2016-03-27

イノベーションが生まれる余地のない絶望大国に投資するな


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かつて作家に邱永漢という人がいた。この人は作家であるにも関わらず、一時は「お金持ちの神様」と言われるほど資産運用に鋭い嗅覚を持って巨万の富を築いた希有な人だった。

頭の回転が猛烈に速く、行動力もある人だった。

この人は1990年代の日本の株式バブル崩壊以後、日本の混迷は長引き長い低迷に入ることを予見し、それ以後は中国に投資の矛先を変えて、自分が中国に投資するばかりでなく、多くの人々を中国市場に投資するように説得した人だった。

実は、1990年代から2000年代まで、中国に投資するというのは100%正しい方策だった。

なぜなら、中国はいよいよ「眠れる豚」から目覚め、共産主義を捨てて資本主義に移行していた最中であり、日本の1960年代頃の高度成長期に入っていたからだ。

高度成長期に入った国に投資すれば、だいたい何を買っても儲かるので、この時期に世界中の投資家が中国に進出していき、中国株は我が世の春を謳歌した。

ちょうどこの時期、アメリカのウォーレン・バフェットも中国にのめり込み、中国人寿保険(チャイナ・ライフ・インシュアランス)や、ペトロチャイナを保有するようになっていた。


彼らは中国から「膨大な利益」を手に入れて去った


ウォーレン・バフェットがペトロ・チャイナを購入したのは2003年4月のことであり、1ドル約1.70香港ドルで購入している。そして、これを2007年10月に約14香港ドルで売却している。

つまり、ウォーレン・バフェットはペトロチャイナに4年関わり、投資資金の8倍を手に入れて中国から去った。2007年はペトロチャイナの株がバブルに入り込んでいたので、売るのにちょうど良かった時期であったと言える。

それ以後、ウォーレン・バフェットは中国市場に傾倒することはなくなったが、それは中国がもう高度経済成長期が終わったのを見越してアメリカに回帰したからであると言われている。

折しも2008年にはアメリカのみならず、全世界を震撼させたリーマン・ショックが引き起こされた。

ウォーレン・バフェットはこの時期にアメリカの投資企業各社、あるいはGEに資金を貸し付けて年10%の配当を受け取る優先株を手に入れており、その資金運用の確かさは目を見張るものがあった。

ウォール街の雄であるゴールドマン・サックスや、アメリカの金融大手バンク・オブ・アメリカも、2000年代は中国工商銀行や中国建設銀行に投資していたが、この両者も2013年に中国の銀行株をすべて手放して事実上、中国からの撤退を完了させている。

つまり、アメリカの巨大な投資プレイヤーの多くは中国の高度成長でがっぽりと甘い汁を吸って、2013年までに撤退した。今はもう用済みとなったので、中国に関心を失っている。

彼らは中国から「膨大な利益」を手に入れて、今はアメリカに回帰している。彼らは中国をおだてて利用し、用済みになったら何事もなくアメリカに資金を戻して、そのポケットは中国から得た金でパンパンに膨らんでいる。

さらにアコギなのはジョージ・ソロスであり、自分もさんざん中国で儲けておきながら、中国が駄目になると見ると今度は中国売りで儲けようとしている。このあたりがハゲタカと言われる所以だろう。

間抜けなのは2013年以降もまだ「中国の時代」だと言っている日本人のジャーナリストや投資家である。時代が変わったのに気付かず、完全に見捨てられて2015年6月以降のバブル崩壊に飲み込まれた。

中国投資に邁進していた邱永漢は2012年に死去しているのだが、死の直前に「これから中国は大変なことになる」と中国の終わりを予見していた発言をしていたという。



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