2014-08-16

危険ドラッグという名前の裏に、別の意図が隠されている?


日本では今、ドラッグと言えば覚醒剤でもヘロインでもなく「危険ドラッグ」が主流となっている。2014年の1月から6月だけでも摘発された事件は128件と急増している。

危険ドラッグは、つい先日まで合法ドラッグだとか、脱法ドラッグという名が付いていた。

「合法なのだから、少しはいいだろう」と判断する20代から30代の人間が次々と手を出すようになっていることから、警察当局が危機感を強めて呼び方を「危険ドラッグ」と変えたという経緯があった。

危険ドラッグの「危険」は、そのドラッグにどんな成分が含まれているのか分からない上に、複数の物質が混ぜられて思った以上に強い作用が生じることにある。

2013年11月に、東京練馬区で製造会社「SSC」が摘発されたが、その工場では暴力団がパートの主婦を使って危険ドラッグを製造していた。分量は「適当」だったという。

人の意識を混濁・酩酊させるような薬物の分量が適当に作られていたといのが凄まじい。


次々と起きる奇怪な交通事故と危険ドラッグ


乱用による死者が2012年以降から数えるとすでに41人に上り、さらに車を暴走させるなどして多くの事故を引き起こしている。

最も衝撃的だったのは、2014年6月24日、東京池袋の人混みに自動車が突っ込んで1人が死亡、6人が重軽傷を負うという事件である。

男は危険ドラッグを吸引して酩酊した状態のまま車を暴走させ、人を跳ねながら40メートルも暴走して電話ボックスに衝突した。事故直後に撮られた写真では、男は仰向けにひっくり返ってヨダレを垂らしていた。

これ以降も、この男と同じ成分の危険ドラッグを吸った人間が、次々と「暴走事故」を引き起こすという異常事態になっている。

2014年7月5日、東京都北区でタクシーに衝突しながら反対車線を逆走していた車があったが、逮捕された会社員は事故前に危険ドラッグを吸っていた。

2014年7月29日、愛知県の高速道路で衝突事故が起きていたが、運転手は危険ドラッグを購入して店の前で吸引し、意識がもうろうとなったまま車を運転していた。

2014年8月4日、岐阜県で22歳の男が国道で信号待ちの乗用車に追突して事故を起こしている。危険ドラッグで酩酊していた。1年前から使用していたという。

2014年8月11日には、東大阪市の交差点でトラックが軽自動車に追突したまま逃亡した事件があった。男は逮捕されたとき上半身裸だったが、危険ドラッグを吸引していた。

2014年8月16日も、愛知県で24歳の男が危険ドラッグをパイプで吸って朦朧となったまま軽乗用車を運転し、事故を起こしている。

危険ドラッグを吸引して酩酊した状態のまま車を暴走させ、
人を跳ねながら40メートルも暴走した男。

取り締まりは厳しくなっているが事件は続く


この危険ドラッグは2014年4月に改正薬事法によって、購入すらも禁止され、取り締まりは厳しくなっている。

製造も、輸入も禁止されているのだが、それだけでなく、購入も、使用も、完全に禁止された。しかし、その中で次々と使用者が問題を引き起こしている。つまり、売っている店がまだあるということだ。

こういった店は「危険ドラッグを売っています」とは言わず、「お香を売っています」「ハーブを売っています」と称して堂々と店を出している。

2014年8月9日には、京都市中京区八百屋町で、「ジャマイカ」という店が摘発され、店長が逮捕されている。

そして、それから一週間も経たない2014年8月14日には、大阪府高槻市西真上で「雑貨店」の店長が逮捕されている。

これらの店は、4月の法改正から5ヶ月に渡って店舗を出していたということになる。大阪でも、こういった店が2012年のピークには73店舗もあり、最近でも40店舗が営業していたと言われている。

ユーザーも低年齢化して、10代の少年少女が手を出すケースもあって、意識不明になって救急病院に搬送されるケースもあった。

また、東京都でも危険ドラッグを手に入れたいために、16歳と18歳のフィリピン人少年がひったくり事件を引き起こして2014年7月26日に逮捕されている。

ひったくりをする前にも危険ドラッグを吸引していて、すっかりドラッグ依存になっていたことが窺われる。

今、世界ではどのような流れになっているのか


こういったドラッグは世界中に蔓延していて、アメリカでは2012年5月26日に、錯乱した男がホームレスの男の顔面を食いちぎって射殺されたという事件も起きたのは記憶に新しい。

今でも信じられないが、錯乱した男が人間の顔を噛みちぎっていたのである。(ゾンビ事件。錯乱した男がホームレスの顔面75%を食いちぎる

危険ドラッグがここまで蔓延した背景には、覚醒剤・ヘロイン・コカインのようなハード・ドラッグの取り締まりが厳しくなったことに起因している。

手に入れるのが難しくなったハード・ドラッグの代替として危険ドラッグが選択されているのだ。世界的にそのような潮流となっており、各国政府は対応に苦慮している。

そして今、世界ではどのような流れになっているのか。実は、こういった危険ドラッグが厳しく取り締まられているのと同時に、「それほど危険ではないドラッグ」が解禁されようとしているのだ。

それほど危険ではないドラッグとは何か。

それは、マリファナである。アメリカでは2014年1月1日からコロラド州やワシントン州で合法化され、現在、成人であれば誰でもマリファナを吸うことが可能になっている。

南米ウルグアイも2013年12月24日にはマリファナを解禁した。個人使用のマリファナ栽培まで可能になった。(世界が、ゆっくりとマリファナ解禁に向けて動いている事実

マリファナ合法化については、投機家ジョージ・ソロスがこのように発言して支持されている。

「マリファナのようなカフェイン程度の毒性しかないものを違法にしておくよりも、それを合法にしてもっと重篤な犯罪に警察の労力を振り向けた方が合理的である」

安全ドラッグという言葉が出現するのは時間の問題


今回、日本では合法ドラッグ・脱法ドラッグが「危険ドラッグ」と名称替えされたが、それが発表されたとき、多くの人は違和感を感じたという。

「ドラッグは危険なことは分かっているのに、なぜわざわざ危険と言うのか」

この違和感は、「脱法ドラッグを危険ドラッグというのであれば、他のドラッグは安全なのか。そう捉える人間が出てくるのではないか」という違和感であったに違いない。

私は逆に「危険ドラッグ」という名称に決まったとき、なるほどと思ったのを覚えている。

「危険ドラッグがあるのなら、安全ドラッグもある」

やがては誰かが、そのように言い出すのは確実だからだ。危険の反対は安全なのだから、危険ドラッグという言葉が作られた以上は、安全ドラッグという言葉が出現するのは時間の問題だと私は考えたのだ。

「そんなものがあるのか?」という話になったとき、世界中の人々は日本人に優しく諭すだろう。

「安全ドラッグがあるかって? もちろん、ある。それはマリファナというものだ」

日本では、相変わらずマリファナも「危険物」だと思われていて、マリファナを吸ったらたちまちドラッグ依存を引き起こして廃人になってしまうと思われている。

しかし、もう世界の潮流ではマリファナはドラッグではなく、アルコールやタバコと同じような単なる嗜好品であると再定義されつつある。

いずれ日本でも、安全ドラッグとしてマリファナが再上陸し、それが法的に認められるようになるのではないか。

その地ならしとして、「危険ドラッグ」という用語がわざわざ作られて、「安全ドラッグ」という対比が受け入れられやすいようにしたのではないか。

「危険ドラッグ」という名称を聞いたとき、私はそのように邪推したのだった。

マリファナ・プラント。
世界的に見ると、マリファナは合法化される流れとなっている。



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