2016-06-04

天安門事件。中国政府は、また戦車で人民を踏み潰すのか?


中国は成長鈍化、不動産バブル崩壊懸念、言論封殺、さらには国内の格差拡大、テロ事件と暴動の多発、大規模汚職、水質汚染、大気汚染と、次から次へと大きな問題が起きて収まることがない。

これによって、政府に対する不満も沸騰しているのだが、習近平は打つ手がないので、ひとまず日本を敵性国家に仕立て上げて、人民の不満をすべて日本にそらしている。

しかし、それでも吹き上がる社会不安を収めることには成功していない。そこで中国政府が必死に行っているのが、「言論統制」である。

中国の言論統制は、今や新聞社のみならず、一般市民にも及んでいる。最近も政府批判を繰り返していた人々のブログや短文投稿サイトのアカウントを強制閉鎖するという挙に出ている。

反政府的な発言をしたらすぐに削除される。

しかし、それでも政府の監視を運動家がくぐり抜けているが、看破できないと見なされた活動家は有無を言わせない強引な逮捕が待っている。

中国政府が敵だと認識したら、香港の書店経営者だろうが、中国有数の資産家だろうが、みんな逮捕されるのである。


香港からは民主主義が消されていこうとしている


27年前の今日、1989年6月4日は「天安門事件」が起きた日である。正確には「六四天安門事件」と呼ばれる中国政府による人民虐殺事件である。

人権派の煽動が人民の不満と結びついたら、中国が再び動乱に落ちてしまう。そんな危機感が中国共産党にみなぎっており、インターネットでの摘発もことさら厳しくなっている。

中国本土では天安門事件に関するデモを仕掛けるのは生死に関わる問題となるので行われていないのだが、香港では数千人の市民によるデモ行進が行われている。

香港が中国に返還されたのは、1997年7月1日である。それ以降、香港は長らく中国とは別の「一国二制度」という自由な気風と言論が認められていたが、今やその制度も形骸化し、香港も中国化しつつある。

2014年にはこうした中国の圧力に不満を持った若者たちが「雨傘革命」という大規模デモを起こし、これが香港全土を巻き込んで膨れ上がっていった事件もあった。

しかし、暴力と内紛と中国の工作で「雨傘革命」が空中分解すると、香港人の間で急速に「強大な中国相手に何をしても無駄だ」という、あきらめと冷めたムードが広がっていった。

その結果、香港からは民主主義が消されていこうとしている。

最近では中国共産党や習近平を批判する書物を売っていた書店経営者が次々と拉致されるという事件も起きているのだが、これも中国政府の露骨な言論統制であるのは明白だ。

香港人は今も中国政府による締め付けに、心理的に抵抗を見せているのだが、最終的には中国政府は香港を飲み込み、本土化してしまうと言われている。

香港人は最後の最後までこの流れに抵抗するだろう。しかし、香港の未来を悲観する人も多くなった。

中国政府がまずいと思った言葉は、次々と遮断


中国では、「天安門事件」という言葉は一切検索できないようになっている。この事件は、中国のタブー中のタブーなのである。タブーに関しては中国では徹底的に隠蔽される。

2011年から起きた中東の混乱の最中では、中国に民衆暴動が広がらないようにするために「エジプト、ムバラク、ジャスミン」等の言葉も検索できないようになっていた。

これからも、中国政府がまずいと思った言葉は、次々と遮断されていくことになるはずだ。

しかし、大量の情報がインターネットを介してなだれ込む「情報化」の時代に、いつまでも情報統制が続けられるわけがない。いずれ中国政府のやっていることは破綻する。

小さな小川のせせらぎであっても、それが寄り集まると大河になっていく。いったん情報統制に失敗すると、中国国内に吹き荒れている政府への不満は巨大な嵐となって中国政府に向かっていくことになる。

中国は暴動が続発する国だ。今は情報統制で暴動を抑え込んでいるが、それに失敗すると政府は状況をコントロールすることができなくなる。

だから、過剰防衛だと言われても中国政府は必死になってこういったものを抑えこむ。

政府批判が大規模デモとなって吹き荒れたら「国そのものが自壊する」ということを誰よりも知っているのが中国政府であり、習近平である。

もちろん、中国は徐々に豊かになっており、今の政治体制に不満を持つ者よりも、中立の者のほうが増えている。つまり、全市民を巻き込んだ大規模な反政府運動はなかなか起こりにくい環境にある。

しかし、2015年には上海の株式バブルも崩壊し、中国では明確に経済成長が止まって失業者が吹き荒れる時代になっている。中国の夢が悪夢に変わったと人民が確信したら、今は小康状態の中国で再び第二の天安門事件が起きてもおかしくない。

だから中国政府は必死なのだ。

いったん火が付いたら、それはもう止まらない


チュニジアではひとりの青年の焼身自殺をきっかけにして2011年に民主化革命が始まって独裁政権が崩壊していった。

中国では、どうなのだろうか。

焼身自殺と言えば、中国では政府への不満から土地の立退きまで焼身自殺の嵐である。自分を燃やすというのは、実は中国では珍しい抗議ではない。

中国では不満があれば「燃やす」のが基本である。だから暴動が起きれば燃えるし、社会に不満があればバスに火炎瓶を投げ込んで他人を燃やしたりする。

今後、人民の怒りが充満していくと、誰かが燃えてチュニジアのような暴動が起きてもおかしくない。その「怒り」が人民の共感を得ると、あとは一気呵成に騒乱まで結びつく可能性がある。

だからこそ、中国は1989年6月4日の「天安門事件」を情報統制し、この事件をタブー化し「なかったこと」にしている。共産党の指導者たちは恐れているのである。

中国は人口が多い国だ。彼らが一斉蜂起したら中国共産党と言えども一気に体制崩壊の危機にまで追い込まれる。

最初は小さな反政府運動だったとしても、それがチベット・ウイグル独立派と結託して、同時期に大規模な暴動を起こすとどうなるだろうか。

あるいは、地方官僚の大規模な汚職に怒っている人民が、SNSによって全人民とリンクしたらどうなるのか。

火がつけば広範囲に燃えていく。いったん火が付いたらそれは止まらない。だから、わずかな可能性であっても、中国政府はその暴動の芽をつぶしておくしかない。

しかし、物事には限界というものがある。中国共産党は今、経済的にも政治的にも、どんどん追い込まれている。

成長鈍化、不動産バブル崩壊懸念、言論封殺、格差拡大、テロ事件と暴動の多発、大規模汚職、水質汚染、大気汚染……。何が中国を殺すのだろうか。

いずれ中国では第二の天安門事件が起きるだろう。そのとき、中国政府はまた戦車で人民を踏み潰すのだろうか。



いずれ中国では第二の天安門事件が起きるだろう。そのとき、中国政府はまた戦車で人民を踏み潰すのだろうか。


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