2015-08-31

ブラジルで、人口の60%を追い詰める経済悪化が止まらない


中国経済の減速、通貨切り下げ、原油安、政治的混乱で激しく追い込まれているのがブラジルだ。

ブラジルはすでに2013年からインフレで暴動も起きているような状況だったが、それ以降も状況は改善することもなく、さらにひどい状況になっていこうとしている。

現在のブラジルのインフレ率は9.25%だと言われている。それはブラジルの通貨レアルが対ドルで大きく価値を毀損しているからだ。

ブラジルのレアルはリーマンショックの前は1ドル1.57レアルだったが、現在は1ドル3.5レアル以上になっている。すでにリーマン・ショック時の2.6レアルを超えるショックとなっている。

かつては1ドルを手に入れるのに1.57レアルで済んだが、今では3.5レアル以上出さないと1ドルが手に入らない。

レアルの価値がそれだけ下がり、輸入品が高騰し、インフレが止まらなくなっているのである。


原油安によって国家崩壊寸前になっているブラジル


ブラジルのレアルは2014年の後半に入ってから、どんどん価値を失っている。何があったのか。原油安である。ブラジルは資源国家であり、原油価格がブラジル経済を担保していた。

その原油がとめどない暴落を始めたので、エネルギー価格に依存していたブラジル経済は一気呵成に転落していった。

ルセフ大統領はこのブラジルを支えていた巨大石油企業「ペトロブラス」の最高経営責任者だった。

ペトロブラスは南米最大の石油会社であり、ブラジル政府が株式の50%以上を掌握しているので、事実上ブラジルの国営石油企業であるとも言える。

この石油企業が汚職問題で激震しており、幹部33人が2015年8月に有罪判決を受けている。

ルセフ大統領もまたこの汚職に関わっていたことが分かっており、この大統領の支持率は8%台となって、国民は誰もこの大統領に期待していない。(ブラジルのルセフ大統領はアメリカの石油企業を敵に回した

ブラジルは原油安と共に、まぎれもなく「国家存続の危機」に陥っているのである。

ブラジルはロシア・中国と共に反米連合を構成する国家だったが、そのすべてはアメリカが仕掛けたと思われる「意図的な原油安」でめちゃくちゃになっている。

「G20の反米連合がアメリカを弱体化させ、ドル通貨基軸を崩壊させる」「アメリカ衰退はいい気味だ。ざまあみろ」と冷笑していた反米親中の人間は日本にも多かったが、2014年に入ってから起きているのはその真逆の事態だ。

ロシアも、中国も、ブラジルも、どこが先に崩壊しても不思議ではないほど追い込まれてしまっている。さしずめ、その中でも1年以内に政権崩壊してもおかしくない状況になっているのがブラジルであると言える。



レアル相場。現在のレアルはリーマン・ショックよりも状況が悪くなっているのが分かるはずだ。

貧困層と共にルセフ大統領も追い詰めている


格付け会社S&Pは、ブラジルの格付けをジャンク級に引き下げる方向で検討しているという。ここまで格下げになると、投資資金は撤退を余儀なくされるので、ブラジルの経済回復はますます遠のいていく。

ブラジルの2015年の成長率はマイナス1.5%、すでにリセッションに突入し、景気回復の余地はない。

これは、過去25年以来で最悪のリセッションであると言われており、成長を必要とする新興国として見れば致命的な段階に来ている。

こうした経済悪化と共に、ブラジルでは2015年8月16日に、今年3回目のルセフ大統領の弾劾を求めるデモが起きて約190万人が参加するようになっているのだ。

この大統領弾劾デモに参加しているのは、つい1年前まではルセフ大統領を支持していた層だった。

ルセフ大統領率いる労働者党は、ブラジルの貧民層が大部分を占める農家に助成金を出して生活をサポートしていたので、この層がルセフ大統領を支持していた。

しかし、ブラジル経済は、そんなレベルでは追いつかないほど悪化してしまった。

彼らはルセフ大統領に裏切られたと感じている。ルセフ大統領は貧困層の生活改善を約束していたが、生活の悪化はより深刻化するばかりなのだ。

もっとも、ルセフ大統領は運が悪かったと言えなくもない。

ルセフ大統領は2014年10月に再選したばかりだが、皮肉にもその瞬間から石油価格は暴落に入っていった。いくら鉄の女であっても、原油安をひとりで止めることはできない。

この原油安がブラジルのインフレと失業は貧困層を直撃して、貧困層と共にルセフ大統領を追い詰めている。



ブラジルでは2015年8月16日に、今年3回目のルセフ大統領の弾劾を求めるデモが起きて約190万人が参加するようになっている。

人口の60%を追い詰める社会現象が起きているのだ


2016年8月にはリオデジャネイロ・オリンピックが開催されるが、本当に開催できるのかどうかすらも危ぶまれる状況になっている。

「オリンピックなんか返上しろ。経済を何とかしろ」という怨嗟の声の方が大きい。しかし、ブラジル経済は何ともならない確率の方が高い。

新興国の雄、中国の成長も止まっている。そんな状況の中で、ブラジルだけが景気回復できるはずがない。

ブラジルが深刻なのは、経済停滞と同時に10%近いインフレが来ていることである。

分かりやすく言えば、景気が悪くなって給料が下がったり、リストラされているのに、物価だけはどんどん上昇している「スタグフレーション」の状況である。

景気悪化になると、まっさきに影響を受けるのは貧困層である。なぜなら、単純労働者や下層労働者が真っ先にクビを切られる対象になるからだ。

インフレになると、まっさきに影響を受けるのも貧困層である。少ない給料でやりくりしているところに物価が上がってしまうからだ。

景気悪化とインフレが同時に来ているのがスタグフレーションだとすると、この現象は貧困層を絶望のどん底に突き落とすものであることが分かるはずだ。

では、ブラジルの貧困層はどれくらいいるのか。それは人口の60%である。

つまり、現在のブラジルで起きているのは、人口の60%を追い詰める社会現象であり、ブラジルで今起きていることは最悪の結果をもたらす可能性がある。

すでにブラジルは激しい暴力にまみれた殺人多発国家と化している。国家崩壊はさらなる混乱と暴力がブラジルを覆い尽くすだろう。



ルセフ大統領は2014年10月に再選したばかりだが、皮肉にもその瞬間から石油価格は暴落に入っていった。いくら鉄の女であっても、原油安をひとりで止めることはできない。この原油安がブラジルのインフレと失業は貧困層を直撃して、貧困層と共にルセフ大統領を追い詰めている。
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