2013-06-13

政府が国民を監視していることが、いよいよ明確になってきた


アメリカの情報機関のひとつNSA(国家安全保障局)が私企業のサーバーの個人情報にアクセスしている。

そんな報道がスクープされたあと、その情報元だった元CIA要員エドワード・スノーデン氏は自ら名乗り出て、改めて様々な情報を暴露している。

NSA自体が国外のサーバーをハッキングしており、ハッキング対象は6万1000件を超えているという。

これによって分かってきたのは、NSAはアジアでは香港に拠点を置いて、そこから数十万人の企業や個人のパソコンにアクセスしているということだった。

中国のネットワークは、グレート・ファイヤーウォールで外部から隔離されているのだが、NSAはその中国にもアクセスできていたと言われている。

NSAは、こういった情報収集自体を「プリズム計画」、そしてこのハッキングを可能にする特殊なプログラムを"Boundless Informant"(無限の情報提供者)と呼んでいるのだという。


ブッシュ前政権時代に、それは始まった


今まで、グーグル、アップル、マイクロソフト、ヤフー、フェイスブック、スカイプ、AOL、パルトーク等のクラウド・サーバーにはアメリカ当局が「盗み見」しているのではないかと噂され続けて来た。

この噂はイランの原子力機関に襲いかかったスタックスネットやフレームが明らかになる過程で、世界中のコンピュータ関係者が確信した。(「世界を3日で破壊する方法」を、アメリカ政府が試し始めた

今回のエドワード・スノーデン氏の内部告発は、それを裏付けるものとなった。

ワシントンポストが飛ばしたスクープによると、極秘監視計画「プリズム」が最初に動き始めたのはブッシュ前政権時代の2007年で、最初はマイクロソフト社のサーバーがターゲットとなっていたという。

マイクロソフトは当時「ホットメール(現Outlook.com)」でウェブメールの世界を制覇していたのでブッシュ政権はそれに関心を持ったのだと思われる。

2008年にはヤフーが監視対象になり、2009年にはグーグルとフェイスブックが監視対象になっている。

アップルはスティーブ・ジョブズが生きていた時代はプリズムの監視対象になっていなかったようだ。

しかし、2011年にジョブズが死亡すると、その翌年2012年は早々と「プリズム」の監視対象に組み込まれたとされている。

アップルはクレジットカードと紐付いたアップルIDと言う巨大な個人情報を持っている。その数は約5億人にのぼる。そして、アップルのicloud.comは約3億人のユーザを誇っている。

エドワード・スノーデン氏。NSAの「プリズム」計画を暴露。
今後は激しい個人攻撃にさらされることになるだろう。

個人ユーザーの情報はまさに「丸裸」になっている


現在、「プリズム」の監視対象は電子メール、チャット、ビデオ、写真、SNSと多岐に渡っている。

この「プリズム」の変遷を見ていると、電子メールが最も重要視されているのではないかと推測される。

電子メールは今も昔も個人情報の宝庫だ。この電子メールのクラウド化(Webメール)に先鞭をつけたのはマイクロソフト社であり、ここからヤフーメール、Gメールと競合サービスが生まれていった。

極秘監視計画「プリズム」はこのクラウド・メールを抑えることによって、重大な個人情報を手に入れることができる。

さらにNSAはフェイスブックの情報から、ベライゾンの盗聴から通話記録の収集をしているので、個人ユーザーの情報はまさに「丸裸」になっているのである。

このエドワード・スノーデン氏の暴露によって、アメリカ政府は慌てて「この情報収集活動はアメリカ人ではなく、外国人をターゲットにしたものである」と言い繕った。

しかし、ベライゾンの盗聴や通信記録はまさにアメリカ国内のアメリカ人を対象にしたものだ。

そして、エドワード・スノーデン氏によると、NSA職員は「大手企業のサーバーのデータならどんなものでも、例えばオバマ大統領個人のものでも閲覧することができた」と証言しており、アメリカ政府の説明と矛盾している。

ハフィントン・ポストは政府関係者の声明として「外国諜報監視法廷、大統領府、議会の監督の下に実施される」というものを掲載した。

しかし、現場ではそうなっておらず、まさに世界中の誰のデータでもアクセスできていると考えた方が早い。

アメリカ人だろうが、外国人だろうが、関係なく、アメリカの情報機関はすべての人間の情報にアクセスできるということを意味している。

「スノーデンはヒーローだ」と擁護する声も出てきている。
もちろんアメリカ政府はスノーデン氏を国家に対する反逆者と見ている。

「監視社会」から抜け出せない時代に入った


ところで、この世には過激派によるテロが満ち溢れており、たとえば最近でもボストン・テロ事件が起きたばかりだ。

しかし、9.11からボストン・テロ事件まで、そのいくつかはアメリカ政府の自作自演だという噂も飛び交っている。

こういった事件の裏側は決して明らかにならないので、その真相がどこにあるのかは誰にも分からない。

仮に、テロ事件やテロの脅威そのものが軍産複合体を生かし続けたい政府が仕組んだものであったとすれば、これはどう考えればいいのだろうか。

(1)テロを自作自演し、脅威を煽り続ける。
(2)国民の危機感を募らせる。
(3)国民監視を正当化し、国民に納得させる。

このような策謀がアメリカ政府にあったということなのだろうか。

アメリカ政府の中で、このような策謀が動いているのかどうかは誰にも分からないが、もし策謀があったとしても誰も驚かないのが今のアメリカ政府なのかもしれない。

仮に策謀がなかったとしても、国民監視がテロによって正当化されているのは事実であり、いよいよ政府監視の実態が表側に浮上してきた。

アメリカでは、これに対して激しい抗議は今のところ起きていないと言われている。

ワシントンポスト紙の調査では、アメリカ人の56%は、NSAによる監視は「許容できる」と考えているようだ。

ニューズウィークではこれを「ほとんどのアメリカ人は、自分がテロ調査の対象になるとは思わないので、政府が自分の情報などに関心を示すはずがないと考えている」からだと分析している。

しかし、仮にこれを許容しないと言ったとしても、私たちはもうこの「監視社会」から抜け出せない。インターネットも、携帯電話も使わないで現代社会を生きるのは難しいからだ。

あなたは、そんなことができるだろうか?

香港に潜伏するエドワード・スノーデン氏。
果たして、どのような運命になるのだろうか。


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