市場であるのも確かなので、こうした人口が消費する金を狙って依然として中国に入り込む企業もまだ存在する。

日本でも伊藤忠のような商社が中国に取り込まれて、前のめりに中国に入り込んでいる。しかし、全体を見ると日本企業はすでに2012年の反日暴動以後、静かに中国から足抜けしており、その流れは今も止まっていない。

中国は賃金も上昇し、中国共産党による支配もほころびが見えるようになり、経済成長も鈍化し、もうグローバル経済から見ると魅力的な国でも何でもなくなっている。

2015年からは株式バブルも崩壊して、中国経済の鈍化は2016年に入ってからますます鮮明化している。

こうした中国の苦境を見て、ジョージ・ソロスとその仲間のヘッジファンドは中国経済の崩壊、人民元相場の大幅下落に賭けるようになっている。

外貨準備を取り崩して人民元を必死で支えている中国政府は激しい言葉でソロスを含むヘッジファンドを攻撃している。しかし、中国経済はすでに限界が来ており、ソロスが何もしなくても崩落の危険は常にある。

中国という成長エンジンの「次」は何が来るのか?


欧米は中国をグローバル経済に組み込み、十数億人の人口を消費者として浮上させることで多国籍企業を成長させる戦略を立てていた。

こうした戦略は中国政府の独裁化と傲慢化で頓挫しつつあり、アメリカもまた中国を見捨てるようになった。

中国はまだ自分たちが世界の覇権を取れると思ってAIIBや軍拡でアメリカと張り合っており、いかにも中国がアメリカと肩を並べたかのような情報操作を世界中でしている。

しかし、中国は政治的にも経済的にも、足元から崩れ落ちようとしているのが現在の姿であり、もうグローバル経済にとって中国は「どうでもいい」存在と化している。

中国はすでに「終わった国」であり、誰も中国に期待していない。これからの中国は世界で最も貧しい国に逆戻りしていく。中国の将来は中国人ですら信じていない。

だから、ヒラリー・クリントンでさえ「20年後は中国は世界でもっとも貧しい国になる」と2012年にハーバード大学で発言している。

しかし、問題はグローバル経済が中国という「成長エンジン」を見失って停滞に入ってしまうことである。グローバル経済は常に成長を求めており、今のままではグローバル経済は頓挫し、全世界が大恐慌に転がり落ちていく。

この世を支配しているのは多国籍企業であり、多国籍企業は常に自分自身の内部留保と株主の利益のために成長を欲している。多国籍企業は、成長がなければ死んでしまう生き物だ。

そのため、中国という成長エンジンが使い物にならないのであれば、次の中国に変わる成長エンジンが早急に必要なのだ。

そこで、欧米を支配する多国籍企業が「次」の成長エンジンとして早急に準備しているのがインドである。今後、中国を見捨てた欧米のエスタブリッシュメントは、インドを経済大国に仕立て上げるために総力をかけることになる。

インドはそれなりの経済発展が「これから起きる」


実はインドも一筋縄ではいかない国だ。インドは複雑で混沌として官僚主義で根強い差別が残っている。貧困層の貧困はすさまじく劣悪で、その劣悪さは先進国の人間の想像を超えるところもある。

しかし、その一方でインドの立場は今、大きく変わっていこうとしている。中国を見捨てた欧米のエスタブリッシュメントや多国籍企業はインドに照準を当てて、怒濤の勢いでインドに投資を始めている。

2016年5月にモディ首相とイギリスのウィリアム王子が固い握手を交わして、ウィリアム王子の手にくっきりとモディ首相の手の痕が付いたのが話題になった。欧米とインドは経済的にも固い握手を交わしたのだ。

欧米はモディ政権を支え、「メイク・イン・インディア(インドのモノ作り)」を提唱させて、モディ首相に外資を呼び込みやすい環境を整備させている。

インドの弱点は、インフラがあまりにも脆弱であることや、官僚主義が蔓延して物事が前に進まないことである。これを欧米はモディ政権の剛腕で解決しようとしている。モディ政権はそれに応えた。

GM(ゼネラルモーターズ)もフォードもインドに工場を移転させている。

そして最近では、グーグルがインド事業を拡大させ、アップルCEOがモディ首相と面会して開発拠点を設けることを約束し、アマゾンがインドに30億ドルを投資して「ウェブ・サービス・クラウド・リージョン」を開設することを発表した。

これはすべて2016年に入ってから起きている明確で止めることのない変化である。いよいよ、欧米はインドを「次の成長エンジン」とすることに本腰になっているのだ。

時代は変わった。

インドは多くの問題を抱える国であり、その成長も一筋縄ではいかない部分もある。

しかし、欧米が中国を見捨てて次の成長エンジンを必要としており、インドに照準が当たった以上、インドはそれなりの経済発展が「これから起きる」と見ていい。

グローバル経済の「次」はインドが担う確率が高くなっている。日本人はインドをよく知るべき時期に来ている。



話題になったモディ首相とウィリアム王子の固い握手。欧米が中国を見捨てて次の成長エンジンを必要としている。インドに照準が当たった以上、インドはそれなりの経済発展が「これから起きる」と見ていい。


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