2016-06-05

格差社会をひっくり返す革命が現実的でないなら何をすべきか


2016年5月17日に総務省は「2015年家計調査」を発表しているのだが、「2人以上の世帯の平均貯蓄残高が1805万円で過去最高となった」とあって物議を醸した。

物議を醸した原因は2つある。

1つは、これだけ日本は「貧困層が増えた」と言われており、確かにまわりを見ても貧困家庭が増えているのに、誤差の範囲とは言え前年比0.4%増になっていることだ。

もう1つは、1805万円という額が「平均」であることに、現実味がないことだ。日本人の「ほとんど」は1805万円という貯金を持っていないのに、それが平均になっている。あまりにも平均貯蓄額が高すぎるのである。

この平均貯蓄残高を100万円単位で区分けしたグラフで見てみると、日本人の中で最も多い階級は実は100万円未満である。この層が全階級の中で飛び抜けており、11.1%に達している。

世帯人口から見ると貯蓄残高の低い階級が圧倒的に多く、全年齢の3分の2は平均を下回っていることが分かっている。

これが意味するのは「一部の富裕層の貯蓄が増えた結果、平均値が押し上げられた」ということである。


「格差が過去最高になった」という言い方が正しい


9人の貯金が100万円。1人の貯金が1億円だとする。すると合計で1億900万円となる。これを人数分の10人で割って平均値を出すといくらになるのか。

109,000,000 ÷ 10 = 10,900,000

平均値は「1090万円」である。では、この「1090万円」という数字に何か意味があるだろうか。

100万円しか持っていない9人にとって、平均貯蓄残高「1090万円」という数字は現実離れしている。自分の持っている実際の金額の10倍以上なのだから当然だ。

この平均貯蓄残高を押し上げている1億円の人から見ても、1090万円という数字は意味がない。自分の実際の貯金の10分の1でしかないからだ。

つまり一部に超富裕層が存在すると、その存在が異常値となって「平均貯蓄残高」という概念はまったく何の意味もない数字になる。

すべての人間にとって、それは実感を表さない数字になって意味を喪失するのである。総務省の出してきた「平均貯蓄残高が1805万円」はまさにそんな数字のひとつだ。

ここから考えなければならないのは、日本もまた凄まじい格差社会へと変貌し、持つ者と持たざる者の乖離はいよいよ広がったということだ。

1割強が100万円未満で、全体の約3分の2が平均を下回っているのだから、これは日本が豊かになっているという証(あかし)ではなく、貧富の差が拡大していることを意味するのだ。

つまり、総務省は「平均貯蓄残高が過去最高になった」というのではなく、「格差が過去最高になった」という言い方をしなければならなかった。

そうすれば誰もが納得する。持たざる貧困層は「富裕層が平均貯蓄残高を引き上げた」と実感できるし、富裕層も自分たちの貯蓄より低い平均貯蓄残高を見て、「貧困層が平均貯蓄残高を下げている」と実感できる。

では、この格差は解消できるのだろうか。社会はどちらの方向に向かっているのか。



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