2013-11-09

貯金をする余裕など、なくなってしまったのが日本人の現実


日本人はみんな貯金ができていると未だに思っている人がいるかもしれないが、もうそれは大昔の話だ。今の日本人の家計貯蓄率は愕然とするほど低い。

そして、それはこれからさらに悪化していく。

貯蓄率とは何か。貯蓄率とは、収入から税金や社会保障費を差し引いた「使えるお金」からどれくらいを貯金に回しているかという比率を指したものだ。

信じられないかもしれないが、もう日本人の貯蓄率は0%に限りなく近くなっており、今後マイナスになってもおかしくないと言われている。

マイナスとはどういうことか。マイナスとは、貯金をするのではなく、貯金を切り崩す生活が始まるということだ。そのような危機的な事態がこれから起きようとしているのである。

現在の日本人は、どんどん経済的に首が絞まり、貯金などまったくできない民族になっているのである。貯金がないのだから、いったん経済が非常事態になると、追い込まれる人が続出するということだ。


ゆっくりと滅んで行こうとしている現実がある


かつて、日本人の貯蓄率は20%を超えていたときがあった。1975年あたりは23%だった。

しかし、1990年以降のバブル崩壊で日本経済が縮小の時代に入ってから、貯蓄率は目に見えて、どんどん低下するようになっていった。

自殺率もバブル崩壊後に跳ね上がって、毎年約3万人が死んでいくような時代に入っているが、その多くは経済的な苦境が原因であるとも言われている。

貯蓄率の低下と自殺率の急増はまったく別種の統計であるが、どちらも日本人が追い詰められているということを意味しているものなのだ。

自殺率上昇は生活破綻してどうにもならなくなってしまった人のデータであり、貯蓄率低下はこれから追い詰められていく人のデータだ。

そのどちらからも、日本人がまるで真綿で首を絞められているような光景が目に浮かぶ。

日本は「いつか復活する、そのうち復活する」と言われながら、どんどん復活の芽が遠のいて、ゆっくりと滅んで行こうとしている現実が浮かび上がっている。

収入から税金や社会保障費を差し引いた「使えるお金」のことを、経済用語では「可処分所得」と言う。この可処分所得は2000年代に入ってからずっと低下している。

それなのに、今後は消費税が引き上げられるので、これからも可処分所得が急激に低下していくのは確実だ。

消費増税に伴って給料が引き上げられるのは、ほんの一部の業種や人々だけである。あとは現状維持か、もしくはかなり後になってから、気持ち程度の引き上げで終わる。

家計貯蓄率”Annex Table 23. Household saving rates”より
日本の貯蓄率は、いまやアメリカよりも低いことが分かる。

若年層も、高齢者も、みんなまとめて追い込まれる


可処分所得があまりに低いか、ぎりぎりだと、預貯金に回す金はほとんどなくなる。

だから、若年層は預貯金のない世代が多い。常に生活に追われていて、身動きできないような状況に追い込まれている。

もはや終身雇用もなく、正社員になれる確率もなくなり、企業の都合によっていつでもクビを切られる立場にある。低賃金で雇われ、奴隷のように働かされ、挙げ句の果てに「使い捨て」にされる。

労働者は保護されるどころか、グローバル化が加速することによって、さらに使い捨ての傾向は高まっていく。

そんな状況だから、預貯金どころか生活費すらも捻出することができなくて、生活のための借金を余儀なくされる人も珍しくない。もう将来の展望もないし、結婚すらも不可能な状況にある若者も多い。

その中で預貯金ができるということは、それ自体が奇跡的なことでもある。

自分で働いて家賃から生活費まですべてまかない、さらに貯金までできている若者は、本当に堅実であると言える。

一方で、高齢者もまた今後は追い込まれていくことになるのはすでに約束されている。

年金制度は少子高齢化で破綻寸前になっている。そんな中で団塊の世代が年金生活に入っていくのだから、いよいよ年金制度は危機的な状況になっていく。

そして、年金の切り下げや受給年齢の引き上げはなし崩しに起きて、医療費の自己負担は今後はどんどん増えて行く。そこに、消費税のアップが直撃するのである。

あなたは、この地獄の中で生き残れるだろうか


消費税は5%が8%になるだけだと思っている人も多い。しかし、本当はそうではない。

消費税は「段階的に引き上げられる」のはすでに避けられないので、8%が10%に、10%が15%にとなっていく。

2013年11月8日、日本の政府債務は1011兆円1785億円になったと発表されているが、これを見ても分かるとおり、もはや日本の国家財政はいつ破綻してもおかしくない状況にある。

この状況から見ても、消費税がどのみち加速度的に引き上げられていくというのは数年前から読めていた話であり、いよいよそれが起きるということだ。

消費税が引き上げられれば物価が上がり、物価が上がれば年金生活者が貧困に落ちていくのは当然のことであり、それが来年から起きるのである。

この消費税の引き上げ分を、預貯金の利子でまかなおうとしても無駄だ。なぜなら、もはや金利など0.02%であり、限りなくゼロも同然だからだ。

高齢者も、若年層と同じく可処分所得は限りなく減っていくことになり、年金で悠々自適など絶対にない。貯金は増えるのではなく、どんどん切り崩されていくのである。

それが、貯蓄率の低下となってデータに表れている。

いずれ、貯蓄率はマイナスに落ちる。そうなったとき、日本はひとつの時代が終わったと考えてもいい。「経済大国」という時代が終わる。

日本が苦境に追い込まれていくという現状認識は、もう10年も前からずっとあった。日本の経済的衰退は、突然起きた現象ではない。20年前から、ずっと続いている。

気がつかなければならないのは、奇跡的な大逆転が起きない限り、これからも日本人の経済的苦境は続いていくということである。

あなたは、この地獄の中で生き残れるだろうか。もう普通に生活できない時代が、すぐ目の前までやって来ている。



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