2016-03-29

借金は多くの人を破綻させ、常識は多くの人を救ってきた


社会がじり貧になっていけば、必ず増えるのが借金問題だ。社会がじり貧になるということは、仕事が見付からないか、見つかっても賃金の安い仕事しかないことが多い。

それでも収入がゼロよりも悪い条件の方が金が入るだけマシなので誰もが我慢して悪い条件での仕事を選ぶのだが、そうするうちにどんどん生活に追い詰められ、借金に手を出す。

本来であれば、こうした生活苦の借金は自転車操業と化して、最後には返せなくなることが多いので、借金をしなければならなくなる前に手を打たなければならない。

しかし、借金というのはいきなり高額を借りて自滅するのではなく、最初は本当に数千円、数万円の小さなものから始まるので、気が付いたときは自分の限界値を超えて万事休すになってしまう。そんな人ばかりではないが、そんな人も多い。

借金にも、良い借金と悪い借金がある。

きちんと練られた事業計画の中で借金以上に収益が見込まれる場合や、入念に計算された無理のない範囲の住宅ローン等は良い借金と言える。きちんと返せる上に、それ以上の収益や資産が見込まれるからだ。

こうした借金はまったく悪いことではないし、むしろ事業拡大、資産拡大のためには有益な手段ですらある。借金は一概にすべてが悪いわけではない。


予期せぬ出来事が自分に襲いかかる確率も増える


もちろん、良い借金をしたつもりでも、どこかで計算が狂って、入るはずの収益が入らなかったり、無理のない住宅ローンだったはずがリストラや倒産や病気等で返済が滞ってしまうこともしばしばある。

たまに競売に出された物件を見ることもあるが、多くは持ち主に予期せぬ何かが起きて手放したような物件である。不幸に堕ちた人たちの叫びが聞こえてくるようだ。

世の中はいつも順調ではない分、予期しないことはいつでも起きる。

昨今は時代の移り変わりのスピードが早くなっており、老舗企業であっても倒産やリストラに見舞われることも多い。

巨大企業であっても愚かな経営者が何人も続くと、シャープや東芝のような悲惨なことになる。歴史があっても、図体がでかくても一瞬にして傾くのである。

そして、その過程で従業員の多くがリストラされ、減給される。

一流企業に勤めて終身雇用で将来は安泰だというのは、もう今の時代には成り立たない。そんな中では予期せぬ出来事が自分に襲いかかる確率も増える。

大手だけではない。個人事業や起業の多くは5年以内に80%は潰れると言われている。こうした組織体の多くは、蓋を開けてみれば借金地獄になっている。

逆に言えば、個人事業や起業を借金で興すのは、かなりリスクの高いギャンブルであるとも言える。事業のための借金は常に正当化されるのだが、それが良い借金であると思うのは過信であることが多い。

小さく始めて軌道に乗ってから拡大していくという方策が取れていないと、うまくいかなかったときに地獄を見る。

良い借金のつもりであっても、それが悪い借金に変質していく地獄のような事態もしばしばある。

知らない間に膨れ上がっていく「悪い借金」


しかし、消費者金融やカードローンから知らない間に膨れ上がっていく借金は、その多くは典型的な「悪い借金」だ。

こうした悪い借金は、昔は生活能力のない行き当たりばったりの人間だけが陥る地獄だったかもしれない。しかし今の世の中はまじめな人であっても、じわりじわりと悪い借金に蝕まれることが珍しくない。

シングルマザーが消費者金融の地獄に堕ちていくケースも多い。月末にほんの数千円が足りないことからキャッシングでそれを借りて、そこから本格的な借金の自転車操業が始まって転落していった女性も多い。

あるいは、独身の若い女性でも、何気なく借りたリボルビング払い(リボ払い)で、いつまで経っても借金返済が終わらず、むしろ手軽に使いすぎて永遠の借金地獄に陥る女性もいる。

通常、年収の3分の1を超えると、こうした消費型の借金は返せなくなることが多い。その後は金利もかさんで借金が雪だるま式に増えていく確率の方が高くなる。

まさに悪い借金である。

「悪い借金」は社会に出たばかりの若年層もすでに抱えていることも多い。「奨学金」という名の借金だ。

普通、奨学金と言えば優秀な貧しい学生に返さなくてもよい学費を与えるものを指す。しかし最近は様相が違っていて、単なる学生ローンを奨学金と言うようになっている。

それは全額、利子を付けて返さなければならないものである。現在の社会は学歴社会なので、誰もが学歴のためだけに大学に行く必要が出てきている。

大学生が卒業したら、その瞬間に数百万円もの借金を背負っている状態になっているのが普通になっている。(大学全入時代という言葉に洗脳され、奨学金で奴隷化される

借金はいつの時代も、多くの人を破綻させてきた


最近は、「借りたものが返せなければ踏み倒せばいい」「返せない借金を返そうとするのは馬鹿」という風潮があり、気軽に自己破産や任意整理や踏み倒しを口にする危険な人間も多くなった。

確かに自殺するくらいなら、自己破産や任意整理の方がはるかにマシだが、それはマシだというだけで社会的に問題がないとうわけではない。

信用情報機関というデータベースに、「自己破産をした」という記録が残り、クレジットカード作成、ローン、キャッシングも使えなくなる。

手持ちの現金、預貯金、株式、保険金、不動産、車も取られる。そして、一時的に就けない仕事も出てくれば、制限される資格も出てくる。

弁護士、税理士、警備員、建設業者、会社役員、保険外交員等の仕事には自己破産の処理が終わるまでは就いてはいけないことになっている。長期旅行も制限される。引っ越しも許可が必要になる。

そもそも借金をする場合は連帯保証人が必要なことも多いのだが、自己破産するときは連帯保証人を巻き添えにする。

本人は自己破産して喜んでいるのかもしれないが、連帯保証人は免除が成立しない。そこで本人ではなく、連帯保証人に取り立てが行くことになるのである。

つまり、家族や連帯保証人を受けてくれた最も親しい人に自分の借金の取り立てがいく。この時点で人間関係も信頼もズタズタになっているだろう。

「返せなければチャラにすればいい」という軽い発想は危険な発想であり、そう簡単にはいかないと思った方がいい。

一番いいのは最初から借りないことであり、借りる前によく考えることであり、借りた後もよく借金の状況を見張っておくことである。

「悪い借金はしない」という常識を持つべきであり、その常識を武器に生きるべきである。借金は常に多くの人を破綻させてきた。常識は多くの人を救ってきた。借金ではなく、常識を味方にして生きる方がずっと得策だ。



一番いいのは最初から借りないことであり、借りる前によく考えることであり、借りた後もよく借金の状況を見張っておくことである。

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