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2015-12-05

あなたは技術革新で生き残る側か、それとも犠牲になる側か


IT化、アウトソーシング、インターネット、ロボット化、人工知能、自動化。これらの革新は人々を興奮させ、明るい未来が到来するように考える人がいる。

しかし、光があれば影もある。今、私たちの目の前で進んでいる急激な革新は、人々に大きな災いをもたらし、生活を追い込む元凶になるかもしれない。

これらの革新には共通点がある。それは、すべて業務を「効率化」し、「雇用を排除する」という共通点である。

企業が革新的な技術を実用化するたびに、労働者は要らなくなって企業から追い出される。それぞれの企業が急激に推し進めているこの効率化は、最終的には失業者の群れを生み出すことになる。

失業者にも生活があり、何とか食べていかなければならない。そのため、最終的には最低賃金だろうが何だろうが、生きていくためには賃金で妥協せざるを得なくなる。

妥協しなければ失業したままである。妥協したらワーキングプアとなる。技術革新に突き進んでいくと、そんな社会で自分が押しつぶされるかもしれないのだ。


すべて「効率化」の対象になっていった


かつて、ほとんどの企業は自社の仕事を「内製」でしていた。

しかし、それはもう昔話だ。1990年代から爆発的に加速度を増して増えたのは、仕事を切り出して、外部に「アウトソーシング」するという動きだった。

余計な仕事を外部に頼んで、余計な人員を持たない。アウトソーシングは、まさに「効率化」の象徴だった。

これが2000年代に入るとうなりをあげて加速し、最終的に「国境を越えたアウトソーシング」にまで発達した。先進国の企業が、発展途上国の企業にアウトソーシングする動きが主流となっていったのである。

アウトソーシングというのは「外注」「外製」「外部委託」という日本語が充てられる。

外注に出す仕事というのは企業によって様々で、ひとつの仕事の中のほんの一部しか出さないという企業もあれば、ほとんどの業務を完全に外注してしまうという企業もある。

欧米ではこのアウトソーシングが徹底化していて、電話対応から、帳簿の作成から、プレゼンテーションの資料まで、すべてアウトソーシングの対象になっていった。

なぜ企業は仕事をアウトソーシングするのか。それは、経営の効率化のためである。さらに具体的な言い方をすると、コスト削減のためである。

たとえば、どこかの企業がソフトウェアを作ったとする。ソフトウェアには電話サポートが必要になる。

しかし、電話を受けるためだけに人を雇ったら経費が高くつく上に、そのソフトが陳腐化したときに雇った人間が要らなくなる可能性が高い。

だから、その業務をアウトソーシングして、むやみやたらに人を雇わず、人件費を浮かすのである。その企業のやり方は間違っていない。それが「効率化」だ。

「人を雇わない」「安い給料でしか雇わない」


では、アウトソーシングする企業(外注先)はどのようにして決めるのだろうか。

もちろん、安かろう悪かろうでは話にならないので、信頼ができて、ほどほどに安いところが選ばれる。

しかし、いくつかの外注先があったとすると、そこには自然発生的に価格競争が生まれていく。そして、どうしても仕事が欲しい企業は、赤字スレスレで仕事を受けるようになる。

そうやって、一度価格が下がると、企業は「コスト削減」のために下がった価格でしか次も頼まない。そうすると、外注先はどんどん安い値段で仕事を受けざるを得なくなってしまう。

そこで、外注先の企業もまた利益確保のためにコスト削減を強いられ、最終的には人件費を何とかしなければならなくなる。

もっとも効果があるのは人を雇わないことだ。IT化でもロボット化でも何でもやり、ついでに長時間労働のサービズ残業のようなこともさせて人を減らす。

外注に出す企業は、コスト削減で人を雇わない。
受ける企業も、利益確保のために人を雇わない。

ここでも「人を雇わない」という流れが生まれて来る。さらに、競争力を維持するために「安い給料でしか雇わない」という動きも同時に生まれている。

人を雇わない=失業者の拡大
安い給料=ワーキングプア

この時点で、失業者とワーキングプアの両方が生まれる。アウトソーシングという効率化のための1つの施策を見ても、「雇用の排除」が生まれ、失業者やワーキングプアを生み出すことが分かるはずだ。

生き残る側なのか、それとも犠牲になる側なのか


革新的な技術によって効率化が成し遂げられると、ほぼすべての労働者がリストラの対象になる。

(1)IT化によって女性の事務職員が解雇の対象に。
(2)アウトソーシングによって庶務が解雇の対象に。
(3)インターネットによって中間管理職が解雇の対象に。
(4)ロボット化によって現場作業員が解雇の対象に。
(5)人工知能によって知的労働者が解雇の対象に。
(6)自動化によってルーチン作業の職員が解雇の対象に。

この動きは、日本人にとって「無関係」のことではない。むしろ、日本人のダメージは他国よりも大きくなる。なぜなら、日本人の8割がサラリーマンということは、日本人の8割がダメージを受けるということになるからだ。

実際、日本企業は多くの労働者をリストラするようになっているが、日本人の賃金は高く、残業代を稼ぐためにいつまでも会社に残ったりするような非効率な働き方をするので効率性も生産性も悪い。

しかし、非効率は遅かれ早かれ是正される。

つまり、リストラがこれからもさらに推し進められていき、企業は様々な効率化を推し進めることによって人を採用しなくなり、失業やワーキングプアに苦しむ人たちが世の中に溢れるようになる。

2015年12月2日、野村総合研究所は国外の大学との共同研究で、「10~20年後、日本の労働人口の49%が人工知能やロボットで代替可能になる」という結果を発表している。

それによると、601の職業において、10年から20年後には人工知能やロボットによって代替される可能性があるというのだ。

IT化、アウトソーシング、インターネット、ロボット化、人工知能、自動化を手放しで賞賛する人も多いが、社会が変革していったとき、自分がその革新の犠牲になるかもしれない。

自分が生き残る側なのか、それとも犠牲になる側なのか。

そのような観点で技術革新を見る必要がある。そうしないと、技術革新によって人生が破滅する。やがてやってくる技術革新が、あなたの味方である保証はないのだ。

それは、あなたから職を奪う敵になるかもしれない。



IT化、アウトソーシング、インターネット、ロボット化、人工知能、自動化。やがてやってくる技術革新が、あなたの味方である保証はない。

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