2014-06-10

正社員をクビにしやすい社会になったら、儲かる男がいる


テレビに出ている人や、新聞に載っている他人の意見を信用してはいけない大きな理由は、その人の意見は個人的な利得が裏に隠されているからである。

分かりやすく言うと、何かを発言することによって、その人自身が「儲かる」ようにできている。

たとえば、小泉政権で経済財政政策担当大臣と金融担当大臣をしていた竹中平蔵という男がいる。現在は慶應義塾大学教授という肩書きである。

竹中平蔵は、非常に強い調子で「企業は正社員をたくさん抱えるということが非常に大きな財務リスク」なので、正社員は解雇されやすい環境にすべきだと主張する。

もっとも、「正社員をクビにしやすい環境にしろ」と言う言い方をしたら袋叩きに遭うのは分かりきっているので、そんなあからさまな言い方をしない。竹中平蔵はこのように言う。

「衰退産業から成長産業への労働力の流動化を促すべきだ」

そうすることによって、日本はさらなる成長をつかむことができると彼は主張している。


日本のことを真剣に考えて言っているのか?


竹中平蔵は経済学者だが、日本のことを真剣に考えて、そう提言してくれているのだろうか。

彼が「衰退産業から成長産業への労働力の流動化を促すべきだ」と発言したら、私たちはそうすべきかどうかということに焦点を合わせて考える。

竹中平蔵が、「なぜ」そのような提言をしているのかということをあまり考えない。経済学者としての長年の研究の結果、そのような結論に辿り着いたのだと思うはずだ。

しかし、彼が人材派遣会社「パソナグループ」の取締役会長という立場でいることを考えると、なぜ竹中平蔵が「労働力の流動化」を力説するのか、その背景が見えてくる。

労働力の流動化とは、すなわち社員を解雇させることである。解雇された労働者は次の仕事を見付けなければならないが、そのために派遣会社を利用する。

その派遣会社の大手が竹中平蔵が支配している「パソナグループ」だ。とすれば、どういうことなのか。

・労働力が流動化すると、派遣会社が得する。
・竹中平蔵は派遣会社の取締役会長である。
・労働力が流動化すると、竹中平蔵が得する。

竹中平蔵は学者として「日本のために、労働力の流動化を促すべき」と言っているのではない。明らかに派遣会社の取締役会長の立場で、「自分が儲かるために、労働力の流動化を促すべき」と言っている。

自分の金がかかっているのだから、その発言には熱がこもるのは当然だ。

正社員を簡単にクビにできれば喜ぶ業界


為政者がテレビで一方的な主張をするとき、大抵はそれを主張をすることによって「彼自身が儲かる」仕組みが裏にある。

電力会社に金をもらっている人は電力会社の都合が良い発言をするし、韓国ロビーから金をもらっている人は韓国に都合の良い発言をする。人材派遣会社の人間が、労働力の流動化をバラ色に語るのも同様だ。

正社員制度をバラして労働力が流動化すると、自分の懐が潤うのだから、臆面もなくそれを主張する。

正社員を簡単にクビにできない法律があって、それが自分たちのビジネスの邪魔になっているのであれば、「規制を緩和しろ」と彼らは叫ぶ。

人材派遣会社の取締役会長が「規制を緩和しなければならない」というのは当然だ。

表向きには、もちろん「日本企業の成長力促進のため」とか「日本の成長のため」という美辞麗句が続く。

自分たちが儲かるからなどとは、口が裂けても言わない。そんなことを言ったら袋叩きにされるので、「日本のため」と取り繕うのである。

自分が儲かる方向に向かって発言することを「ポジション・トーク」という。

竹中平蔵はまさにこのポジション・トークを平然とやってのける男である。しかし、私たちが理解しなければならないのは、多くの事業家・政治家・投資家は、すべてポジション・トークで動いていることだ。

誰がテレビに出て自分が損するようなことを言うだろうか。誠実な人は中立な意見を心がけるだろうが、そんな人格者はそもそも最初からテレビに出ない。

誰もが、自分が儲かるために発言している


テレビで誰かが何かを主張していたら、言うまでもなくその裏には自分自身に対する利益誘導がある。

自分が儲かるために発言しているのであって、そんなポジション・トークを私たちが聞いたり信じたりしても、私たちは1円も得しない。

発言している人はそれで得するかもしれないが、それを信じ込まされている人は単なる「カモ」である。

これを「ひどい」と批判することもできる。しかし、誰でも意識的にも無意識的にもポジション・トークになってしまうのは明らかだ。

だとすれば、私たちが気を付けなければならないのは、マスコミが何を言っても、それを頭から信じないという基本的な姿勢を持つことだ。

マスコミは朝から晩まで世論操作をする。

テレビを点けて、竹中平蔵のような人間が好き放題に何か主張しているのを真面目に聞いているだけで、あなたは他人に誘導され、利用されていくのである。

だから、テレビは見ないに越したことはないし、テレビが言っていることを信じる必要もさらさらない。

彼らはそれで儲かるのでいいが、あなたは何の見返りもないのだから、信じるメリットがない。

なぜ、竹中平蔵が儲かる意見をあなたが時間をつぶして聞かなければならないのだろう。馬鹿げている。時間の無駄とは、まさにこのことだ。

ポジションを持たないで何かを信じても何の意味もない。

何かを信じるのであれば、それを信じることによって自分にメリットがなければならない。メリットがないことを信じさせられるのは、絶対に拒絶すべきだ。

竹中平蔵は、日本のために正社員をクビにしやすいようにしろと叫ぶ。


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