2015-03-24

崩れゆく新興国経済の最後には、中国の挫折が待っている


中国は2014年まで石油を買って買って買いまくって来たが、現在の石油安で大きな損失を抱えている。この巨大損失を中国政府は隠蔽している。

ロシアは産油国だが、やはり石油の暴落で大損失を抱えており、プーチン大統領は今後2年間はロシア国民は窮乏生活になるので備えるように言っている。

ベネズエラやブラジルもまた産油国であり、2014年後半の石油暴落によって国家基盤が崩壊寸前となっている。

ブラジルではペトロブラスの汚職でルセフ大統領にも100万人超えの抗議デモが突きつけられており、再選されたのに早くも政権ダッチロール状態だ。

南アフリカもまた資源大国だが、原油・資源安の直撃を受けて通貨ランドはリーマン・ショックの暴落を超えて、さらに落ち込んでいる。

いずれの国も通貨だけでなく、株式市場も暴落しており、今や「新興国の時代」も「G20」の時代でもなくなった。新興国が崩壊するかもしれない時代となっているのだ。


石油の暴落は、産油国を軒並み追い詰めている


石油の暴落は産油国を軒並み追い詰めており、この原油安が続くと中東の産油国をも追い詰めていくことになる。イラン政府も「この原油安はアメリカの陰謀だ」と叫んで、苛立ちを露わにしている。

このまま行けば、資源に頼っている新興国が崩壊する光景もある。さらに民間の資金力の脆弱な石油関連企業がどんどん潰れていく可能性もある。

原油価格45ドルの段階でも倒産寸前になっている石油関連企業が多発している。これよりも原油価格が下がったり、あるいは原油安が長引いたりすると、次々と石油関連企業が潰れていっても不思議でない。

そうなると、石油の生産が全世界で止まっていく。

その間に、エクソンやシェブロンのような財政基盤の盤石な大手が中小の石油企業やシェールガス企業を飲み込んでいくことになるだろう。

そして、最後にどうなるのか。石油の備蓄が消失した頃になると、原油価格は一転して上昇していくのは目に見えている。そして、生き残った巨大石油企業がさらに巨大化する。

このシナリオは数年越しのシナリオであり、その間に紆余曲折もあるはずだから、どれくらいのスパンで石油上昇に向かうのかは分からない。

しかし、この原油安が長引けば長引くほど資源国を中心とした「新興国の時代」というのは萎んでいき、最後に吹き飛んでしまう確率が高まっている。

新興国の時代が終わるということは、逆に言えばどうなるのか。もちろん、先進国の時代に戻るということだ。アメリカを中心とした世界体制は崩れない。もっと具体的に言うと、ドルの時代がまだまだ続く。

中国政府は永遠に問題を隠蔽するしかない


中国はどうなのか。中国はすでに成長が鈍化しており、不動産バブルもいつ崩壊するか分からないような状況がここ2年に渡って続いている。

誰も住まないゴーストタウンを作っても経済成長していると豪語できるが、そのツケはいつか払うのだから、中国が無事でいられるはずもない。

中国の格差はひどい状況になっており、テロが中国国内で次から次へと起きている。汚職の摘発も行われているが、それは政治闘争でもあると言われており、字義通りの汚職摘発かどうかは分からない。

成長を追い求めるあまりに中国国内は大気汚染も、水質汚濁も止まっておらず、無理な開発を行うことによって土壌が荒廃して砂漠が広がっており、北京ですらも水不足となっている。

その水不足を解消するために「南水北調」と言って長江流域の水を北部に持ってくるという「自然のねじ曲げ」で水不足を解消したのだが、それでも根本的な問題解決にはなっていないと言われている。

むしろ、よけいに問題を悪化させる可能性があるとも言われている。

何しろ、長江の水はすでに癌症村を発生させるほど汚染されている。そんな汚染水を北京に引き込むのだから、公害をばらまくも同然なのである。

そして、そこまでしてもまだ水不足は解消されないので、首都であるにも関わらず、もうこれ以上の人口は増やせない。

こうした国内問題は解消できないので、中国政府は永遠に問題を隠蔽するしかない。だから、インターネットをも200万人以上の人員を当てて検閲している。

そんな国が「次の覇権国」など笑止千万もいいところだ。人口は多いかも知れないが、問題が発生するとその人口が仇になる。

結果が誠実なものになると考える方がどうかしている


そう考えると、中国が主導してアジアインフラ投資銀(AIIB)を主導していたとしても、いずれ問題を引き起こすことになるのは明白だ。

AIIBの本部は北京に置かれ、総裁も中国人になる。つまり、中国共産党がそれを支配する。そのことから、これはいずれは人民元による世界支配を視野に入れるものであると言える。

しかし、誠実ではない国家が主導するのだから、結果が誠実なものになると考える方がどうかしている。

頭脳と行動力があっても、誠実さという一点が欠落していれば、頭脳と行動力が裏目に出るのは分かりきっている。

世界中から金がなだれ込むということは、そこに利権と汚職が発生するわけで、相当な清廉潔白な人物でもない限り、あっと言う間に腐敗した組織になっていく。

AIIBは貸し付け機関なのだから、中国は「金を貸してやる代わりに中国の言うとおりにせよ」と圧力をかけるようになるというのは目に見えている。

それはある程度の効力を発揮するので、一時的には中国の影響力が強大なものになっていくというのは避けられない。

しかし、だからと言ってそれがすなわち中国の時代になるというわけではない。

中国は足元が崩れているのを隠蔽しながら生きながらえている国家なのだから、むしろ世界中を巻き込みながら崩壊していく確率が高まったと見る方が正確だ。

これは、崩れゆく新興国経済の最後には、中国の挫折が待っているという話である。新興国の状況は、中国を含めて予断を許さないところにある。

原油安がどうなるのか、いつまで続くのかがすべてのキーポイントとなる。



AIIBの本部は北京に置かれ、総裁も中国人になる。つまり、中国共産党がそれを支配する。そのことから、これはいずれは人民元による世界支配を視野に入れるものであると言える。

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