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2015-07-06

地球規模で起きているのは、国家という存在の弱体化と消滅


2015年7月5日、ギリシャで国民投票があった。EU(欧州連合)、ECB(欧州中央銀行)、IMF(国際通貨基金)が要求している財政再建策に対して、ギリシャ国民は圧倒的多数で「ノー」を突きつけた。

ギリシャ政府は「これはユーロ圏からの離脱を意味するものではない」と言っているが、ギリシャの野党やユーロ関係者の中には「ユーロ残留を拒絶したものだ」と認識する者もいる。

どちらにも解釈できるというのはどういうことなのか。それは、すなわち、ギリシャ政府はユーロ側にどちらでもカードが切れるということである。

いずれにせよ、ギリシャはもう経済的には死んでいる。

ギリシャ国民からすると、「今ですら生活できないのだから、ユーロから離脱しようが残留しようが、どっちでも構わない。あえて言えば、これ以上緊縮しろと言われてもできない」というのが本音だった。

分かりやすい言い方をすれば、ギリシャは完全に破れかぶれになっている。ギリシャは2010年から、問題を先延ばし、先延ばし、さらに先延ばししてきた。しかし、もはや限界だというラインにまで到達したということになる。


どのみち、ユーロという実験は失敗している


ギリシャがユーロを離脱すべきかどうかの議論は、別に今に始まったことではない。ギリシャはここ数年、毎年「同じ話」で揉めている。まるでデジャブーである。

ユーロ圏の国民、特にドイツ国民は、ギリシャに嫌悪感を隠そうともせず、「さっさとギリシャを離脱させろ」と叫ぶ。

しかし、メルケル首相をはじめとするヨーロッパ首脳の意見は違う。ここでギリシャをユーロから離脱させたら、ユーロ全体が総崩れになると恐れている。だから、ギリシャという問題児をユーロから手放さない。

ユーロ圏はギリシャ離脱を織り込んでいない。本当にユーロ離脱という事態になっていけば、世界の金融市場は大きなショックに二度も三度も飲まれることになるだろう。

どのみち、ユーロという実験は失敗している。経済だけ統合しても意味がない。政治も違えば、文化も違えば、人種も違う国同士がうまく連携と協調が取れるわけではない。

ギリシャ問題はすぐに終わらない。この問題はさらに紛糾していき、ユーロを激震させることになるはずだ。

問題は、ユーロだけにとどまらない。現在、ゆっくりと少しずつ全世界の国家が不安定化している。

アメリカもオバマ政権の時代になってから内向きとなり、中国も上海のバブル崩壊が止められず、きな臭くなっている。韓国と日本は互いに憎悪を剥き出しにする関係となって、収拾がつかなくなっており、中東に至ってはもはや暴力が支配する無法地帯と化している。

アフリカの内戦は中央アフリカからコンゴ、スーダンまで広範囲で泥沼に陥っており、中南米はドラッグ犯罪と暴力で世界で最も治安の悪い場所になった。ロシア圏もまたウクライナ問題で揺れており、一触即発だ。

地球上で「国家の衰退」が見え隠れしている


地球のあちこちの大陸で「国家の衰退」が見え隠れしている。もはや「今の国家は役に立っていない」「今の国家は時代に則していない」という大きな潮流が生まれている。

別の言い方をすれば、「国家」という大きな存在が、壊れていこうとしている。

国家という存在そのものに不信感が生み出されており、それが大きく広がっている。

それにしても、いったいなぜそんなことになったのか。世界各国の国民にそれを聞けば、リーマン・ショックからだと答えるだろう。

2008年9月15日のリーマン・ショック以降、各国の政府は資本主義が瓦解しないように、自国の主要銀行(大きすぎてつぶせない銀行)にどんどん金を注ぎ込んで救済した。

その不良債権をすべて国家が引き受けたので、国家の債務は極端なまでに膨張していき、そこで国家(ソブリン)危機が発生するようになった。

その過程を見ていた国民が、なぜ私たちの税金で銀行や金持ち連中を助けるのかと疑問を持ち、国家に不信感を抱くようになってしまったのだ。

すべてはここから始まっていた。

先進国で生まれた国家への不信を強いものにしていったのは、先進国の金融緩和によって「1%の金持ちと99%の貧乏人」という格差が生み出したことだ。

この超格差は日米欧の先進国すべてで起きている現象であり、それを現在の弱肉強食の資本主義が後押ししている。

「国家」は地球のことは考えるようになったのだが、国民のことを何一つ考えないようになってしまったのである。

最初に「国家」というシステムが壊れるとき、一番弱いところから壊れていく。その弱いところが、アフリカであり中東でありギリシャであったということになる。

これから起きるのは、国家という存在の弱体化と消滅


まぎれもなく、国家が追い込まれている。だから、これから起きるのは、国家という存在の弱体化と消滅だ。

アメリカが衰退するとか、中国が崩壊するという現象はすべて同時並行で起きているわけで、全体から見ると「国家システム」が壊れていると気付かなければならない。

国家とは、もう時代に合わず、誰にも信用されていない組織・システムになっているのだ。

そもそも、このグローバル化した現代社会と資本主義に、徹底的にチューニングされて、勢力と規模を巨大化させているのは、まぎれもなく多国籍企業である。各国政府、そして政治家は、今や多国籍企業の代理人に過ぎない。

その多国籍企業も、国家という存在が関税をかけたり、文化を守ったり、通貨を操作したり、独占禁止法で企業に網をかけてくるような「目ざわり」な存在となっている。

つまり、国家は国民からも不信の目で見られ、さらに企業からも邪魔だと思われるようになっている。

だから、不信感を持たれている国家が地球規模で力をなくしていく段階に入っている。もはや国家という概念そのものが機能不全に陥った。それなのに、国家は自浄能力がなく、是正もされない。

今の「国家」というシステムが存続できなくなって、大きく崩壊しても不思議ではない。

近代の社会は、どこの国でもすべて国家が主体だった。だから、国家がなくなるというのは想像もできない。しかし、グローバル化が極度に進む今、時代に合わなくなった国家という存在は淘汰の対象になっているのだ。

その大きな流れはつかんでおかなければならない。



ギリシャ遺跡。国家という存在もまた遺跡のようなものになっていくのだろうか。

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