2015-12-31

2015年は「対立」の年だった。対立の先には何があるのか?


2015年は「対立」の年だった。世界中で、様々な対立が目立つようになってきた。

アメリカとロシアの対立。ユーロ圏でのキリスト教徒とイスラム教徒との対立。アジアでは中国と周辺国の対立。アメリカ国内では白人と黒人の対立。

宗教対立、民族対立、人種対立、領土対立、歴史対立、思想対立と、ありとあらゆるものが激しく「対立」していくようになっている。

いったい何が原因で2015年はこれほどまで「対立」が目立つ年になってしまったのか。

こうした世の中の森羅万象はひとことで説明できるほど単純なものではないのだが、敢えて大きな潮流を1つ選ぶとしたら、それは「グローバル化の暴走」である。

今まで世界はずっとグローバル化を目指してきたが、いよいよそれが人々の許容値を超えて突き進むようになって、問題を引き起こすようになっているのだ。

グローバル化とは、全世界の人々を「ひとつの文化に混ぜる」ことである。人種も、言語も、文化も、宗教も、何もかも違う人たちを物理的に混ぜてしまう。それがグローバル化だ。


グローバル化によって違う民族が一緒くたにされた


グローバル化とは、本来、別々の文化の中で違う生活をしていた人たちを、乱暴にかき混ぜてひとつにしてしまう動きである。その中では大きな軋轢が起きて当然だ。

ユーロ圏で起きている移民問題は、実は安い賃金で働く人間を求めていた多国籍企業が、政府に働きかけてどんどん多民族を流入させたことで生まれたものだった。

各国政府は移民を大量に受け入れて「多文化主義だ」と言葉を飾ったのだが、こうした多文化主義は多国籍企業のグローバル化戦略から生まれたものである。

確かに多国籍企業は、移民を安く雇ってこき使うことによって賃金を引き下げ、さらに現地労働者の賃上げも抑制できるので一石二鳥だった。

しかし大量に送り込まれた移民は、現地国家とはまるっきり違う宗教・文化・習慣を持っているわけで、移民が入り込めば入り込むほどこれが大きな「対立」となっていくのである。

その対立は、人種の違いがクローズアップされたら、それは人種対立となる。宗教の違いがクローズアップされたら、宗教対立となる。文化の違いがクローズアップされたら文化対立となる。

グローバル化によって違う民族が一緒くたにされたことで、様々な対立が起きているのがユーロ圏である。2015年は、ここにシリア・イラクの膨大な難民が一挙にユーロに入り込んだことによって、ますます対立が先鋭化していった。

移民・難民を大量に受け入れると豪語したドイツのメルケル首相は、国内の激しい反撥に驚いて突如として移民受け入れを尻込みするようになった。

しかし、すでに80万人から100万人以上もの難民が入り込んで国内は大混乱し、急激に反移民・反難民を主張する極右政党やネオナチが大躍進して多文化主義の反動が噴出している。

エネルギー覇権で国家同士の潰し合いになった


グローバル化は多国籍企業が全世界を共通の商業圏にする動きなのだが、それぞれの多国籍企業の相手はときには各国政府になる。

たとえば、現代文明を回しているのは石油だ。石油を制したものが現代文明を制する。

この石油は米英では「スーパーメジャー」と呼ばれる超巨大企業、エクソンモービル、シェブロン、ロイヤル・ダッチ・シェル、BPが独立企業体として世界を席巻している。

しかし、新興国の多くは石油企業は国営であり、「国家そのもの」でもある。ロシアもルクオイルやガスプロムは政府と密接に関わり、政府と連動しながら動いている。

逆に言えば、この商業圏でエネルギー覇権の競争が発生すると、国家同士の潰し合いになるということでもある。

エネルギー企業が国家運営になっているのであれば、エネルギー競争に勝つというのは相手の国家そのものを潰すということを意味する。2015年に先鋭化した国家間の「対立」はここから生まれている。

グローバル化した世界の中で今、各国政府は熾烈なエネルギー覇権を争っている。ウクライナ問題、シリア問題も、石油を巡るエネルギー対立であるという見方もできる。

2008年のリーマン・ショック以降、アメリカ金融がガタガタになった隙を狙って伸張したのが新興国の産油国だった。

具体的にはロシア・ブラジル・中国・ベネズエラ等が自国のエネルギー企業をフルに活用してグローバル化の中で勢力を伸ばしていった。特にロシアは、プーチン大統領がエネルギー外交を最大限に押し出していた。

しかし、2014年あたりからアメリカはやっとリーマン・ショックの傷も癒えて巻き返しを計るようになっている。

こうした新興国を根こそぎ叩き潰すには石油価格を暴落させればいいわけで、2015年はこれによって新興産油国が全滅状態と化している。この対立は2016年にも引き継がれる。

様々な「対立」は、いずれ最悪の事態を引き起こす


アジアでは中国が膨張主義を取って、いよいよ周辺国と大きな軋轢を生み出すようになっている。

チベットや新疆ウイグル自治区では中国政府が少数民族を弾圧していることはすでに知られている。しかし、全世界は13億人の中国市場を欲しいがためにこれを黙認し、これが中国政府をつけ上がらせる結果となっている。

中国は勢いに乗って南沙諸島の人工島を要塞化し、さらには尖閣諸島も沖縄も視野に入れて侵略を着々と進めるようになっている。

これがASEAN諸国や日本との「対立」を生み出しており、日本はこの中国の膨張主義に対抗するために集団的自衛権の整備を急ぎ、来たるべき戦争に備えるようになっている。

中国政府は日本の集団的自衛権を反対させるために、日本国内の工作員や日本共産党やそのシンパたちをフルに活用して安倍政権打倒を叫ばせている。

こうした工作員はすでに野党、マスコミ、教育界、芸能界に大量に紛れ込んでいるので、その声は意外に大きい。これが日本国内でも世論の「対立」を激化させている。

こうして2015年は全世界で様々な「対立」が目立つ異様な年となったのだが、この「対立」の構図は2016年にも引き継がれていくことになる。2015年にばらまかれた「対立」の芽は、これから育っていくのだ。

ところで、こうした「対立」の先にあるのは何か。それは憎悪であり、暴力であるのは言うまでもない。対立はそれが解消されない限り、行きつく先は「暴力」なのである。

すでにウクライナや中東は暴力の嵐となっているが、こうした暴力は2015年の欧米では主にフランスに飛び火した。2016年は小康状態となるのか、あるいはこの暴力が拡大していくのか、まだ何も分からない。

しかし、分かっていることがある。

それは、このグローバル化が暴走する限り、様々な「対立」が、いずれは最悪の事態を引き起こすということである。もちろん、そのときは日本も巻き込まれる。日本もグローバル化に組み込まれた国なのだから、当然のことである。



2015年は全世界で様々な「対立」が目立つ異様な年となったのだが、この「対立」の構図は2016年にも引き継がれていくことになる。


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