2016-05-04

アメリカのIT企業は、むしろ今よりもさらに巨大化する


アメリカのハイテク業界に大きな構造変化が起きている。

アップル、マイクロソフト、グーグル、アマゾン等の企業が次のステップに向けてゆっくりと構造を変えていこうとしている動きが鮮明になってきているのだ。

すでに時代はクラウドに邁進しており、マイクロソフトとアマゾンはクラウドで収益を稼ぐスタイルになっている。

アマゾンはクラウドで覇権を取った企業ですでに大きな収益をクラウドで得ている。

しかし、グーグルやマイクロソフトが後を追っており、この分野がますます熾烈な競争分野となり、それに伴ってクラウドが各社の巨大なドル箱になっていくのは確実視されている。

気が付かなければならないのは、クラウドという巨大な分野で熾烈な争いを繰り広げているのは、すべて「アメリカのIT企業」という現実だ。

世界は自由競争の時代なのだから、どこの国のどこの企業がクラウドに参戦してもいいのだが、そのスケール感や技術的なイノベーション(革新)では、アメリカのIT企業に太刀打ちできる他国の企業が存在しない。


米IT企業が終焉などと言っていると嘲笑される


つまり、これまでのパソコン時代が終わって次世代のクラウド時代がやってきたとしても、業界を支配しているのは、相変わらずアメリカの巨大IT企業であるということだ。

全世界のイノベーションは、今後もアメリカのハイテク企業が牽引し、さらに今後も15年から20年に渡ってリードしていくのは確実になっている。

他国のIT企業がアメリカのIT企業によるクラウド独占を阻止しようと思っても、あるいはビジネスモデルを真似しようと思っても、規模的にも技術的にも敵わないので追いつくことすらもできない。

せいぜい、ローカルを支配するのが精一杯で、それもスケールメリットが立たないので、やがてはアメリカのIT企業の攻勢に撤退や縮小を余儀なくされていくしかない。

現在のアメリカの大手IT企業の業績不振やそれに伴う株価低迷は、既存のビジネスから次のビジネスに向かう前の一時休止であるという見方が強い。これからさらに次世代のイノベーションを核にして飛躍がある。

つまり、アメリカのハイテク企業は成長が終焉するのではなく、むしろこれからも相変わらず凄まじいイノベーションを引き起こしながら成長していくということだ。

高く飛ぶためには腰をかがめてエネルギーを溜めるが、アメリカのIT企業の業績の停滞は、まさにこの「腰をかがめた状態」でしかなく、ここでアメリカのIT企業が終焉などと言っていると嘲笑されるのがオチだ。

終焉どころか、アメリカのハイテク企業が持つその潜在能力はまだ伸びる余地がかなりある。その長所の前では、一時的な業績の停滞や株価の下落は一時的現象で、何の意味もない。

もう終わったと思われているIBMでさえ、逆にクラウド化やITサービスをバネに復活するとも言われており、クラウドで出遅れたオラクルも巻き返しに出ている。

凄まじい潜在能力を秘めた業界であるのが分かる


クラウドの次もやって来ている。たとえば次世代は間違いなくAI(人工知能)の時代になるとも言われている。

グーグルは現在のCEOはインド人であるサンダー・ピチャイ氏だが、「今後はモバイル第一からAI第一に移行する」と宣言し、すでに検索に関しても内部でAIを利用していることを明かしている。

グーグルのAIに対する傾倒を印象付けて世間に衝撃を与えたのは傘下の企業ディープマインド社が開発した囲碁の人工知能「アルファ碁」だった。

囲碁は複雑な思考を要するゲームであり、人工知能が人間に勝つのはずっと先の話だと言われていた。しかし、2016年3月にはあっさりと世界のトッププロ棋士を打ち破った。

それもただ破ったのではなく、圧倒的な強さを見せつけてトップ棋士を寄せ付けなかった。人工知能が人間の能力を凌駕していることを人々は知った。

AIに関しては、すでに人々はその片鱗を、アップルの Siri(シリ)や、マイクロソフトの Cortana(コルタナ)や、グーグルのOK Google(オーケー・グーグル)で、自分のスマートフォンに話しかけて応答してもらう経験をしている。

いつしかゆっくりと人工知能が人々に浸透しつつある。

もう一度、ここに登場する企業を確認して欲しい。これらの企業もまたすべてアメリカのIT企業である。スマートフォンのOSも、クラウドも、人工知能も、みんなアメリカのハイテク企業が押さえていて、他を寄せ付けない。

さらに怒濤のごとく進んでいるロボット技術、電気自動車、無人運転、ウェアラブル機器、ドローンに関しても、アメリカのIT企業が飛び抜けているのが分かる。

こうした状況を冷静に確認すると、アメリカのIT企業が属するハイテク産業は、ただのブームではなく今後も世界を揺さぶる凄まじい潜在能力を秘めた業界であるのが分かるはずだ。

潜在的な能力は計り知れないものがある


アメリカのIT企業は、既存のITビジネスからさらに一歩先のイノベーションに向かっている。そのため、次世代の産業をリードするのは確実であると言われている。

ネット業界の成長は、ひとつのイノベーションが起きるとそれが全世界を独占するまで続き、それが一段落するとまた次のイノベーションが核になって、それが全世界を独占するまで成長が続いていく。

たとえば、業界を牽引していたスマートフォン分野では劇的な進化が止まった可能性も指摘されている。(なぜ長期投資家は革新的企業アップルに投資できないのか?

しかし、その「次」が何も見つからないのであればともかく、ハイテク業界の「次」はAI、ロボット、電気自動車、無人運転、ウェアラブル機器、ドローン……と目白押しなのだ。

そのため、パソコンやSNSやスマートフォンのような流行やひとつの大きな波が落ち着いても、それで終わりということにならない。終わりどころか、むしろ始まりであると捉えなければならない。

ただ、イノベーションの熾烈な競争の中では脱落する企業も現れるのも事実だ。

たとえば、1990年後半のITバブル期に名を馳せたヤフーなどは、検索技術の進化に出遅れて経営ミスも重なって窮地に追いやられており、数ヶ月以内にどこかの企業に身売りされる可能性が囁かれている。

あるいは時代を風靡したツイッターも社内が混乱したままユーザー数を減らしており、その凋落が止まらない。

しかし、ヤフーやツイッターが凋落したからと言って、ハイテク産業が凋落したと決めつけるのは、森で2本の木が枯れたから森が全滅すると考えるのと同じくらい奇妙な論理である。

アメリカのIT企業全体で見ると、その潜在的な能力は計り知れないものがあり、今後はまだ私たちが知らない企業が急激な勢いで巨大化していく可能性も秘めている。

「アメリカが終わる」と10年以上も前から言っている人や、「次の時代は中国だ」と未だに言っている人や、少しアメリカの株価が下がると「終焉だ、破滅だ」と言い出す人がいるが、彼らは現実が見えていない。

アメリカのイノベーションを生み出す能力は、まったく衰えていない。恐ろしいほどだ。



クラウドを構成する巨大サーバー群。アメリカのIT企業全体で見ると、その潜在的な能力は計り知れないものがあり、今後はまだ私たちが知らない企業が急激な勢いで巨大化していく可能性も秘めている。

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