2016-01-23

「住宅は資産」という幻想で誰があなたをカモにするのか?


リストラが当たり前の時代になったら、買ってはいけないものの筆頭は「自宅」となる。その理由は簡単だ。35年に及ぶ長期ローンで住宅を手に入れても、リストラされた瞬間に収入が消えて苦境に落ちるからである。

長期ローンというのは、「莫大な借金」だ。住宅という何ら利益を生まないモノのために凄まじい借金を抱えて、自分の労働で返さなければならない。

もう終身雇用の時代でもないのに長期ローンを組むというのは、あまりにも安易であり、無謀だ。

今は、一流企業だろうが名門企業だろうが、あっと言う間に経営が傾き、数千人もの社員を一気にリストラする時代になっている。

パナソニックやソニーのリストラは落ち着いたが、東芝やシャープは今も苦境にもがき、かつては「一流企業の正社員」だった人が、ただの仕事のない人になっていく。

どれだけ年収があっても、住宅ローンを抱えていたらリストラされた瞬間に苦境に落ちる。あるいは企業の業績が下がって給料が半減することもあるが、だからと言って住宅ローンは半減してくれない。

返さなければならないローンが重くのしかかって来る。


莫大な金を貢いでくれる「カモ」が必要な世の中


この時代、まだ「自宅は資産になる」と思っている人もいる。しかし日本はとっくに少子高齢化の時代に入っており、1年で20万人もの人口が消えていく国となっている。

地方から人が消え去って、不動産の価値が急激に減少している。資産価値の上昇は、基本的に東京や大阪のような都市部の、そのまた「一部の地域」のみしかない。

それなのに、新規マンションや住宅は次々と供給されるわけだから、少子化と供給過剰で資産価値が上昇するどころか、むしろ下落する確率の方が高い。

つまり、資産のつもりで住宅を買っても、それは数十年後になると価値が今よりも下がっているということを意味している。

不動産価格や住宅が右肩上がりな時代は、バブル期でとっくの昔に崩壊したのだ。

長期ローンを抱えても途中で売れば金になるという時代ではない。買ったその瞬間がピークで、いつ売っても住宅ローンだけしか残らないような悲惨な状態になる。

それなのに「住宅は資産」「家賃を払うのと同じ」と、社会がよってたかって国民(つまり、あなた)に長期ローンを組ませたがるのは一体なぜなのか。

「住宅は資産」という幻想で、誰があなたをカモにするのか。それは不動産業者や建設会社であり、固定資産税を取る国や自治体であり、長期ローンで金利を取る銀行である。

彼らは、あなたが長期ローンで借金をしてくれれば儲かるようになっている。

ほとんどの住宅はもう資産にならないのに、未だにそれが資産のように見せかけているのは、その方が彼らにとって都合が良いからである。だから、幻想と錯覚が長く続けばいいと彼らは考えている。

国家・自治体・銀行・不動産業者・建設会社が存続するためには、莫大な金を貢いでくれる「カモ」が必要だ。だから、「住宅は資産」というとっくに崩れた幻想が、今もそのまま続いているように見せかけられているのである。

カモが破綻したらどうするのか。別にどうもしない。銀行はカモが破綻したら、それをすべて取り上げればいいだけだ。実際、長期ローンが払えなくなって、銀行に自宅を取り上げられた例など捨てるほどある。

取り上げられるのだから、自分の物だと思ったものは、本当は自分のものではなかったということだ。

30年も経てば老朽化して、資産価値は大きく下落


新築マンションを買っても、それが35年後に資産として残っていると考える方がどうかしている。マンションというのは30年も経てば老朽化して資産価値はぐっと落ちている。

ローンが終わった後、老朽化したマンションを売ろうと思っても、誰がそんなものを買ってくれるのだろうか。

かつて、文化住宅や団地というのは最先端の住宅として喧伝されていたものだが、今ごろ文化住宅や団地に入りたいと思うような人間はほとんどいない。古くさく、汚く、イメージが悪く、安っぽく、資産価値などほとんど見出せないからだ。

老朽化したマンションも、30年も40年も経つと、見るからに古びて時代遅れになっている。

ところどころ外壁はひび割れていたり、共同部分が壊れていたり、廊下も薄暗くて真っ暗だったり、水回りもカビだらけになっていたり、異臭が漂っていたりする。

そういったマンションでは住民もまた高齢化していて、建て替えようにも建て替え費用が捻出できずにスラム化していくマンションもある。

マンションを買っても様々な費用がかかる。管理費、修繕積立金、修繕費、保険料、固定資産税……。

こうしたものが払えずに揉めている人も多い。年金暮らしのひとり暮らしの高齢者が多いマンションになればなるほど、悲惨な状況になる。

郊外に行けばいくほど、そして地方に行けば行くほど、幽霊が出そうなマンションがあちこちに点在しており、放置されるがままになっている。

35年後、自分が買ったマンションがそんな風体になっていたら、果たして売却は可能だろうか。

東京・大阪の首都圏に住んでいる人間は往々にしてそのような状況が分からないが、時間をかけて地方を回れば何が起きているのか分かる。

郊外や地方の惨状は凄まじいものになっている。

住宅として不動産を買うというのは成り立たない


最近は三井不動産レジデンシャルの販売していたマンションが傾いていた問題が発覚している。このような欠陥マンションは、日本中に点在していると言われている。

大手なら安心だというのは幻想だったのだ。

三井不動産の欠陥マンションが突きつけたのは、今は大手から中小までがコストを削減するために、目に見えない部分、あるいは素人に分からない部分で手抜きをしているという事実なのである。

また、住宅メーカーの販売する建売住宅でも合板を多用した安普請の作りで、10年も経てばボロボロになるようなものを高い価格で販売している。

素人に分からない部分で手抜きが為された住宅が粗製濫造されている。もちろん、すべてがそうではない。中には素晴らしい住宅もある。

しかし、どれが素晴らしい住宅でどれが欠陥住宅なのかは、素人には見分けが付かない。それを長期ローンで買うということ自体が恐ろしいことである。あまりにも目に見えない落とし穴が多すぎるのである。

しかも、失敗したと思っても売却したらローンだけが残るのであれば、そのまま住み続けるしか選択肢はない。

日本がこれから人口がどんどん増えて、社会が活性化し、国も成長していくのであれば、土地を買っておけば将来的な上昇が見込まれ、住宅を買っても売却で利益を出せる。

しかし、日本はもうそのような社会ではない。

ますます人口が減り、高齢者だけが増え、若年層が貧困に堕ちていく凄まじい社会が出現したのだ。

まるで朽ちて行くような社会の中で、20年後、30年後に住宅が高値で売却できると思うのは、あまりに楽観的過ぎる。

もう土地神話が成り立たない以上、住宅を資産と考えて買うというのは成り立たないというのをいい加減にすべての日本人は気付くべきである。

そして、一流名門企業でさえも馬鹿な経営者が会社を傾けて社員が数千人単位でリストラされる時代に長期ローンは無謀であることに気付くべきである。

そんな時代の中で、私たちは自ら莫大な長期ローンを組んで、わざわざ国家・自治体・銀行・不動産業者・建設会社のカモになる必要はない。



とある高層建築物。当初は素晴らしい建築物だったのかもしれないが、今や老朽化が目立ち、さびれて人もいなくなってしまっている。老朽化して為す術のなくなった建築物が日本中に存在する。

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