2015-04-13

資産が現金だと、皮肉にも資本主義で負け犬になるのは必至


今のあなたがどこかに面接に行って、月給100円だと言われれば「ふざけるな」と叫んでしまうはずだ。

今の100円というのは、それこそ自動販売機で飲み物を買うことすらもできないほどの価値でしかない。しかし、この100円というのは、約70年前はけっこうな「大金」だった。

昭和20年(1945年)と言えばまだ日本が大混乱の最中だった頃だが、この頃の人々の給料は20円が安月給、普通の人は約50円前後で、学校の先生は75円、校長先生は月給100円ほどであったと言われている。

この頃は機関士という職業もあったのだが、機関士は肉体労働で月給は20円ほどであった。この人に100円の月給を上げようと言えば、泣いて喜んだはずだ。あまりの狂喜に抱きつかれるかもしれない。100円とはそれほどの大金だったからだ。

今の80代、90代の人は、自分たちが若い頃、10円や20円が「それなりのまとまった金」であったことを覚えている。それは今の10万円や20万円くらいの価値であったと言ってもいい。


現金は長い目で見ると必ず目減りするという事実


物価はその後、どんどん上がり、やがて1973年の狂乱物価でインフレは一気に進行し、その後も物価上昇は止まらず、現代では月給が20万から30万円の人がボリューム・ゾーンになっている。

昭和20年の時に20円をもらっていた人と、現在20万円をもらっている人は、その額面にすると1万倍の差である。

これは、逆に言えば、「貨幣価値が1万分の1に落ちている」ということでもある。かつては20円で済んでいたものが、今では20万円を出さないといけないということなのだから、貨幣の価値は1万分の1に減ったのだ。

昭和20年当時、米1俵は約7円だった。安い米であれば6円でなんとか手に入れられたかもしれない。一俵というのは60キロだから、1円で10キロの米が買えたということになる。

現在、米10キロは3000円から4000円する。1円で10キロ買えた時代から考えると、米の価格も3000倍から4000倍に跳ね上がっているということが言える。

これも逆に言えば、昔は1円で買えたものが今では3000円も出さないと買えないのだから、貨幣の価値がそれだけ下がったということが分かる。

では、ここで考えて欲しい。

今から70年後の世界は、人々の月給は20万円や30万円でやっていけていると思うだろうか。もしかしたら、月給2000万円だとか3000万円が当たり前の時代になっているかもしれないと思わないだろうか。

そうなのだ。現金は長い目で見ると必ず目減りする。資本主義の世の中では現金がなければならないが、資産が現金だと、皮肉にも資本主義で負け犬になるのは必至なのだ。

紙幣が大量に供給されると、現金の価値が下がる


現在、日銀は大量に日本円を刷っているが、それが続くと当然インフレがやって来る。

消費税も上がって物価もまた上がっているが、物価が上がったというのは貨幣価値が下がったということである。

これからもっと消費税が上がる予定であるわけで、それはすなわちインフレがさらに進み、貨幣価値はさらに下がるということである。

紙幣が大量に供給されると、現金の価値が下がる。故に、現金を資産として持っていると、現金が目減りして資産価値が減少する。

日本は異次元緩和が為されているが、要するにこれは現金の価値が目減りすることが約束された動きであると言うことができるのである。

2013年に異次元緩和が為され、2014年4月に消費税は上がり、今後2017年4月にも消費税が10%に上がる。今、まさにこの瞬間瞬間に、インフレが忍び寄って来ている。

ということは、今、資産を現金で持っていると、それだけ目減りが早い時代となっているという言い方ができる。

折しも2012年の後半から円がドルに対して価値を下げている。すなわち円安の時代が来ているが、この円安も「円の価値が下がっている」ということを意味している。

2012年後半は円が80円だったが、それが今では120円となっている。国際的に見ると円は3分の2にも価値を下げたという言い方もできる。ここでも円の価値が目減りしているわけである。

私たちは日々の生活であまり実感できていないかもしれないが、現金の価値(日本円の価値)は2013年からあからさまに下がってきているのは隠せない事実だ。

ここ2年間、現金だけしか持っていない人は、グローバルな視点から見ると資産が目減りしたも同然だったのだ。

かつて80円で1ドルが買えたのに、今は120円出さないと1ドルが買えないのだから、円を持っている人はそれだけで大損したという言い方もできる。

現金だけで資産を持っている人はさらに負ける


だとすれば、どうすれば良かったのか。

もちろん2013年のうちに、さっさとドルを買っておけば良かった。あるいは、国内から資産を出したくなければ、日本の優良企業の株式を買っておけば良かった。

日経平均も2013年の初頭で約1万円だったのが現在は2万円付近に来ているのだから、100%も価値が向上した。

日本円が価値をなくしていこうとしている動きとは裏腹に、ドルは50%も上がり、日本の日経平均株価も100%も上昇したのだ。

この2年間、資産として日本円の現金を持っていた人は、ドルに対して33%価値を失い、日経株価指数に投資しなかった人は投資金額を倍にするチャンスを失ったということだ。

しかし、それはこの2年間の動きだけの話であり、数十年単位の長い目で見ると、現金だけで資産を持っている人はさらに負ける。

ただ負けるだけではない。めちゃくちゃな負け方をする。

資本主義社会で現金を資産として持つ人は、必ずインフレにやられてしまうのだ。短期であれば現金は信用するに値するが、長期であれば現金ほど頼りにならないものはない。

そうであれば、タイミングを見計らないで、早い段階から今後もずっと成長していくと思われる優良企業、世界を支配する多国籍企業の株式を買っておくというのは、それなりに合理的な判断であると言える。

暴落の時はハゲタカのように貪り、そうでないときはほどほどの値段の時に買っておけば、総合的に見れば安い時に買ったのと同じことになる。

いずれにしても、資本主義の世の中では「現金の長期保有」が最も割に合わない戦略となる。



昭和20年頃の人にとって、この「1円」は今の1万円くらいの価値があった。現金は長い目で見ると必ず劣化する。資本主義の世の中では「現金の長期保有」が最も割に合わない戦略となる。

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