2016-01-22

高齢者の激増によって日本社会が維持できなくなる日が来る


2015年9月20日、総務省は65歳以上の高齢者が日本人の人口の26.7%を占める割合になったと報道した。人口にすると3384万人が高齢者だ。

これは今が頂点ではなく、今後もさらに上昇していき、いずれは30%を超える超高齢化社会になると言われている。

2010年は23.1%が高齢者だったと報告されていたが、たった5年近くで3.6%も高齢者が増えているということに驚きがあるはずだ。

これは日本のベビーブーム世代、すなわち「団塊の世代」が高齢者になっているからだ。

本来であれば団塊の世代を支えるくらいの若年層や子供が産まれていれば何の問題もなかった。しかし、日本人はもう結婚もせず、子供もあまり生まなくなった。つまり、少子化も進んでいる。

少子高齢化で国の活力は削がれ、国力が落ち、労働人口が減り、年金制度が危機に陥るのは「分かっていた」ことだ。

分かっていたが、政治家も官僚も国民も、誰も彼もが問題を先延ばしし、見ないフリをし、事なかれ主義で放置してきたので、今ごろになって首が絞まっている。


高齢化に突き進んだ社会は萎んで行くしかない


普通に暮らしていると意識しないかも知れないが、日本は世界でも類を見ない「少子高齢化」に突入している。

それは、インドやインドネシア、あるいはフィリピンのような「子だくさん」の国から日本に戻ってくると、どんな鈍い人でも感じるものだ。

例によって少子化の問題は都会人にはまったく気が付かないだろうが、地方に行けば行くほど悲惨な状態になっていることが分かる。街で子供たちをあまり見かけない。

実際、子供の数が減っているので学校は維持できなくなってどんどん廃校が増えている。逆に、高齢者だけは目に付く。これは東日本でも西日本でも同じだ。

次世代を担う子供たちがおらず、高齢者ばかりが増えるのだから、今後は数十年に渡って日本は真の意味で活力は見出せない社会が続く。

そして、高齢者が大量にいるということは、高齢者が大量に亡くなる社会が到来するということでもあり、日本人は高齢者が増えながら、人口が減るという状態になっていく。

人口が減るというのは、要するに地方の行政が維持できなくなるということでもある。

最初に村が人口減で捨てられる。
次に町が人口減で捨てられる。
次に市が人口減で捨てられる。

そのような社会が来て、日本の末端がどんどん死ぬということにつながる。いくら高齢者が元気だと言っても、若年層のエネルギーに比べるとたかがしれている。社会は萎んで行くしかないのである。



「平成27年版高齢社会白書」より。世界でも突出して高い日本の高齢率。

現在の日本では全世代で単身者が増えている


2015年から「下流老人」という言葉が社会に浸透していくようになっている。

高齢者は貯蓄を切り崩し、国民健康保険を食いつぶし、年金を食いつぶしていく。日本の国債は国民の貯金を担保にしているが、その貯金は増えるのではなく、減っていくことになる。

年金の額はすでに少しずつ削られ、医療費の自己負担も増えている。

国家の無駄遣いは減ることがないので、歳出は歳入を超えて、やがて年金制度も破綻していくのは目に見えている。維持できないものは、やがてどこかで「終わりが来る」のである。

年金制度で言えば、1960年は11.2人でひとりの高齢者を税金で支える時代だった。2000年に入ると3.9人、2010年には2.8人、2014年には2.4人でひとりの高齢者を税金で支える時代になっている。

2人がひとりの高齢者を税金で支えなければならなくなるのは2020年頃であると言われている。現実的に言えば、そんな社会が維持できるわけがない。

年金制度にいつ終わりが来るのかなど誰にも分からないが、もし終わりが来たら、その瞬間に高齢者の大量死時代になる。食べて行けない高齢者が、セーフティーネットを失って追い詰められて大量死する。

日本の社会は「核家族」を通り越して、すでに「単身世帯」が標準になりつつあることは2010年に指摘されている。単身者は毎年毎年、一度も減ることがなく着実に増加している。

すでに、「夫婦と子供」の世帯よりも、「ひとり」の世帯の方が多いのである。

そして当然のことだが、高齢化社会になるとどんどん単身世帯の比率が増えていく。なぜなら配偶者を亡くす高齢者が増えるからである。

さらに若年層では結婚しない人と結婚しても離婚する人が増えている。この離婚者も以後は単身者になりやすいので、現在の日本では全世代で単身者が増えている。

放置すれば、社会的ダメージは巨大なものになる


単身者が増えるところに、大量死時代がやがて来るのだから、分かりきった話だが、孤立死、孤独死、貧困死、介護難民がこれから大きく社会問題化する。

すでに社会問題化しているのは、老人の「孤独死」だ。

単身老人がひとりで家にいて、朽ち果てるように死ぬ。そして、誰にも気付かれないまま腐乱した死体になって発見される。

それは、日本の姿そのものを象徴しているようだ。

現在、行政の問題になっているのは、孤独死をいかに防ぐのかということである。裏を返せばそれほど孤独死が増えているということになる。

公営団地でひとり暮らしする老人は多いが、こういった老人の孤独死が2013年の統計では2371人もいたという。孤立死は2006年あたりから顕在化しているが、本当のところ、問題はこれからなのだ。

単身者がどんどん増えており、高齢化もさらに進む。そこに活力を失って貧困化する社会が覆いかぶさっていくのだから、孤独死が増えることはあっても、減ることはない。

それが日本の将来だ。日本は老人しかいない社会になり、その老人を支えられない社会となる。今の社会はこのまま少子高齢化のまま推移していくと、あと20年ほどで自壊する。

考えて見て欲しい。3人にひとりが65歳以上の高齢者で、子供が極端に少なくなった単身者ばかりの社会が、長続きすると思うだろうか。

むしろ、このままでは自滅していくと考える方が自然だと思わないだろうか?

日本人が自滅する可能性は「見えてきた」が、その前に日本社会の自滅がやって来る方が先だ。この問題を放置すればするほど、社会的なダメージは巨大なものになる。



「平成27年版高齢社会白書」より。クリックで拡大表示。「65歳以上を人口15〜64歳人口で支える場合の比率」が、どんどん下がっていることが分かる。

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