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2015-12-09

中国が今ひた走っている工業化は持続できない工業化である


もう毎年毎年、中国の大気汚染は深刻化していると言われ続けて誰もが不感症になっているのだが、今の汚染は「危険」を超えて「超危険」な段階に到達している。

2015年12月7日、今まで政治的に出せなかったと言われている大気汚染警報のうちの最悪を示す「赤色警報」を、いよいよ発令せざるを得なくなった。

これによって幼稚園や小中学校は休校勧告の緊急措置となり、企業もフレックス制になり、車両の通行量も半減して交通規制することになる。

実は、この「赤色警報」は12月7日ではなく、その1週間前に発令すべきだったと言われている。なぜなら、1週間前の方が「もっとひどかった」からである。

しかし、政府はこの時には「赤色警報」を発令せず、大批判を食らって北京市民の怒りを鎮められなかった。そこで今回、批判をかわすために「仕方なく」赤色警報を発令したのである。

別に政府は中国人民の健康と幸せを案じて警報を発したのではない。北京市民が騒ぐから、面倒を避けるためにそうしたのである。

それでどうなったのか。「赤色警報」で交通規制などが行われて8日、9日は問題が改善したのか。いや、まったく改善しなかった。北京はひどい大気汚染に視界が遮られ、汚染はむしろ天津市や河北省、山西省と拡大している。


覇権国家になる前に、自壊するのではないだろうか


中国は世界の工場となり、国は豊かになり、そして強大化して次世代の覇権国家になるというのが大方の予想だった。中国から金をもらった「国際ジャーナリスト」やら「評論家」が、日本でも「次は中国の時代」と言って踊り狂っていた。

しかし、その中国は2015年に入ってから経済活動が急減速して苦境に喘いでいる。

各地に誰も住まないゴーストタウンが出現し、2015年6月には株式市場のバブル崩壊も起き、9月にはアメリカとの首脳会談でも軋轢が鮮明になった。

さらに中国は2015年12月8日に貿易統計を発表しているが、輸出額は5ヶ月連続前年割れ、輸入額は13ヶ月連続で前年割れするという惨状になっていることも明らかになった。

そんな中で大気汚染は過去最悪の状況となっているのだ。

世界中の人たちの中国を見る目が、ここのところ急速に変わって来ている。

大気汚染、水汚染、食品汚染、そしてめちゃくちゃな開発による砂漠化。あるいは、中国全土に広がる奇形児出産、あるいは村人のほとんどが癌(がん)になってしまった癌症村……。

想像を絶する環境汚染を見るにつけ、人々はこう思うようになっている。

「中国は、もしかしたら覇権国家になる前に、自壊するのではないだろうか」

いくら中国のテクノクラートたちが政策を立て、戦略を立て、全世界に向けて超限戦を繰り広げても、拝金主義による汚職や、データの捏造、問題の隠蔽を繰り返していると、足元が崩れていくのは当然だ。

覇権国家どころか、自滅国家になる道を辿っているのではないかと中国に住むエリートですらも思っている。だからこそエリートが率先して家族を国外に逃している。「中国は人が住む場所ではない」と彼らが考えているのである。

「公害が起きても、各関係者が対処しない」国家


どこの国でも工業化が環境汚染を生み出すのは世の常だ。産業革命を最初に経験したイギリスもそうだった。

激しい光化学スモッグでロンドンはいつもどんよりとした煙に覆われて、多くの人が肺疾患に苦しんだ。

この公害は1950年代に入っても依然と続いて、1952年には亜硫酸ガスがロンドンに停滞して1万2000人を超える死者を出している。

日本もまた高度成長時代は水俣病からイタイイタイ病、あるいは四日市ぜんそくまで、数々の公害病に見舞われて多くの被害者を出した。

これらの工業化の巨大な負の部分は、政府と企業と国民がそれぞれ協調して歯止めをかけない限り、決して解決されない。

それぞれが責任転嫁していたり、規則を守らなかったりすると、いつまで経っても解決できない問題なのである。

ところが中国を見ると、今のところ絶望的というしかないような状況下にある。

政府は、汚染は機密情報と言って情報封鎖する。
企業は、コスト削減のために公害対策をしない。
国民は、環境保全よりも拝金主義に邁進する。

世界中どこでも公害が発生すると、政府も行政も企業も国民も一丸となって問題に対処しようとする。

ところが中国では、もしかしたら人類史上初めてかもしれないが、「公害が起きても、各関係者が対処しない」という恐るべき国家となっているのである。

だから中国の大気汚染はいつまでも「工場が悪い」「暖炉に石炭を使うのが悪い」「自動車の排ガスが悪い」と他人のせいにして全員で大気汚染を悪化させている。

大気汚染は中国政府にとっては厄介だ。なぜなら、これは歴史のせいにも、日本のせいにもできないからである。責任転嫁ができないし、隠蔽もできない。

中国の工業化は、持続できない無残な工業化だ


もちろん、中国政府も体面を整えるくらいの対処はする。車両規制をしたり、工場を閉鎖させたりする。しかし、政府も企業も国民も「金のことしか考えていない」のだから、抜本的対策はしようと思ってもできない。

法律を作っても、役人にワイロを渡せば公害対策はしなくても問題なくなる。公害企業を閉鎖させても、同じ企業が別の名前で同じことをする。

そもそも、中国政府は排ガス不正をして環境破壊をしていたVWグループを迎え入れて「排ガス問題を報道しない」で中国で販売させるという方策を取っている。

それを見ても、中国政府がまったく大気汚染を解決する気がないのが分かるはずだ。大気汚染だけでなく、すべての公害で中国政府はこのような態度に終始している。

この大気汚染に、今度は黄砂も混じっていく。気候の変化でそれが収まっても、何度も同じことが起きるし、その間に水汚染も限界に達していくことになる。

中国の水源はそのほとんどが汚染されているとも言われているが、こういった汚染された水を使って食品を洗い、身体を清め、衣服を洗うのだから、癌症村があちこちで発生したとしてもおかしくない。

この癌症村の存在は以前から警鐘が鳴らされていたが、2013年2月21日、ついに中国政府もその存在を認めたとして話題になった。

「全国の癌村は少なくとも247カ所で、22の省と5つの自治区のすべてに存在するとの結論におよんだ」

人民日報では、実際にはこの数字をはるかに超えると断言している。それほどまで問題は放置され続け、今も何の対策もされていない。

中国が今ひた走っている工業化は、持続できない工業化なのである。

抜本的な対策を取れないのであれば、中国の将来など、どこにもない。多くの人が懸念する通り、中国は覇権国家となる前に、自滅していくことになる。



この凄まじい大気汚染。あなたはこんなところで暮らせるだろうか。中国の将来など、どこにもない。多くの人が懸念する通り、中国は覇権国家となる前に、自滅していくことになる。

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