2015-06-05

日本はサイバー空間で「攻撃能力」を持たなければならない


企業はインターネットにサイトがなければ、存在していないも同然の扱いになっている。小売りも、書籍も、販売はインターネットにシフトしつつある。インターネットがなければ、ビジネスはできない。

すべての官公庁組織、行政、企業は、もはやインターネットがなければ実体すら成り立たない。

さらに、スマートフォンを介して多くの個人がインターネットになだれ込み、インターネットそのものが常時、「手元にある」状態になった。

その結果、インターネットは電気・ガス・水道に劣らないインフラと化した。

そして現在、インターネットの内部には個人情報が渦巻いており、ここにひとつの社会がある。

だから、ここを「攻撃」されたら社会は大混乱する。混乱どころか崩壊するかもしれない。それほどの「空間」になっているのである。


400万人の個人情報がハッカーにアクセスされた


2015年6月4日、アメリカ政府は「今年4月に、連邦政府職員少なくとも400万人の個人情報がハッカーにアクセスされた」と報告した。

誰がやったのか。アメリカ政府は公式に発言していないが、アメリカの各新聞社は政府関係者の話として「中国のハッカーが裏にいる」と述べている。

漏洩した個人情報は個人の住所氏名どころか、身辺調査情報も含まれていたと言われている。

2015年6月1日、日本でも日本年金機構のサーバーに何者かがハッキングを仕掛けて少なく見積もっても125万件の個人情報が漏れたことが発表されている。

それだけではなく、6月5日に入ってから日本の防衛情報も流出していたことが確認されている。攻撃者は手当たり次第の情報を盗んでいたのではなく、情報価値の高いものを選別して盗んでいたのだ。

しかも、これはハッキングされていると分かったものが問題になっているのであって、実はハッキングされたことも分からないまま運用されているPCがある可能性も指摘されている。

日本は2011年9月18日に、日本最大の軍需企業である「三菱重工」が狙われて、潜水艦、ミサイル、原子力プラントの機密情報がハッキングによって持ち去られたという事件があった。

三菱重工東京本社、製造拠点、研究拠点、すべてに複数のウイルスが仕込まれて、同時攻撃されていた。

これはハッカーのお遊びではない。巨大な組織の意図的な攻撃であり、用意周到に行われた犯罪でもある。9月18日というのは、満州事変が起きた日付であり、中国政府の陰が見え隠れしているのは明確だった。

現代の諜報活動は、インターネット空間で行われる


まぎれもなく、政府間でサイバー戦争が起きている。中国だけでなく、韓国も、北朝鮮も、ロシアも、そしてアメリカも、すべて特別なサイバー部隊を持っており、他国の機密情報にアクセスしようとしている。

現代の諜報活動というのは、インターネット空間で行われるものなのである。

2010年にイランで反政府暴動が起きたとき、イランの人々はツイッターやフェイスブックを使用して情報を拡散し、反政府運動を進めていった。

2011年に「アラブの春」が起きたとき、チュニジアやエジプトの人々は、やはりツイッターやフェイスブックを使用して情報を拡散し、反政府運動を進めていった。

ツイッターやフェイスブックはアメリカの企業の持ち物であり、その裏ではアメリカ政府との密接な連携があることはよく知られている。

フェイスブックは世界中にユーザーを持ち、個人情報を集め、アメリカ政府はそれを「のぞく」ことが可能になる。アメリカは、インターネットによって他国の国民を、監視することができるようになったのである。

実際、アメリカ政府が恒常的に国民のデータをのぞき見しているのは、エドワード・スノーデンが明らかにした。極秘監視計画「プリズム」とそれは言われていた。

政府による国民監視はここまで進んでいるので、それがゆえにインターネットの中で他国の反政府運動を支援し、裏側で他国に政治的介入することも可能になっている。

インターネットで世論を誘導し、スローガンによってユーザーを洗脳することもできるようになった。

当然、反米の国家はそれに対抗して中国のように完全にアメリカを締め出したり、逆にアメリカの企業の情報を盗み取ろうと画策したりするようになる。

ネットは、全世界をターゲットにした戦争の舞台


インターネットは全世界を覆い尽くすインフラだが、それと同時に全世界をターゲットにした戦争の舞台でもある。政府が企業や相手国の機密情報を盗み取る。

アメリカ政府はスタックネットのような国家が開発した超高精度ウイルスをイランや中東にばらまいて企業や個人の情報を根こそぎ奪っている。

それをロシアが暴いて公開したが、そのロシアもグルジアで大がかりなサイバー攻撃を仕掛けたことが分かっている。

中国では軍の指揮下によって動いているサイバー部隊が存在して、アメリカに激しいハッキングを仕掛けている。

北朝鮮も2014年12月に、北朝鮮を揶揄するコメディー映画に激怒してソニーのサーバーを乗っ取ったが、北朝鮮のサイバー部隊も手荒なやり口で「軍事活動」を行っているのだ。

日本はまだインターネットが「軍事領域」になっているという意識もないし、「サイバー軍」が必要だとも思っていないが、あまりにも意識が遅れている。

かつて、侵略は、陸からなされ、海からなされ、空からなされた。今はインターネットから侵略がなされる。

だから、インターネットが陸海空と同じ「軍事領域」であったとしても、何ら奇異なものではない。むしろ、ここを放置していると国家的に「丸裸」でいるのと同じだ。

「インターネットが攻撃されることによって、国家的損失が生まれる」という現実が生まれているのだ。

日本だけが、インターネットが戦場だという認識を、まったく持っていない。

防御するばかりでなく、攻撃できる能力を持つ


日本はインターネットを「軍事領域」であると認識する前に、陸海空を防衛しなければならないという基本的な部分でさえ曖昧にされて危機感を感じない。

防衛できないというのはどういうことか。防衛できなければ、侵略されるということだ。「日本には憲法第九条があるから、侵略しないでおこう」と考える侵略者などひとりもいない。

インターネットが防衛の対象であると認識していないというのはどういうことか。「インターネットから侵略される」ということだ。

日本の現状は非常に危うい。今まさに望まれているのはこの脆弱さを早急に糺すことだ。サイバー攻撃の前に無防備であってはいけない。

インターネットは電気・ガス・水道と同じく文明のライフラインであり、これが他国によって切断されるような攻撃が行われると、その時点で国家機能は麻痺する。

インターネット空間を占拠され、破壊されることによって、実社会が破壊される。日本が大規模なサイバー攻撃をされれば、日本の社会システムは一瞬にして崩壊する。

しかし、逆に言えばインターネットを軍事領域と認識し、日本も特殊なサイバー部隊を創設することができれば、サイバー攻撃を通して敵対国の情報を取得し、優位に立てるということを意味している。

情報空間で攻撃されたら、防御するばかりでなく、逆に攻撃する「軍事力」を持たなければならないのである。すでにインターネットによる攻撃は現実に行われているのだから、情報を巡る戦時体制を構築しないと国が滅びる。

インターネット空間は、すでに言論戦争の最先端となっている。今後、日本という国の存続は、いかにインターネットからの攻撃と防御ができるかにかかってくる。日本は、サイバー空間での「攻撃能力」を持たなければならない。



米中間で、激しいサイバー攻撃が行われている。サイバー攻撃が日本にも行われている。日本が大規模なサイバー攻撃をされれば、日本の社会システムは一瞬にして崩壊する。

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