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2016-06-25

少子高齢化の時代、高齢者の万引きが増えていく社会の裏側


日本で検挙される犯罪者のうち、過去20年で5倍に増えているのは「高齢者」による犯罪だ。日本では高齢者と言えば普通は65歳以上の人たちを指す。

これらの人たちは「オレオレ詐欺」や「訪問詐欺」の犠牲者になることが多く、世間一般では犯罪の被害者になりやすい立場にあるという認識である。

それはそれで間違っていないのだが、その一方で高齢者たちは犯罪の加害者にもなっており、それが過去20年で5倍に増えているというのである。

2013年のデータによると、この年に刑務所に入所した高齢者は2228人であり、これは全体の約10%にもなる人数だ。分かりやすく言うと、刑務所に放り込まれる人の10人に1人は65歳以上の高齢者なのである。

彼らはいったい何の犯罪を犯しているのか。

それは主に窃盗や暴行なのだが、その中でも最も切実で多いのが窃盗である。窃盗という言い方よりも「万引き」という言い方の方が分かりやすいかもしれない。

高齢者は今や万引きの常習犯となっており、特にスーパーでは高齢者による万引きが恒常的に起きており、頭を悩ます問題となっているという。


2005年以降、犯罪の現場では何が起きていたのか?


窃盗(万引き)に関しては、20歳未満の検挙者は実は1998年以降は一環して減少傾向にある。1998年頃は窃盗で検挙された人間の50%は20歳未満の人間が引き起こしたものだった。

ところが現在はこれが24%にまで減少しているので、若年層による窃盗はかつての半分ほどになったということだ。

それと入れ替わるように毎年一貫して増えているのは、65歳以上の高齢者による窃盗(万引き)である。

これを憂慮した法務省は、平成26年版犯罪白書で「窃盗事犯者と再犯」という項目を立てて、高齢者による窃盗事犯について警鐘を鳴らすところにまで来た。

ここで特に憂慮されているのは窃盗犯の女子比率が4割から5割で推移していることだ。平成26年版犯罪白書にはこのような一文がある。

「万引きの検挙人員は、総数では、平成14年までは検挙人員の 4割台から5割台を少年が占めていたが、17年からは検挙人員の4割台から5割台を50歳以上の者が占めており、高齢者の占める割合は、25年は6年の約3.7倍であった。とりわけ女子の検挙人員に占める高齢者の割合は、6年には8.9%であったが、25年は37.8%を占め、6年に比べ約4倍に上昇した」

この文章は「2005年以降、50代以上の高齢者による万引きがどんどん増えている」というのと「女性が検挙される割合が1994年から比べて4倍も増えている」という2点が現在の万引きの特徴であることを示している。

2005年と言えば、若年層が非正規雇用で使い捨てされるのが顕著になって格差問題が大きくクローズアップされていた時代である。つまり、若年層の苦境が大きな話題だった。

しかし、犯罪の現場から見ると、若年層よりもむしろ50代以上の年齢層、とくに「50代以上の女性」が万引きをしなければならないほど社会的に追い詰められていた姿が垣間見える。

それが現在も続いているのである。

このままでは極端な少子高齢化で社会崩壊していく


日本では人口における高齢層がどんどん増えている。2015年は総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は26.8%となっているので、4人に1人は高齢者となっている。

この割合は今後さらに拡大していき、そう遠くない将来に3人に1人が高齢者の時代がやって来る。そして今のまま推移していくと、2025年には人口の10%は80歳以上になるのだ。

80歳の高齢者と言えばその多くが要介護であり、後は年金をもらいながら静かに生きていくしかない年齢層だ。

年金で食べていけないのであれば、彼らは生活保護受給者となり、それは死ぬまで永遠に続く。10年以内に日本はそのような人口動態になる。

にも関わらず、少子化も加速している。

このままでは日本が極端な少子高齢化で社会崩壊していくのは目に見えている。少子高齢化の放置は日本社会を間違いなく崩壊させる元凶となるわけで、もはや一刻の猶予もない。

年金制度は破綻しないと言われているが、社会が少子高齢化で破綻していくのだから、年金制度だけ破綻しないと考えるのは滑稽だ。

すでに年金では生活できないから、生活保護受給者がうなぎ登りとなって財源を圧迫するようになり、窓口で追い返される人たちが問題になっているのだ。

そんな中で、高齢の単身者も増えており、家族の助けもなく、身よりもいない単身女性が孤立し、経済的にも精神的にも社会から見捨てられたような状況になっているのだ。

そして、高齢の女性たちが生活苦や孤独の中で万引きに走っているのである。それが犯罪白書の統計にも顕著に表れるような現象となっている。

ちなみに侵入窃盗は高齢者はあまり関わっていないのだが、こちらの方はホームレスや失業者等の「無職者」が圧倒的に多く、これはこれで社会の闇を示している。

万引きが見つかっても高齢者が癒される理由とは?


高齢者が増えれば増えるほど財源は圧迫されていく。そうなれば、政府は年金や社会福祉を削減する方向に動く。すでに社会福祉は薄く、細かく削減されるようになっている。

年金制度は破綻しないと言われているが、プールしている金額が減れば制度は破綻しなくても、もらえる金額は減っていくわけでそれで生活できるかどうかは保障されていない。

さらにインフレが発生していくと、現金の価値が減少するのだから、それもまた事実上年金が削減されたも同然になる。

政府が財源の減少に焦燥を感じて消費税の税率を上げるようなことをすると、ますます消費は減る。

こうした負のスパイラルの中で、現在の日本社会は毎年のように萎縮している。

そのため、ますます「暮らしにくい」生活になっているのだが、これを打破するような社会的変化は今は起きていない。

いずれ、社会福祉の崩壊が顕著になって大きな動きが起きるのは避けられないが、現在の資本主義のあり方は「弱者切り捨て」なので、高齢者層の困窮はさらに極まっていくだろう。

そうした高齢者の一部が万引きにのめり込んで行くのだ。

万引きが発覚して輔導された高齢女性は、最初こそ泣いて詫びるのだが、その後も同じスーパーで何度も万引きをするケースが多いと言われている。

万引きして見つからなければそれは自分の利益になる。もし見つかったら、普段は孤独で誰からも相手にされない自分を大勢の人が関わって自分を相手にしてくれる。それで寂しさが癒やされる。

そのため、万引きが見つかっても見つからなくても高齢者は「嬉しい」という気持ちになるようだ。実は再犯率が多いのも万引き事犯の特徴でもある。

スーパーで商品を万引きする高齢者層の増加、特に女性高齢者の増加は、社会の歪みでもある。



万引きして見つからなければそれは自分の利益になる。もし見つかったら、普段は孤独で誰からも相手にされない自分を大勢の人が関わって自分を相手にしてくれる。それで寂しさが癒やされる。

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