2014-09-12

同時多発テロ事件で軍需産業に賭けたらどうなっていたか?


2001年9月11日に起きたアメリカの同時多発テロ事件、いわゆる「9.11事件」は、もう遠い過去の事件になってしまった。しかし誰もがまだ、あの頃の記憶を生々しく残している。

毎年9月11日になると、同時多発テロの追悼式と共に、超高層ビル2棟が崩れ去る画面を私たちは見る。

110階建てのツイン・タワーが崩れ去る様子を見てみると、改めてこの事件の異様さが際立つ。多くの人が指摘するように、この超高層ビルはまるでビル解体工事で爆破されたかのように、上部から「芸術的」に崩れ去っていった。

もう一方のペンタゴンの航空機突入では、肝心の航空機が見当たらない上に、激突された建物の穴が非常に小さくて、疑念を抱かせるのに充分だった。

だから、未だにこの事件は陰謀だったのではないかと執拗に言われ続け、毎年9月11日になるとそれが蒸し返される。

しかし、真相は今後も決して明らかになることはない。ケネディ大統領が誰に殺されたのか真相がまったく分からないのと同様に、この事件も様々な人がいろんな説を唱えて何もかも曖昧なまま歴史の闇として残っていく。


アメリカと世界のあり方を根本的に変えた事件


テロの首謀者と言われていたアルカイダのオサマ・ビン・ラディンは、2011年5月2日に死んだとされている。イラクのサダム・フセインも2006年12月30日に処刑されている。

アメリカではブッシュ大統領が退任して、オバマ大統領にチェンジし、オバマはイラクとアフガンから撤兵を決断して事件は事実上「幕引き」されている。

しかし、実際にはこの事件は、アメリカと世界のあり方を根本的に変えた「悪い意味」でのエポックメイキング的な事件だった。

今の世界紛争はすべてこの事件に何らかの影響を受けている。

2001年から始まったアフガン攻撃。2003年のイラク攻撃。さらには2011年から始まった中東の激動。

あるいは、現在続いているシリアの内戦や、超過激テロリスト集団「イスラム国(ISIS)」の誕生。これらの中東での騒乱は、すべて9.11事件から始まっている。

2001年以後から現代までの動きは、どう考えればいいのか。

それは客観的に見ると、1990年代にソ連という敵がいなくなって闘う敵を急に見失ったアメリカの軍需産業が、「イスラム」という巨大な敵を見つける旅だったということだ。

9.11事件から、突如としてアメリカは敵を見つけて、アメリカの軍需産業はフル回転し始めた。

日本人はあまり意識していないが、アメリカは世界最大級の軍事企業が数十万人規模で従業員を擁して武器・弾薬を製造する超軍事国家である。

アメリカの軍需産業に賭けていれば儲かっていた


アメリカのニューヨーク証券取引所には、ロッキード、ノースロップ・グラマン、レイセオン、ハネウェル、ボーイング、ゼネラル・ダイナミックス、ロックウェル・コリンズ、LLLと、呆れるほどの軍事企業が上場している。

さらにはそれらの企業の周辺には、関連企業、子会社、孫会社が取り巻いてすべて合わせると、それだけで数百万規模のアメリカ人が軍事産業に従事している。

さらには中東の戦地では利権を求めてエクソンやシェブロンやハリバートンといった石油企業までが軍と協調して入り込んでいる。

非上場企業である民間軍需産業「ブラックウォーター(現ゼー・サービシズLLC)」も軍需産業の一翼を担っているが、この会社の親会社は現在「モンサント」という化学企業が買収して中東で活動している。

こういった事象を見ても分かる通り、2001年9月11日に同時多発テロ事件が起きて、イスラムという敵を見つけた瞬間に、アメリカの軍需産業は「生き返った」のである。

別の言い方をすると、9.11事件が起きて、結果的にアメリカの軍産複合体は「得した」ということになる。なぜなら、終わらない戦争が起きて、軍事企業は安定した利益を確保できたからだ。信じられなければ、軍需産業の株価を見ればいい。

たとえば、2001年にハリバートンの株を買って現在まで保有し続けていると、株価は約5倍にまで上昇しているので大儲けができた。

2001年にロッキードの株を買って保有していれば4.5倍の利益が享受できた。レイセオン社では約4倍、ゼネラル・ダイナミック社では3.5倍、ボーイング社やノースロップ・グラマン社は、2001年から現在まで約3倍になっている。

アメリカの戦争事業に「参加」していれば、アメリカ国家と国民は泥沼に巻き込まれてボロボロに疲弊してしまったが、軍需産業は結果的には儲かった。

さらに状況が悪化しつつあるアメリカのテロ戦争


「我々の標的はテロリストであり、イスラムではない」とブッシュ大統領は言った。しかし、世間はそうは取らなかった。

アメリカは、9.11事件の当日には、すでに犯人がアルカイダのビン・ラディンの可能性があると指摘し、その瞬間に世界中のイスラムがアメリカと分断されていた。

アメリカはこの事件が起きてから数ヵ月後には、もうアフガニスタンを集中攻撃して首都カブールを石器時代のようにしてしまっていた。

そして、9.11から1年経った2002年9月12日には、イラクを「無法者国家」と呼び捨てて次の戦争の準備を始めた。

サダム・フセインを「大量破壊兵器を抱えた無法者」と言い切って、「大量破壊兵器はない」というフセインに対して「国連と国際社会を侮辱している」と激しく糾弾して追い込んだ。

そして、2003年3月17日にアメリカは先制攻撃を宣言し、その2日後にイラク攻撃を開始している。

イラク攻撃の口実になった大量破壊兵器は結局見つからなかったが、戦争することが目的だったアメリカにはそんなことはどうでもよかったのだろう。

アメリカはサダム・フセインを排除して、イラクを民主化すると約束していた。しかし、今でもその約束は果たされていない。

考えて見れば、もうイラクは10年近くも無政府状態のような状態にある。この無法地帯は収束するどころか、オバマ政権の無能のせいで超過激テロリスト集団が国家樹立して、さらに状況は悪化している。

2001年の同時多発テロ事件からもう13年も経っているのに、状況は悪化していくばかりである。そして、アメリカは今もテロの危機にある。つまり、アメリカには今後も軍需産業が必要であることは言うまでもない。





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