2015-05-15

何があっても「自分の住所を持ち続ける」ことを死守せよ


シャープが馬鹿な経営者のために存続の危機に陥っているというのは以前にも書いた。(あまりにもお人好しすぎて骨の髄までしゃぶられるシャープ

3月19日の時点で、シャープは6000人をリストラすると言っていたが、2015年5月14日には3500人の希望退職が正式に発表された。

さらに降格人事も行われるので、社員の給料は事実上下がっていく流れに入る。

会社が経営危機に陥ると、経営者は社員を「コスト」と見なして、どんどんリストラして放逐していく。

景気の良い時代では、こうしてリストラされた人たちもすぐに新しい会社に吸収されることになるのだが、景気の悪い時代では失業が長引く。

生活困窮者が困窮に堕ちていくきっかけは、その多くが失業である。リストラは中高年だけでなく、若年層をも襲いかかっている。若年層は社員になるのも難しく、社員になっても会社が傾けばすぐにリストラの対象だ。


寄生する親が体力を消失しているのが今の社会情勢


どこの国でも、景気が悪くなれば、経験も知恵も技術もない若者を雇わない。即戦力になる熟練した人間が溢れているのだから、若者の雇用は後回しになるばかりである。

日本でも同じだ。どこの企業も雇用を絞っているので、若者の雇用先は広がらない。就職できない人間も増える。

現在、就職できない多くの若者は、フリーターやニートとなって親のスネをかじっているが、雇用減少とリストラと非正規労働は、その親をも直撃し、衰弱させる。

グローバル経済は先進国の雇用者を狙い撃ちにして失業を増やしている。中高年にも影響が出てくるということは、その子供たちにも遅かれ早かれ影響が及ぶというわけだ。

親の給料も下がっていくか、もしくは親の就職している企業が破綻していく動きなので、親はパラサイトしている子供の面倒を見ることができなくなってしまう。

親にパラサイト(寄生)しようと思っても、寄生する親が体力を消失しているので、ニートにすらなれないで路上に放り出されるようになる。

ニートにもなれずに家を追い出された子供は、その時点から「自分の面倒は自分で見る」必要に駆られる。

しかし、もっとも厳しい時代に、社会経験も知恵もほとんどない若者が簡単に就職できるはずがない。

現在はすでにそのような社会の真っ最中であり、生活困窮者が膨れあがっている。それは相対的貧困率が16%を超えているのを見ても分かる。

政府はこの状況に危機感を感じて、2015年4月に「生活困窮者自立支援法」を施行したが、果たして機能するのかどうかはまだ分からない。

生活が行き詰まった若者が若年ホームレスへ


若者が追い詰められているのは、あるNPO法人が出している数字を見ても分かる。

ひきこもり  70万人
ニート    63万人
フリーター 178万人

計300万人の若者が自立という観点から見ると、危機的な状況にあると指摘している。これらの若者たちが潜在的な「若年ホームレス」予備軍なのである。

グローバル社会が先進国の労働者階級の給料を引き下げ、雇用を奪う動きを加速させている。

日本人の給料や雇用が今のまま維持できないのは当たり前で、さらに人々は追い込まれていく。

ちなみに、インフレが起きるといろんな物の値段が上がっていき、最後にはそれに追随するように給料も上がるので、それだけを見ると賃金アップに見えることもある。

しかし、賃金と共に物価も上がっているのだから状況は変わっていない。むしろ、賃金よりも先に物価が上がるのが先なので生活苦は改善できず、状況はさらに悪化していく。

そして、生活が行き詰まった若者が若年ホームレスへと移行していく。

もちろん、誰しもホームレスになりたくないから、必死で働くのだが、必死で働いてもどうにもならないのが「時代」の潮流なのだ。

セーフティーネットは整備されていない


いくら本人が働く気力があっても、企業が傾いていけば、リストラや派遣切りという動きになる。

会社そのものが消失することもあるが、その前に会社は従業員を放り出すので、会社よりも個人のほうが先に追い込まれる。

ちょっとしたミスを咎められてリストラされることもあれば、不慮の事故でリストラされることもあれば、どうしようもない体調不良が原因でリストラに追い込まれることもある。

景気の良い時代では問題にならなかったちょっとしたトラブルが失業の危険に結びつくのが今の時代だ。

そして、一度リストラされると次の就職先がなかなか見つからない。仕方がないので短期のアルバイトや派遣を選ばざるを得ないのだが、そういったものでは生活費が捻出できない。

また、そういった短期のアルバイトや派遣は単なる使い捨て労働者なので、たいていは単純労働であり、スキルも身につかず、何のキャリアにもならない。

だから、家賃が払えなくなって住処を失う。
住処を失えば、ますます就職が難しくなる。
就職が難しくなると、ますます金がなくなる。

そして、ネットカフェのようなところに流れ着き、やがてはそこにもいられなくなってホームレスに落ちていく。現在、計300万人の若者が危機的な状況にある。

そして、一度ホームレスに落ちてしまえば、もうほとんど救いはない。そこから這い上がる社会のセーフティーネットは整備されていないのだ。

落ちてしまった人間は延々と日雇い労働の中で人生を消費し、やがてその殺伐とした生活の中で精神を病んでいく。

「自分の住所を持ち続ける」ことを死守


現在は、ネットカフェを転々とし、シェアハウス(昔で言うタコ部屋)で暮らすしかない若者も増えている。

そう考えると若年層の生活環境は以前よりもどんどん悪化しているというのが分かる。

若年ホームレスと言えば、路上で寝ている人だけでなく、ネットカフェのような一時的な場所を転々として寝ている実態のつかめない人の方も多い。

この時代、最底辺にまで若者が何が何でも守らなければならないのは、どんなに小さくてみすぼらしい場所でもいいから、「自分の住所を持ち続ける」ことを死守することだろう。

住所を持つことによって、行政サービスが受けられ、きちんとした仕事を得ることができ、プライバシーと安心と安眠が得ることができるようになる。

住所がなくなると、そのすべてが吹き飛んでいく。住所がないので日雇い労働くらいしか得られなくなり、その必要最小限の賃金ではそこから這い上がれなくなってしまう。

日雇いを使い捨てにする職場は、どんな長期契約でも2ヶ月がせいぜいだと言われている。それ以上雇い続けると社会保険を支払う義務が発生するからだ。

実態は2ヶ月も雇ってくれることはなく、せいぜい2週間であると言われている。働き手がいくらでもいるからだ。

だから、いったん日雇いにまで落ちると、いくら長期で働きたいと思っても向こうから切り捨てられて、不安定な生活から抜け出せない蟻地獄となる。

決まった住所を持つというのは、社会生活を送る人間として当たり前以前のことであると普通は考える。しかし、その当たり前さえ維持できそうにないような不安定な状況に追い込まれるのが今の社会である。

生きるのに難しい時代はこれからが本番になるのだ。



そして、一度ホームレスに落ちてしまえば、もうほとんど救いはない。そこから這い上がる社会のセーフティーネットは整備されていないのだ。

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