2014-01-25

またもや国家破綻か? アルゼンチンが崩壊寸前になっている


アルゼンチンが苦境に陥った。2012年11月27日、格付け会社フィッチがアルゼンチンの格付けを5段階に引き下げて「CC」とし、さらに今後の見通しも「ネガティブ」だと言った。

アルゼンチン政府は経済統計にも粉飾した痕跡があるとしてIMF(国際通貨基金)からも糾弾されて、すでに国家の信頼も国際的に失っている。

同国から投資資金が流出しており、キャピタル・フライトも2012年11月に入ってから加速している。

このまま事態が推移するのであれば、アルゼンチンは「国家破綻」に追い込まれるのは間違いない。

国内情勢は、もはや国家破綻したも同然の状態になっており、フェルナンデス政権は為す術がなく1ヶ月も政治・行政の空白が続いているような状態だ。

多くの人が「再度、アルゼンチンはデフォルトする」と確信しており、2001年から2002年に起きた崩壊劇を思い浮かべるようになった。10年前、アルゼンチンは国家破綻した。近いうち、またもや国家破綻するかもしれない。


2001年から2002年、アルゼンチンに何が起きたか?


アルゼンチンにとって現在の大混乱は過去の悪夢の再現だ。まさに、今の動きは11年前と酷似している。

2001年12月19日、アルゼンチンでは街が破壊され、火焔瓶が飛び交うような暴動が起きていた。

アルゼンチンは、メキシコから始まったラテン・アメリカの危機に飲み込まれて経済破綻しており、巨額の債務を抱えて、IMF(国際通貨基金)の資金を受けた。

しかし、そのIMF資金受け入れ後に国内では貧困が拡大し、2001年12月の時点で国民の40パーセントが貧民層に落ちてしまっていたのである。

当時のデラルア政権は国民に非常な節制を強いたが、肝心のデラルア大統領は失政と汚職にまみれて国民の信用を失っていた。もはや国民を抑えることは不可能だった。

翌日、12月20日になると暴動はさらに拡大し、政府は非常事態宣言を出した。

しかし、暴動は次第に政権打倒の動きを見せ始め、これ以上アルゼンチンを混乱に陥れないために、デラルア大統領は疲れ切った顔で自ら辞任を宣言した。

新政権を率いることになったのはロドリゲス暫定大統領だったが、新大統領が真っ先に宣言したのは、「対外公的債務1,320億ドル(約十七兆円)の支払いを一時停止する」ということであった。

一時停止というが、世界にはこれが債務不履行(デフォルト)宣言だと受け止められた。

失業、インフレ、預金引き出し制限措置


アルゼンチンから投資家、企業家、そして信用がこの短い期間で逃げ足早く消えて行った。

2001年12月末の時点で、国家予算の半分の額(およそ200億ドル)がアルゼンチンから流出しており、金融システムは破綻していた。

年が明けた2002年1月8日、ブラジルのマラン財務相が「アルゼンチンはスーパー・インフレーションが発生することはないだろう」という希望的観測を述べた。

また、ニューヨーク連銀のマクドナー総裁は、「アルゼンチンの問題がラテン・アメリカ全体に波及することはない」との見解を示した。

しかし、これらの発言はアルゼンチン危機が他国まで影響を受けないように事態を矮小化させようとする「火消し」のようなもので、それを真に受ける者はあまりいなかった。

その後も、各国の希望的観測を嘲笑うかのように、アルゼンチンではスーパー・インフレが吹き荒れていったのである。

生活必需品は高騰し、食料も値上げに次ぐ値上げが繰り返された。たとえば、小麦の値段も1ヶ月も満たないのに60パーセント近くも値を上げるという暴騰ぶりだった。

国民は銀行に殺到したが、政府はその動きを察知していて「預金封鎖」していた。

国民は、自分の金を銀行から引き下ろすだけで、何時間も並ばなければならなかった。さらに、自分の番が来たとしても預金引き出し制限措置が取られており、全額を引き下ろすことができない。

失業、インフレ、預金引き出し制限措置、借金地獄……。

それが2001年から2002年に起きたアルゼンチンの「地獄」だった。これが、また2012年12月に「再来」しようとしているのである。

再選早々、国家崩壊危機に見舞われているフェルナンデス大統領

物価だけが20%も上がって家計を直撃


2012年11月に入ってからアルゼンチンはインフレが加速しており、現在は12%のインフレになっていると言われている。

ところが、この「政府発表」は、国民を欺くための、まったくのデタラメであることを指摘したのがIMFだ。

実際にはその「倍」にあたる20%近いインフレが起きているのではないかとIMFは指摘しており、だから「経済統計にも粉飾した痕跡がある」として、制裁を検討される事態に追い込まれている。

フェルナンデス政権は数値を粉飾した可能性は強いが、それは国内の動揺をこれ以上拡大させないためだった。

しかし、実際には11月初頭から大規模デモが拡大して経済が麻痺状態に陥っており、もはや数字を粉飾したところで何の解決にもなっていない。

2012年11月8日には、インフレに対して何ら対抗措置を打てないフェルナンデス政権に対して「インフレ抗議デモ」が起きており、70万人の国民がこのデモに参加したという。

治安も非常に悪化してきており、これも国民の不安を煽り立てている。治安悪化の原因も事実上20%を超えるインフレが生み出している。

それもそうだ。毎日毎日、目が覚めたら物の値段が上がっており、賃金はそのままなのに物価だけが20%も上がったら家計が破綻してしまう。

首都ブエノスアイレスの周囲にはスラムが取り囲んでおり、このスラムの住民が追い込まれると首都全体が危険地帯になる。

殺人、強盗、レイプ、そしてお決まりのドラッグ犯罪がブエノスアイレスで白昼堂々と起きており、住民はもちろん旅行者も安全ではない。

偽札も大量に出回っており、これがまた通貨に対する信用を失わせている。

アルゼンチンがこのままデフォルト(国家破綻)に追い込まれていくと、問題はアルゼンチン1国にとどまらない。グローバル経済が激震することになる。

このまま国家破綻する可能性が高いアルゼンチン。





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