2014-09-01

日本も這い上がることができない絶望の社会になったのか?


総務省統計局によると、2014年7月時点で、雇用者数は5600万人いるという。厚生労働省の2013年のデータでは、非正規労働者は1253万人と推定されるという。

単純に言えば、働いている人の約22%は非正規労働者である。

2014年9月1日の産経新聞の記事では、この非正規労働者のうち、正規雇用で働いたことのない40歳未満の非正規社員の57%が自活できない状態に追い込まれているという。

さらに、非正規労働者の約90%が年収300万円未満だった。

これを総合して分かりやすく言えば、働いている人の10人に2人が年収が300万未満の非正規労働者で、10人に1人は給料で生活ができずに親に頼っているということになる。

2014年8月に内閣府が出した「国民生活に関する世論調査」では、去年と比べて生活の向上感は20%が「低下している」と答えたという。

2013年と2014年で何かが変わったとすれば、それは消費税が3%アップして8%になったことだ。しかし、同時に「向上している」と答えた人も6%増えた。


株価上昇の恩恵を受けなかった低賃金層


富裕層は2013年以降、アベノミクスの恩恵を受けて株価上昇によって資産が増えた。2012年の民主党政権時代から比べると、安倍政権になってから日経平均は約50%も上昇した。

現在も、その水準で上下しているので、富裕層が生活の向上感を感じても不思議ではない。

2014年は確かに消費税がアップしたが、株式資産が50%もアップしていれば、消費税アップ分の3%など、容易に吸収できている。

一方で、株価上昇の恩恵などまったく受けていない低賃金層は、給料が上がらない中で、消費税アップ分が直撃した形になっている。これでは、生活感が低下していると感じてもおかしくない。

安倍政権は金融緩和をすると宣言していたのだから、2013年にはドル買いをするか株式を買う絶好のチャンスだったのだが、低所得層は貯金をまったく持っていない人も多い。

日本人の金融資産の平均値は1101万円なのだが、これを資産額で区分けしていくと、貯金ゼロが全体の40%になっている。(日本人の40%は貯金がまったくない危険な状態で生きている

いくら、安倍政権が株式を上げると分かっていても、低所得層は「為す術がなかった」のである。するすると上昇していく株価を見つめながら、指をくわえて見てるしかなかった。

低所得層がアベノミクスの恩恵をまったく受けていないのは、生活保護世帯数が2013年初頭から2014年5月まで、どんどん増えているのを見ても分かる。

2014年5月の生活保護世帯数は160万3093世帯で過去最多を記録する事態となっている。

恩恵を受けるのは、一番最後で一番少ない


(1)金融緩和で最初に企業や富裕層を助ける。
(2)富裕層が消費し、企業が低所得層を雇う。
(3)最終的に景気が好循環する。

安倍政権の目的は、このようなものであったのかもしれない。しかし、その思惑通りにはなっていない。

富裕層は貯め込み、企業は慎重姿勢を崩さず正社員を雇わず、消費税のアップによって低所得層がダメージを受けて四苦八苦している。

これから好循環になる可能性がゼロだとは言わないが、今のところはまだその兆しは生まれていない。

消費税をアップしたことによって低所得層が苦悩し、生活保護受給者を増やすような状況になっている。

低所得層はまだ何の恩恵も受けていない。彼らに少しでも金が回らないと、アベノミクスは広く継続的な支持を得られることはない。

税収が必要なのであれば、日本のためにならないパチンコ屋や、金儲けしか考えていない宗教屋からどんどん毟り取ればいいのであって、わざわざ消費税をアップして低所得層にダメージを与える必要はまったくなかった。

今後、安倍政権がどちらの方向に向かうのかは分からないが、仮に低所得者が恩恵を受けるにしろ、それは一番最後であり、一番利益が少ないというのは間違いない。

今は非正規雇用で親に養ってもらいながら生きているとしても、その親の世代も安泰ではなく、退職や、リストラや、成果主義によって打撃を受けている。

このままでは、いずれ共倒れになる可能性が高い。

這い上がることもできないような社会に


もうすでに世の中の仕組みは変わった。大過なく過ごしていればエレベータにでも乗っているように、賃金が上がった時代はとっくの前に終わった。

今や、企業があの手この手で従業員の賃金を引き下げにかかる時代になった。

非正規雇用も、ブラック企業の登場も、ホワイトカラー・エグゼンプションも、その正体は賃金引き下げである。日本人の賃金は世界水準から見るとまだ高いので、年収は300万どころか、今後は200万円に、150万円に、と下がっていく。

突如として景気が良くなっても、あるいは円安の結果インフレになっても、企業は賃金引き上げだけは、最後の最後まで抵抗するだろう。

仕方なく正社員の賃金を引き上げるなら、その分だけ誰かをリストラする。雇うなら非正規労働者を雇い、少しでも売上や利益が落ちれば、すぐにクビを切ってコスト削減に走る。

そういった「社員の切り捨て」は今後も延々と続けられ、それが当たり前になるから、格差が致命的なまでに開いて行くのはもう避けられない時代になったとも言える。

格差社会の下に落ちるのは自己責任などと言っているうちに、自分が格差のどん底に落とされてしまうような時代になったのである。

「生きにくい時代になっている」と思わないだろうか。日本は2000年を過ぎたあたりから、この「生きにくさ」が社会に蔓延するようになっている。

もう日本の社会も、インドと同じように大量の貧困層が生まれて、這い上がることもできないような絶望の社会になっているのかもしれない。

果たして、どん底に落ちた日本人は、這い上がることができるのか?


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