2013-09-09

パスワードも暗号化も、政府に対しては何の意味もなかった


G20ではロシアのプーチン大統領を、オバマ大統領が激しく糾弾する一面があった。

その背景には、シリア攻撃を阻止しようとするロシアの姿勢の批判以外に、エドワード・スノーデンを匿っていることに対する苛立ちがあると言われている。

スノーデンは米国家安全保障局(NSA)が何をしているのかの情報をすべて握っている。

それらは国家機密の根幹の部分であり、アメリカはこれらがすべてロシア側に渡ってしまうのを恐れているのだが、すでにロシアは相当な機密をスノーデンから引き出していると言われている。

米国家安全保障局(NSA)が国民監視を非常に幅広く、そして徹底的に行っていることは、今もスノーデンによって続々と公表されている。

NSAはすでに多くの暗号システムを「解読」してしまっており、通信を暗号化するTORも安全ではないということが発覚した。スノーデンによると、NSAはすでにTORをクラックしている。


暗号化もパスワードも政府相手には意味がない


つまり、匿名が保証されると言われているTORですらも、国家によって解読されており、監視されているということである。

そもそも、暗号化の国際基準決定に関与して、自分たちがクラックしやすい暗号を国際基準にするというロビー活動が行われていたという。

さらに、暗号化の解読をスーパーコンピュータで行い、商業の暗号ソフトウェアにはバックドアを仕込ませる等の活動もしているということで、暗号化が何の意味もないものであることが徐々に判明している。

しかも、NSAはOS問わず、すべてのスマートフォンから情報を抜き出すことも成功している。

誰がどこで何をやって、誰と何を話してメールの内容はどうだったのか、NSAはその気になればすべて知ることが可能だ。

つまり、私たちはすでにプライバシーは完全になくなっており、暗号化したりパスワードをかけたりしても政府相手には何の意味もないということが判明してしまったのだ。

これを受けてグーグル等はセキュリティ対策をより強化するとしている。

しかし、どんなに暗号化を強化しても、政府が個人のパソコンに侵入して、そこからパスワードを抜き取ることができるのであれば、何の意味もない行為であることが分かる。

それでも多くの人が騒がないのは、政府が監視するのはテロリストであり、自分はテロリストではないからまさか監視されることもないだろうという楽観があるからだ。

しかし、そういった楽観によって私たちのプライバシーは極限まで侵害されてしまうことになった。

国民監視の総本山だった米国家安全保障局(NSA)

セキュリティソフトは何の役にも立っていなかった


政府の個人監視とは別に、情報漏洩もまた非常に激しい頻度で起きている。

自分が気をつけていても、世界中でウェブ・サービスがハッキングされており、そこから個人情報が次々と漏洩する。

個人情報を盗まれる人は、経営コンサルタントのジェームズ・キャントン氏によると、全世界で1億人以上にのぼると言われている。

これは年々増え続けていき、決して減ることはないという。日本人も例外ではなく被害に遭っている。

この中で個人に致命的な打撃を与えるのがクレジットカードの番号やパスワードのID情報だ。

こういったものは金融犯罪に悪用できるので、常に「価値ある情報」として集中的に狙われる。

そして、漏洩したらこれが転売されるのだが、転売マーケットさえもインターネットに存在している。

最近のコンピュータはセキュリティソフトが必須だが、セキュリティソフトをいくら強化してもそれを上回る悪質なウイルスが発生して、常にいたちごっこになっている。

私たちはセキュリティソフトに任せれば大丈夫だと漠然と思っている。

しかし、すでにこういった市販のソフトウェアが何の対策にもなっていなかったというのは、2010年に発覚した超凶悪なウイルス「スタックスネット」や「フレーム」の存在で明らかになってしまっている。

これらのウイルスの制作には、やはりアメリカ国家が関与していた。



すべてを暴露された上で制裁を受ける世の中


インターネット上では、私たちが何をしようが、もう匿名は一切存在しないと考えなければならない。

私たちは政府監視の中で生きており、政府がその気になればいつでも私たちを「葬り去る」ことが可能になる。政府には逆らえない未来がもうやって来ている。

だからと言ってインターネットを完全遮断して生きていける人はいない。携帯電話も、スマートフォンも使わないで生きていける人もいない。

ネットワークにつながるというのは社会につながるということであり、ネットワークを切断すると言うことは自分を社会から切断するということでもある。

だとすれば、監視されていることを承知しながら、インターネットに接続しなければならないということになる。何をやっても、どんなに注意しても匿名はないのだ。

他人にのぞかれるのを覚悟してメールのやりとりをし、匿名のつもりでどこかに書いたものでも、最後には特定されると自覚しながら書く必要があるということになる。

年々、インターネットの監視が厳しくなっていき、暴露される危険性も高まっている。

最近、ツイッター等のサービスで、わざと反社会的な行為を晒して、炎上して、個人が特定されて社会的な制裁を受ける若者も増えている。

こういった事件では、馬鹿げた行為に目が行きがちなのだが、本当に考えなければならないのは、何かあれば「個人は特定される」「プライバシーは暴露される」という部分である。

社会を敵に回せば、個人は特定され、制裁を受ける。
国家を敵に回せば、個人は特定され、制裁を受ける。

つまり、私たちは何かおかしなことをすれば、一瞬にしてすべてを暴露された上で制裁を受ける世の中で生きている。



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