2016-03-01

景気が悪化している最中に消費税を上げるという自殺行為


日本でバブルが崩壊したのは1990年からだ。しかし、1991年のチャートを見ると、興味深いことが分かる。大幅下落を打ち消すように、株価は上昇機運に入っていたのだ。

1992年になると再び暴落の中に落ちていくのだが、1991年の上昇は何を意味していたのだろうか。それは、バブルが崩壊しても、しばらくは「崩壊した」と認めなかった人も多かったということだ。

つまり「これは一時的な踊り場で、すぐにまた右肩上がりになる」と勘違いした人が多かったのである。

だから、バブルが崩壊しても、しばらくは惰性で社会がバブル時代のように振る舞う。夢から醒めるのは一瞬ではない。1985年から続いたバブルに踊った人は、「日本は強い。また戻る」と信じていたのだ。

しかし、数年経って地価も株式市場も戻るどころか半値以下に落ちても止まらないのを見て、やっと強気派は自分たちがハシゴを外されたことに気がつく。

多くの強気派は莫大な借金をして土地転がしをしていたから、買ったときよりも地価が下がると、それですべてを失って死んでいった。


どん底に落ちていった日本経済の動きが再現される


バブルが崩壊し、何もかも耐えきれずに全面降伏が起きたのが1994年あたりである。「自殺」の急増も、そこから始まっている。

「自殺者の急増はバブル崩壊後、急速に景気が悪化した時期と重なっている。当時、雇用状況の悪化に伴ってリストラなどで失業者が増加した」

この当時の経済状況を振り返ると、いつもこのような解説が文頭で解説されているが、そこでよく考えてほしい。

・急速に景気が悪化。
・雇用状況の悪化。
・リストラの増加。

これはまさに「今」起きていることである。1990年代のどん底に落ちていった日本経済の動きとまったく同じ要因が、2016年の今、目の前で再現されつつあるのである。

景気は良くなったと喧伝されることもあるが、2014年4月から2015年11月までそのほとんどの月で消費は前年比マイナスが続いていた。この間の消費の悪化は2年間で8%にもなる。

2014年4月に何があったのかというと、言うまでもなく消費税3%アップである。この月から消費税は8%になっていったのだ。そして、2年間で消費は8%悪化している。

アベノミクスは景気浮揚を狙って様々な施策を行った政策であったはずなのに、それをすべて打ち消すかのように消費税をアップするのだから、「いったい何を考えているのだ?」と誰もが激怒した。

ところが、消費増税はこれにとどまらず、2017年4月にはさらに2%アップされて10%になる方向で政府も財務省も動いているのである。

実は景気が悪化している最中に消費税を上げるという自殺行為は今回が初めてではない。

消費税が上がれば、消費がダイレクトに減退する


景気が破滅的に悪くなって自殺者が急増した1995年以降、時の橋本龍太郎政権は何をしていたのか。なんと、景気が悪くなっているその最中に、消費税をアップさせていた。

1997年の頃の話だ。そして、その結果どうなったのか。

この頃から自殺者が急増して、1年間で3万人が自殺する自殺大国となり、その3万人の自殺が14年連続高止まりすることになった。

消費税が3%から5%になったというのは、普通の人であれば大した話ではなかったのかもしれない。しかし、現実には社会が収縮して巡り巡って人々に悪影響を与えていたのだ。

消費税が上がれば、消費がダイレクトに減退する。

すると企業がコストダウンの必要性に迫られて、結果的に人件費を減らす。正社員を非正規雇用者に置き換え、給料削減やリストラに走る。

物価も上がる。仕事は見つからない。そして給料は下がる。

節約しながらつつましく生きている人たちには、それが死活問題となっていく。だから、日本経済は低迷し、自殺者も増え、どん底に落ちていったのである。

愚かなことに不景気の最中に消費税を上げるという悪例を安倍政権は2014年4月に繰り返し、さらに2017年4月にも再度消費税をアップしようとしている。

日本経済を復活させたいのか、それとも凋落させたいのか、どちらなのか分からないが、このままいくと1990年代の再来となり、日本の成長率はさらに低下していくことになる。

2016年は日本経済だけでなく、中国をはじめとする新興国の経済悪化、ユーロ諸国の経済悪化も重なっているので、よりひどい結果になっても不思議ではない。

アベノミクスは消費税を引き下げることで復活できる


この後に及んで消費税を10%に引き上げるというのは、日本経済の首を絞めるのも同様である。

ただ、安倍政権も消費税を8%にしたことによってアベノミクスが頓挫しそうになっているという認識は持っており、現在の政界経済の情勢悪化を見て、消費税10%の見送りを検討するようなニュアンスになっている。

2016年2月24日の衆院財務金融委員会でも、「来年4月に予定する消費税率10%への引き上げについて、世界経済の大幅な収縮が起きれば中止する政治判断もあり得る」と認識を示しているようだ。

しかし、本当のことを言えば、世界経済の大幅な収縮が起きても起こらなくても消費税は延期すべきであり、さらに言えば現在の8%も段階的に5%、3%と下げていくべきだ。

それによって日本の落ち込んだ消費は復活し、消費増税で落ち込んだ税収も戻ってくる。アベノミクスは消費税を引き下げることで復活できると言っても過言ではない。

バブル以後の日本の失敗を巻き返すことができる。

ただし、現実的には消費税が引き下げられる確率はかなり低く、むしろ将来的には引き上げられる確率の方が高い。そのため、日本経済は相変わらずじり貧から抜け出せない方向で考えていかなければならない。

今のままでは経済は良くならないし、むしろどんどん悪化する。おまけに日本は売国する政治家やマスコミに蝕まれており、政府は機能不全になりやすい。

2016年に入ってから世界経済が激しく動揺しているのと同じく、日本もまた非常に苦しい戦いになる。

そんな中で、私たちはサバイバルしていかなければならないということだ。



安倍政権も消費税を8%にしたことによってアベノミクスが頓挫しそうになっているという認識は持っており、現在の政界経済の情勢悪化を見て、消費税10%の見送りを検討するようなニュアンスになっている。

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