2015-01-08

イスラム過激派による新聞社襲撃テロと血みどろになる欧州


2015年1月7日午後11時30分。パリ市内にある新聞社「シャルリ・エブド」の本社ビルに、乗用車に乗ってきた黒いフードをかぶった2人の男がカラシニコフを持って飛び出した。

2人は受付にいた人間を一瞬で射殺、女性を脅しながら編集会議をしている部屋に向かって、そこになだれ込むと編集長の名前を叫んで「これはムハンマドの復讐だ!」と言ってカラシニコフを乱射したという。

これによって編集長ステファン・シャルボニエ氏が死亡、以下12人も命を落とし、現在4名が重傷であると言われている。犠牲者の中には風刺漫画家も含まれている。

ステファン・シャルボニエ氏が発行人となっている「シャルリ・エブド」では、しばしばムハンマドを風刺してきて、イスラム教徒の怒りを買っていたという。2011年には放火されて事務所が全焼するという事件も起きていた。

このため、この新聞社は連日、フランス当局が特別に警備を行っていた。そんな最中の凶行だった。この新聞社の主要人物がこの時間に編集会議をしていることも知っているから、この事件は周到に準備された大量殺人事件である。


フランスは、イスラム過激派の攻撃対象国だった


「シャルリ・エブド」の主要幹部、記者、漫画家を次々と血祭りに上げた2人のテロ犯罪者は、急行してきた警察とも銃撃戦となった。

パトカーを運転していた警察官は射殺され、路上に逃げた刑事も手際良く小走りで近づいた犯人が至近距離で撃って致命傷を与えている。

ふたりの犯人はサイド・クアシ34歳、シェリフ・クアシ32歳、いずれもイスラム過激派と関わりのあるアルジェリア系のフランス人だったという。

現在、イラクで猛威を振るっている超暴力集団イスラム国(IS)と関わりがあるかどうかは、まだはっきりと分かっていない。

しかし、カラシニコフ等、自動小銃の扱いが手慣れており、しかも殺人の手際も良いことから過激派組織で軍事訓練を受けた可能性が考えられている。

この他にもハミド・ムラドという18歳の運転手がいたが、この運転手は夜になって出頭して緊急逮捕されている。しかし、2人のテロ犯罪者はまだ逮捕されていない。

現在、アメリカはイスラム国に対して空爆を行っているのだが、フランス軍もこれに参加しており、フランスはイスラム過激派の攻撃対象とされていた。

フランス国内にはイスラム過激派に共感してシリアに渡るイスラム教徒が続出しており、国内にも潜在的な過激派思想を持つ人間が1000人近くいると言われている。

イスラム国はその指導者が、イスラム国を攻撃する欧米諸国にテロを行うように呼びかけており、これに呼応したイスラム過激派やイスラム系の一匹狼が次々とテロを起こしている最中である。フランスではテロの勃発が非常に強く懸念されていた。

次々と拡大していく欧米へのテロ


犯人はフランス国籍を持つアルジェリア系なのだが、アルジェリア系はヨーロッパの裏社会を構成する主要な民族のひとつであり、人身売買やドラッグに深く関わっている。

フランスのみならず、ドイツからイタリアからオランダまでユーロ圏全土に移民として定着して裏社会でもネットワーク化されており、それが人身売買やドラッグの流通に結びついているという。

ユーロ圏は多文化共生を謳って、その多くの国がイスラム系の移民も取り込んだが、今やこのイスラム系の移民がユーロ圏の治安を揺るがす最大の懸念となってしまった。

今やユーロ圏はその多くの国で、移民を巡って激しい相互憎悪が生まれており、いよいよ国内での衝突が顕在化している。

ノルウェーでは2011年7月にアンネシュ・ブレイビクという男が77人を一気に殺すテロ事件を引き起こしているのだが、この事件は移民を大量に受け入れる与党に対する不満から引き起こされた事件だった。

スウェーデンでも移民排斥運動はどんどん過激化しており、2015年1月1日にもウプサラで現地のモスク(イスラム寺院)に火炎瓶が投げ込まれ、壁に「帰れ」と書かれていた。

ドイツでも移民排斥運動は拡大している。極右ではなく、ごく普通の人たちが、移民排斥で抗議デモを起こしており、2014年12月にも移民反対のデモが起きたばかりだ。

民族間の憎悪はもはやヨーロッパでは隠せないほど巨大なものになっており、そのためにスウェーデンでも、ノルウェーでも、オランダでも、イギリスでも、フランスでも、ギリシャでも、移民排斥を主張する政党がどんどん伸張している。

今回のテロ事件が起きたフランスでも、マリーヌ・ルペン党首が率いる国民戦線(FN)が大きく支持を伸ばしている。この事件によって、国民戦線(FN)はさらに支持層を増やすのは確実である。

私たちが目撃しているのは、多文化共生ではない


2014年10月22日には、カナダの連邦議会でイスラム過激派に感化された男が銃を乱射して射殺されている。

オーストラリアでは2014年12月15日に、武装した男が17人の人質を取って立てこもるという事件が起きて現場に突入した警察に射殺されるという事件が起きている。

今や、明確に暴力の時代に入っているのである。

かつてはアルカイダがテロを呼びかけていたが、現在ではイスラム国(IS)がテロを呼びかけている。

特にイスラム国は世界中から若者を引き寄せて、彼らに過激派としての訓練を行っている。言ってみれば、一種のテロ養成組織でもある。

いずれ、ここでテロ訓練と実戦を経験した人間たちがそれぞれの国に戻ることになるが、そうなったとき欧米は無数のテロ組織が林立してテロと暴力が日常茶飯事になるはずだ。

欧米とイスラム過激派との殺し合いは激しくなる一方だ。

グローバル化した社会は人間をも流動させており、それは世界の相互理解を深める1つの動きとなるはずだったが、現実は大勢の人間が流動化することによって、民族間の軋轢が激しいものとなって、暴力闘争になってしまっている。

ユーロ圏の各国は、すでに多文化共生によって大量の移民を受け入れた以上、もはや後戻りすることもできない。

人種も、宗教も、文化も、気質も、まったく違う人間が1つの国に集められた結果、互いに激しい憎悪を抱き、殺し合うことになっている。

私たちが目撃しているのは、多文化共生ではない。民族と民族の憎悪と殺し合いである。これからユーロ圏はさらに血みどろになっていくはずだ。



警官に襲いかかる2人のテロリスト。手慣れた動きであるのが分かる。

フランスの新聞社を襲撃したイスラム過激派の兄弟。

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