期間限定・数量限定キャンペーン

2014-06-26

中東に5つの勢力が入り乱れ、誰も状況を制御できていない


シリアでは2011年からアサド政権と民主化を求める反政府組織との間で血みどろの戦いが続いている。

反政府運動と言っても、欧米がそれを裏で支援してアサド政権を転覆させようとしているので、事実上、欧米とアサド政権の戦いとなっている。

欧米は2011年から中東アラブ諸国を次々と破壊しており、チュニジア・エジプト・リビア・イエメンと、片っ端から政権崩壊に関与するようになって、アラブ世界を混乱に導いてきた。

とは言っても、初期の段階では欧米の首脳も明らかに中東で起きている混乱に戸惑っていた。

オバマ政権もエジプトで民主化運動が起きているとき、まったく主導権を取ることもできず、どちらを荷担するかも決められなかった。

イスラエルも、ムバラク政権を支持すると当初は言っていたものの、形勢が不利になると何も言わなくなった。


「石油の支配」を巡るゲームチェンジ


リビアでは、カダフィ政権と密接な関係を持っていたイギリス前首相のトニー・ブレア氏が兵器ビジネスを構築している途中だった。しかし、リビアの民主化運動で、すべて吹っ飛んでしまった。

つまり、2011年から起きている中東の激動は、欧米が一丸となってある計画・陰謀に荷担したのではない。

欧米の政府首脳が予期しなかった動きが突如として起きて、途中から欧米政府、欧米メディアがそれに乗ったと見るのが正しい。

中東は石油で成り立っている国家であり、そこが激動の標的になっている。当然、今起きている中東の激動は、「石油の支配」を巡るゲームチェンジである。

このゲームチェンジは、2011年1月から突如として動き出し、中東の独裁政権を崩壊させていった。今もその混乱が続いており、広がって行く一方だ。

シナリオのある動きなのか、それとも大混乱の中でドミノ倒しのように起きている動きなのかは、人によって見方がそれぞれ違う。

ひとつ言えるのは、中東の混乱の背後には、いろんな勢力がひしめいて、それぞれが別の思惑を持って動いているので、そのどの勢力も自分たちのシナリオ通りになっていないということだ。

中東の混乱の背景には「誰」がいるのか。

欧米勢力の他に、影響力を中東全域に広げようとするイラン、それを阻止しようとするサウジアラビア、あるいは中東を通して欧米を揺さぶるロシア、イスラムの混乱を増長しようとするイスラエルの存在も見え隠れしている。

どの勢力も思う通りに行かないでじりじりしている


欧米、イラン、サウジアラビア、ロシア、イスラエルという5つの巨大で狡猾な勢力が中東で蠢いている。その、どの勢力も決定的な力を持っていない。その時々の力関係で状況は刻々と変わっていく。

中東で次に何が起きるのか分からないのは、この5つのパワーが、入れ替わり立ち替わり新しい動きを画策し、それぞれが反応し合っているからである。

シリアのアサド政権の問題にしても、突如として起きたイラクの反政府組織の動きにしても、この5つの勢力がすべて絡んできている。

本来であれば2011年中にアサド政権は崩壊し、シリアもまたエジプトやリビアと同じように崩壊する「予定」だった。欧米勢力やイスラエルはそれを願っていた。

ところが、シリアのアサド政権は猛烈に抵抗をして、そんなシリアをロシアが支援すると、アサド政権は驚異の粘り腰を見せて、いまだ崩壊を免れている。

シリアの黒幕にはロシアがいるのに業を煮やした欧米は、今度はロシアに向けてウクライナ問題を仕掛けた。

プーチン大統領がそれを乗り切ると、今度はイラクが混乱に落ちようとして、再び状況は混沌としている。

つまり、現在の中東で起きているのは、「1つの陰謀が粛々と実行されている状態」ではなくて、どの勢力も思う通りに行かないでじりじりしている混乱の状態であるということだ。

だから、どんな世界がこれから生まれるのかも、誰も分かっていない。歴史は一国の思惑だけですんなりと動くわけではないので、アメリカの誰が何を考えた、何をした、というだけで世の中がその通りに動くわけではない。

オバマ大統領率いるアメリカも、何の影響力も行使できないまま中東の荒波に翻弄されている。

戦乱で崩壊状態になっているシリア。内戦は終結する兆しすらない。

ここが崩壊すると全世界が大混乱の極みになる


中東の今後は、暴力の連鎖がどこまで広がって行くのかが重要なポイントになっていく。チュニジアのベンアリ政権、リビアのカダフィ政権、エジプトのムバラク政権が崩壊し、シリアのアサド政権が標的になっている。

それぞれが独裁政権だが、中東の独裁政権が2011年から一気に危機に陥っているのだ。

アラブの独裁と言えば、サウジアラビアもまたサウド一族が支配している独裁国家だから、中東の暴力がここに達すれば、サウジそのものも崩壊する可能性もある。アラブ首長国連邦や、イランはどうなるのかという点も重要だ。

すべてが崩壊していったら、もはや中東アラブ諸国は全土が大混乱して収拾がつかなくなる。アラブは石油の産地であり、ここが崩壊すると全世界が大混乱の極みになる。

中東の情勢悪化がエスカレートしていけば、石油価格の高騰が世界経済に大きな影響を及ぼす。

それは間違いなく悪性のインフレを引き起こし、あちこちの新興国で暴動やテロが始まっていく。

中東の混乱は石油の高騰を引き起こすことは、誰もが指摘してきたことだ。事実、石油価格はじりじりと値を上げており、グローバル経済を締め上げている。

現代文明は石油に依存した文明であり、石油は現代文明のドラッグのようなものだ。石油というドラッグが断たれると、現代文明は禁断症状で激しく苦しみ、のたうち回る。

中東の大混乱は先が見えなくなっているが、それによって石油の供給に問題が生じると、一瞬にして世の中が阿鼻叫喚に落ちていく。

深刻な危機が迫っていると言ってもいい。





お願い

ダークネスの本文を他サイト(キュレーションメディア、まとめサイト、個人サイトすべて)へ転載する行為は、いかなる理由があっても固くお断りします。