2015-06-04

切り捨て時代。組織に依存する人間は、捨てられ始めている


グローバル化とIT化は、日本の会社組織のスタイルを根本から変えてしまった。年功序列と終身雇用を完全に吹き飛ばしてしまったのである。

企業は世界規模で競争に巻き込まれていく。だから、競争に打ち勝つために常にコスト削減を余儀なくされ、高コストの人材を削減するしかなくなった。

給料を削減し、雇用を削減する必要が生まれたのだ。

競争環境が変わったら要らない人材はすぐに捨てる必要があるので、雇用も非正規労働に置き換わり、無駄をとことん排除するようになった。

さらにITの進化によって中間管理職や総合職や事務職も必要なくなっていき、こういった人間たちも無駄として切り捨てることができるようになった。

これは一時的な現象ではなく、恒常的な現象である。だから、日本人は今、「組織に寄りかかって生きる」という従来の生き方ができなくなりつつある。


デメリットがあったとしても、組織から離れない


しかし、そんな時代になっても、まだ日本人は組織の一員でいることに、尋常ではない執着を見せる。組織に寄りかかることのデメリットがあったとしても、組織から離れない。

組織に入って生きるというのは、別に欠点でも何でもない。組織でしかできないビジネスもたくさんあるし、組織が生み出せるものは大きい。

大勢の人がひとつの目的に合わせてビジネスをするので、スケールも大きなものになる。

また組織に帰依することによって、組織が自分の面倒を見てくれるので、生活も安定する。また、その安定感がその人に対する社会的な信頼の証にもなる。

だから、多くの人たちは組織に依存する。

しかし、組織に依存するというのは、その組織に命令され、歯車のように動かされ、場合によっては使い捨てにされるということでもある。

組織に入ると、ありとあらゆるケースで組織が優先になる。

自分がどんな意見を持っていても、それは関係ない。組織の意見が最優先される。そうでないと組織は成り立たない。その組織に所属している個人は、トップダウンで決められたものには従うしかない。

従うことが前提で雇われて給料をもらっているのだから、個人は組織に従うのは当然のことである。組織がそうすると決めた以上は、それが自分の意思に反しているものでも、組織を優先しなければならない。

仮に組織が間違ったり、暴走したり、当初とは違う目的に動き出したりしても、組織の末端はそれを受け入れざるを得ない。最後に組織の失敗のツケを払うのは末端なのだが、それでも従うしかないのである。

終身雇用・年功序列は服従させるためのシステム


日本は戦後からバブル崩壊までの数十年に渡って、多くの企業が「終身雇用」「年功序列」のシステムを取ってきた。

この2つのシステムは、言うまでもなく、個人を組織に「服従させる」ためのシステムでもあった。

年功序列というのは、組織に長く依存し、歳を取れば取るほど待遇も給料も良くなる仕組みになっている。

途中で辞めてしまうと、待遇も給料も悪いままで終わってしまう。だから、いったん組織に入ると、個人は組織に服従するしかない。

また、終身雇用という制度は、生涯にわたって社員の面倒を見るということだが、組織はその条件として組織への徹底的な服従を要求する。

組織が命じたことは、奴隷のように従う必要がある。

自分がやりたくない仕事、合わない仕事、最初の条件とは違う仕事であっても、組織が自分に命令したらそれに従うしかなくなってしまう。

組織が地方への出向を誰かに命じたら、命じられた個人は家族も自分の生活も置いてけぼりにしてそれに従わなければならない。完全服従だ。

しかし、そうやって従えば逆に生活を保障してくれる。

だから、終身雇用と年功序列という制度は、日本人をひとつの組織に縛り付けてきた。そして日本人も、それにどっぷりと浸ってきた。

その組織が時代に合わなくなっても、日本人はその組織から離れようとしないことが多い。

あまりに深く組織に依存してしまった人間は、組織から見捨てられると生きていけないので、組織からどんな理不尽な扱いをされても、最後の最後まで組織にしがみつく。

組織依存は、うまく機能しない時代になった


日本人の過剰なまでの組織依存は、1990年までうまく機能していた。日本人は組織に依存し、組織の奴隷となり、組織に尽くすことによって世界でも有数の経済大国の地位を手に入れた。

それは、多くの日本人にとって、大きな「成功体験」として刻み込まれた。

しかしその後、日本のバブル崩壊と急激に進んだグローバル化の激しい競争の中で、日本の企業は徐々に競争力を失っていくことになる。

市場は急激に変わる。ビジネス環境も、何度も波を打つように激変する。組織は市場に合わせてビジネスモデルを変え、競争に打ち勝つためにコスト削減を恒常的に行うしかない。

組織のビジネスモデルが激変するというのは、それに則した人間が必要になるということである。つまり、新しい人間が必要になる。

経営陣は新しい人間を引き入れて、古い人間を切り捨てようとする。昔は社内の人間を新しいビジネスをじっくり学ばせて対応させていたが、今はそんなことをしているうちに競争に負けてしまう。スピードが求められているのである。

だから組織は、今や即戦力となる人間を引き入れて、足手まといになる古い人間は捨てる。

グローバル化の競争は、最終的に急激な価格競争を引き起こす。だから、組織は、長く勤めて高給取りになった人間を切り捨てる。また、新しく雇う人間はいつでも切り捨てられるように派遣として雇うようになる。

何が起きているのかは一目瞭然だ。もう組織は、組織に依存する人間を捨てているのである。

しかし、日本人の大半は、いまだに組織に依存する体質が染みついている。そこから抜け出せない。

時代は変わっているのに、日本人の多くは組織に固執し、組織がないと生きられないと思い込んでいる。それはこれからの時代、とても危険なことである。

時代はもうそれを許さなくなってしまっている。「組織」はもう助けてくれないのだという事実を認識し、新しい生き方を模索しなければならない時期になっている。



もう組織は、組織に依存する人間を捨てているのである。しかし、日本人の大半は、いまだに組織に依存する体質が染みついている。そこから抜け出せない。

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