2014-10-14

経済的な大混乱が来ても、胡散臭い人間に騙されない考え方


投資コンサルタントのエレイン・ガザレリという人をご存知だろうか。この人は1987年の株価大暴落、いわゆるブラック・マンデーを予測して的中させた人物だ。

あまりにも見事な的中だったのでウォール街は驚き、ガザレリは投資界の寵児となった。この当時、ガザレリは天才アナリストの扱いだったのである。

ところが、その後もいろいろ予測したがほとんど当たらず、ガザレリのファンドも成績は芳しいものではなかった。結局エレイン・ガザレリの投資ファンドは打ち切られる羽目になった。

日本でも、口を開くたびに予測を外す「経済評論家」「大学教授」が山ほどいる。

アメリカは崩壊すると言って外し、ユーロ帝国の時代が来ると言って外し、中国の時代になると言って外し、「口を開けばすべてが外れる」という、見るも無惨な経済評論家すらもいる。

彼らはれっきとした「アナリスト」であり「金融の専門家」「投資コンサルタント」だ。しかし、未来予測はどうやっても当たらないのである。


長期予測のほとんど当たらない理由とは?


未来を知りたいという人間の欲望に答えて様々なコンサルタントや専門家が様々な予測をするのだが、その長期予測がほとんど当たらないのはよく知られている。

なぜかというと、予測に関わってくる要素があまりにも多く、しかも複雑に絡み合っているからだ。マクロ経済の予測のほとんどはそうだ。

専門家が偉そうな口をきくほど当たっていないのは、彼らが無能なのではなく、あまりに考慮しなければならない要素が多いことに起因する。

予測と言えば天気予報もまたポピュラーな予測だが、明日の天気はなんとか当たっても、長期予測になればなるほど当たらなくなる。変数が多すぎるからだ。台風の規模や進路ですらも、当たらない。

その予測に与える要素が複雑であればあるほど、着地点はまったく違うものになってしまう。

予測はちょっとした誤差で大きく外れることになる。経済予測も、考慮しなければならない要素が数百、数千もあるのだから、予測が当たるはずがない。

当たったとしても、「外れる可能性が半分もあった」という世界だ。つまり信頼性はない。丁か半かのバクチと同じだ。

丁か半かと言えば、答えは五分五分だから、当たりやすいと思うかもしれない。だから、コインを投げて最初に表が出たら、次に裏が出るほうに賭ける人が多い。

しかし、確率は無限に繰り返した結果から現象を抽出したものだから、表が出て次に裏が出るとは「約束」されていない。丁か半かのバクチですらも、当てるのは容易ではない。

「これ」が理解できていない人は、カモになる


未来は「こうなりそうだ」という予測はできる。

しかし、本当にそうなるかどうかは、それに影響を及ぼす莫大な「要素」をすべて考慮しなければならないので、実現化するかどうかはまったく別の話だ。

つまり、未来というのは、「確実ではないということだけが確実」なのである。

実は、この「確実ではないということだけが確実」というのをきちんと理解できない人は、経済的に危機にさらされている人である。彼らは詐欺師や、インチキ宗教のカモになりやすい。あるいは、荒唐無稽な陰謀論のカモになりやすい。

詐欺やカルトや陰謀論に引っかかる被害者というのは、たいてい「確実ではないということだけが確実」という基本原理を理解していない。

詐欺師はよくカモに「絶対に儲かる」「絶対にこうなる」と情熱をこめて話をして、明るい未来を約束する。

「確実ではないこと」を、あたかも決まっているかのように断定するのが、詐欺やカルトや陰謀論の特徴だ。

いろんな宗教が持っている「終末論」も、決まっていない未来を、あたかも決まっているかのように信じさせて、信者の心を操作する。

しかし、「未来は決まっていない」「将来は何も決定していない」「予測は確実ではない」ときちんと現状認識ができていれば、いかにも未来が決まっているかのように話す詐欺師やカルトの教祖のインチキが分かってくる。

最近はカルト宗教のインチキ性があまねく知れ渡ったので、詐欺師は「国際アナリスト」や「経済コンサルタント」のような、一見マトモそうな肩書きで多くのカモを捜している。

パニックの時代、胡散臭い人間がカリスマになる


こういった詐欺師が大活躍するのは、もちろん世の中が乱れているときである。たとえば、株式市場が大暴落しそうな時や、実際に大暴落したときに忽然と現れる。

株式市場が大暴落すると、多くの投資家が動揺し、右往左往する。そこに胡散臭い人間たちが急に出てきて、「アメリカが崩壊する」とか「ドルが紙切れになる」とか「地球が破滅する」とか、適当なことを言い出すのである。

そして、自分はあかたも将来が見えているような口調で「将来はこうなる」と断言して、「俺に金を払えば救われる」とか言い出す。

経済的パニックの時代に入ると、この手の人間が大活躍する。株式市場が大動乱する時代になれば、胡散臭い人間が「世の中が見えている」ような気になるからだ。

しかし、よくよく考えて見れば分かるが、株価というのはロケットのように騰がるときもあれば、壊れたエレベータのように急降下するときもある。

時々、株式市場が激変して何か問題でもあるのだろうか。

株式が大暴落すると予測や予言したところで、普通は「そんなことは当たり前だ」と馬鹿にされるのがオチだ。

暴落しないで上がり続けるのであれば、誰も銀行預金などしない。下がるのが怖いから、多くの人々は株式を買わないで、目減りしないと思われる現金を銀行に預けるのである。

「何かあれば株式市場が大暴落する」ことは小学校でも思いつくことで、いちいち自慢する話ではない。

しかし、実際に株式市場が暴落していくと、こういった人間たちが出てきて、パニックに陥った人たちを信者にして金を吸い上げるのは世の常だ。

「自分だけは世の中が見えている」「信じる者だけが救われる」ようなことを言い出し始めて金を集めまくる。

しかし、「確実ではないということだけが確実」というのが分かっていれば、経済的な大混乱が来ても胡散臭い人間どもに引っかかることはない。



株式市場が激変すると、胡散臭い詐欺師がどこからともなく現れる。そして、パニックに落ちた人々から金をむしり尽くす。

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