2015-07-08

中国の暴落は世界の行方を左右する超弩級の変化になるか?


中国の株式市場が「暴落」しており、収拾が付かない危機的状況に陥っている。これはギリシャ問題に端を発していると解説する評論家もいるが、そうではない。

何も原因がないのに自然にバブルが弾けたなどと、おめでたい認識を持っている人間はどうかしている。この暴落の裏にはアメリカがいる。

中国はアメリカの虎の尾を踏んだ。

アメリカはドル通貨基軸に挑戦する人間や国家には容赦しない。しかし中国は、AIIB(アジアインフラ投資銀行)で、アメリカのドル通貨基軸に挑戦を見せるようになった。

それだけではない。中国は南沙諸島でもアメリカとも決定的な対立をしており、懸念を述べるアメリカに「広い太平洋は二大国を収容できる空間だ」と言い放っている。

ケリー国務長官が5月に中国訪問して習近平と会談したが、中国は歩み寄らなかった。中国がアメリカの敵と認識された瞬間である。(敵側の中国に関わっていると、大きなツケを払うことになる


中国政府も一緒になってパニックになっている


だから、アメリカはその翌月2015年6月から中国に対して「金融攻撃」を仕掛けている。

これまで、中国の株式市場は中国政府のさじ加減ひとつで操作できると言われていた。

中国政府は不動産バブルの崩壊によって成長神話が終わることを恐れてバブルを株式市場の方に振り向けたので、上海総合指数は2015年から暴騰に次ぐ暴騰を見せてきた。

これは中国政府が望んでいたからそうなったのだ。

しかし、2015年6月12日を境に、上海総合指数はいきなり大きな下落を見せるようになった。当初はこれが「調整」なのか「暴落」なのかは分からなかった。

しかし、アメリカの投資銀行はこぞって「中国はバブル崩壊した」とコメントを出し、調整を暴落に誘導していた。

いったん、引き金を引いて最初の暴落を演出すれば、あとはパニックになった個人投資家が自動的に投げ売りをして暴落の谷が深まる。

もともと中国の個人投資家も信用取引で無謀な爆買いをしていたことから、いったん大口の売りが入ると、暴落に耐えられない。これによって、信用取引の投資家が一気に投げた。

その結果、上海総合指数は6月に入ってから暴落が止まらなくなり、7月に入った今もその激震は収まっていない。

中国政府は矢継ぎ早に利下げし、信用取引規制も緩和した。さらにメディア規制をかけて、「株価暴落」という言葉を使わないように通達を出した。

暴落している事実を隠蔽したら、何とかなると思ったのかもしれない。

阿鼻叫喚の地獄でのたうち回っている中国人投資家


しかし、中国政府が情報規制したところで、中国人は自分たちの財産を株式に信用で突っ込んで暴落に絶叫しているのだから、何の情報規制になっていない。

中国の個人投資家は、まさに阿鼻叫喚の地獄でのたうち回っているのである。

今までは市場に何か問題があっても、中国政府ならその強権で何とかすると中国人民は漠然と信じていたものがあった。

しかし、今は違う。もはや中国政府ですらコントロール不能になっていることを投資家は感じ取っており、それがまた投げ売りの大きな要因となっている。

中国政府も必死だ。情報規制は何ら意味がないと気付いたあとは、空売りの対象になった銘柄を次々と取引停止にする措置も取っている。

取引停止などしたら、よけいにパニックを増長することは分かっていても、中国政府はそれをせざるを得なかった。

200銘柄、500銘柄、700銘柄、1000銘柄と取引停止の銘柄が増えていて、中国政府も一緒になってパニックになっているということが窺い知れる。

さらに中国は2015年7月7日に、この危機的事態の打開を図るための対処として、市場安定化基金を設置すると緊急発表している。

ところが、その翌日の7月8日も5%を超える株価下落に見舞われているわけで、市場安定にはまったく役立っていない。これは、何を意味しているのか。

中国政府はたった一ヶ月で、市場のコントロールを失って、為す術もない状況に陥っているという意味である。

もう数年前に「中国の時代」など終わっていた


中国は経済成長していると見せかけるために、誰も住まないような「鬼城(ゴーストタウン)」を山ほど作り上げて「中国の成長は止まらない」という馬鹿げた神話を維持してきた。

もう2012年に入ってから、中国の経済成長は止まっているという統計が現れていて「バブル崩壊は時間の問題だ」と言われ続けてきたのである。

さらに中国は超限戦を仕掛けていて、日本の馬鹿丸出しの国際評論家たちに「次の時代は中国」とか「アメリカは中国に負ける」と言わせ続け、その見せかけの経済成長という幻影を煽り続けていた。

不動産バブルは2014年4月あたりが頂点であり、それからどんどん値を下げている。誰も住まない「都市」を山ほど作り上げたら、供給過剰になって不動産バブルが弾けるのは分かりきった話である。

だから、株式市場の方でバブルを作り出して経済成長しているような見せかけをしていたのである。

しかし、もう中国は終わりだ。

はっきり言うと、もう数年前に中国の時代など終わっていた。中国共産党が「まだ終わっていないふり」をしていただけなのだ。未だに「中国の時代」などと言っているアナリストもいるが、いったいどこに目が付いているのだろうか。

重要なことは、この中国政府のあがきが失敗したら、中国は世界の経済を巻き込んでいくということだ。中国の経済規模はギリシャどころではない。日本も大波に揺れる小舟のように、激しく経済動乱に見舞われていく。対岸の火事ではない。日本にも激しい火の粉が飛んでくる。

もちろん、中国も死にたくないわけで必死にもがく。しかし、もう今までのようにはうまくいかない。中国は、これから膨張主義のツケを払わなければならないからだ。

この中国の変調は、単なる株価の調整ではない。それ以上のものだ。下手すると、これは世界経済・世界政治の行方を左右する超弩級の変化になる可能性がある。



中国の変調を、単なる株価の調整だと思って見過ごしてはいけない。下手すると、これは世界経済・世界政治の行方を左右する超弩級の変化になる可能性がある。

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